ボーナス・賞与をもらって辞めるのは問題なし?逆算スケジュールやポイントを解説します

ボーナスをもらって辞めることは、問題ありません。「ボーナスをもらってから辞めたい」と思う人は多くいますし、そう考えることは一般的です。ボーナスは頑張って働いたことに対する評価ですので、会社を辞める人にももらう権利があります。

本記事では、ボーナスをもらって辞めるための逆算スケジュールや損しないためのポイントを紹介します。ボーナスをもらってから辞めたい人は、参考にしてください。

本記事の結論
・ボーナスをもらって辞めるのは問題ない
・ボーナスをもらって辞めるには、逆算してスケジュールを組むのがおすすめ
・ボーナスをもらってから退職意思を伝えよう

ボーナスをもらって辞めるのは問題ない!

結論からいうと、ボーナスをもらってからすぐに辞めたとしても、法律上まったく問題ありません。賞与は、労働者が頑張って働いたことに対する評価として、支払われます。会社を辞める人であっても、会社を辞める前に頑張って働いていることに相違はないため、もらえる権利があります。

ただし、注意すべきは法律で定められていないことです。つまり、ボーナスを支給するかどうかは会社の自由です。

会社の就業規則で「ボーナスを支払う」といった規則を定めた場合のみ、支払う義務が生じます。

そのため、仮に会社を辞めるからといってボーナスが減額になったり、支給されなかったとしても違法ではないので注意しましょう。ボーナスが減額・支払われないといったリスクを避ける方法を後ほど紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

ボーナスをもらって辞めるための逆算スケジュール

ボーナスをもらって辞めるためには、退職日や退職意思を伝えるタイミングを逆算して考えることが重要です。一般的にボーナス(賞与)は、夏と冬に2回支給されます。

  • 夏のボーナスをもらって辞める場合
  • 冬のボーナスをもらって辞める場合

2つのパターンで逆算スケジュールを紹介しますので、参考にしてください。

夏のボーナスをもらって辞める場合

夏の転職スケジュール 正

夏のボーナスは会社によって支給時期が異なります。そのため、就業規則や上司に確認するなどして、支給時期を確かめておきましょう。

一般的には6月の下旬~7月上旬に支給されます。公務員の場合は夏のボーナス支給時期が法律で定められており、6月30日となっています。2024年であれば6月30日が日曜日ですので、支給日は6月28日(金)です。

ボーナスをもらってから2~3週間空けてから、退職届を提出しましょう。上記のスケジュール通りに進められれば、9月には転職先に入社できます。

冬のボーナスをもらって辞める場合

冬の転職スケジュール 正

冬のボーナス支給時期も会社によって異なりますが、12月上旬に支払われるケースが一般的です。公務員の場合は、12月10日と法律で定められています。大企業などは公務員の支給時期と合わせることがよくあります。上記のスケジュール通りに進められれば、転職先に入社できるのは2月です。

【損しない!】ボーナスをもらって辞めるときの6つのポイント

ボーナスをもらって辞めるときは、以下の6つのポイントを意識してください。

  • 1.退職意思を伝えるのはボーナスをもらってから
  • 2.就業規則を確認しておく
  • 3.引継ぎを怠らない
  • 4.ボーナスにこだわりすぎない
  • 5.転職活動していることは誰にも話さない
  • 6.転職先が決まってから退職を伝える

それぞれについて解説します。

1.退職意思を伝えるのはボーナスをもらってから

ボーナスを確実にもらうためには、ボーナスをもらってから退職意思を伝えましょう。会社によっては、ボーナス前に退職意思を伝えると減給されたり、もらえなかったりします。

ボーナスは、本人の査定や会社の経営状況などによって支給額が決まります。退職意思を伝えたことで、減額されたとしても不服を申し立てることが難しいです。

減額されずにボーナスをもらいたい場合は、退職することを会社に悟られないように注意しましょう。

2.就業規則を確認しておく

ボーナスに合わせて転職したい人は、会社の就業規則を確かめておきましょう。ボーナスについて就業規則で定めている場合は、以下のような規定があります。

  • ボーナスが支給される次期
  • ボーナスの算出基準
  • ボーナスの査定期間
  • ボーナスの支給方法

例えば、「6月1日まで在籍していた者を支給対象者とする」「会社の業績などを考慮して12月10日に支給する」といった内容が書かれています。

就業規則は会社ごとに異なりますので、必ず確認してから転職スケジュールを組みましょう。

3.引継ぎを怠らない

ボーナスをもらったからといって、引継ぎ作業を疎かにしてはいけません。円満退職するためには、引継ぎ作業を怠らないことです。とくにボーナスをもらって辞めると、悪い印象を与える可能性もあります。「ボーナスだけもらって辞めるのか」など、嫌味をいわれないためにも、徹底して引継ぎ作業しましょう。

具体的に1ヶ月程度は引継ぎ期間を設けましょう。自分が辞めて損傷がない程度まで後継人に引継ぎできれば、問題ありません。残された従業員や会社に迷惑がかからないようにしましょう。

4.ボーナスにこだわりすぎない

ボーナスをもらって辞めたいからといって、ボーナスに執着しすぎてはいけません。転職先の内定が決まってから入社するまでの期間は、一般的に1~3ヶ月です。ボーナス支給日まで在籍したいからといって、転職先の入社日を延期すると、転職先の会社へ悪い印象を与えることになります。

ボーナスは転職先でももらえます。現職のボーナスをあきらめて、転職先の会社でボーナスをもらうことも1つの手です。ボーナスをもらうことにこだわりすぎて、現職と転職先の会社のどちらからもボーナスがもらえないような状況にならないよう、注意しましょう。

5.転職活動していることは誰にも話さない

ボーナスを確実にもらうためには、転職活動していることを誰にも話してはいけません。仲の良い同僚やパートなどに話したくなる気持ちはありますが、噂が広まってしまうと、ボーナスを受け取れなくなる可能性があります。

先に述べた通り、ボーナスを支払う義務は会社にありません。そのため、転職すると分かれば「会社に貢献しない人物」とみなされ、もらえない可能性も十分にあります。転職活動がバレないように注意してください。

転職活動のために休みをとらなければいけない状況が必ず発生します。転職することを打ち明けていれば、休む理由をいいやすいですが、今回の場合はそうもいきません。

会社を休む理由に困った場合は、以下の記事で当日会社を休む理由について紹介していますので、参考にしてください。

当日に会社を休む際の理由17選!例文付きで注意点も紹介 – 退職代行ほっとライン

6.転職先が決まってから退職を伝える

退職を伝えてから転職活動を始めるのではなく、転職先が決まってから退職を伝えましょう。転職先が決まっていない場合、転職活動が難航すると、退職してから転職先を探すことになってしまいます。

転職先が決まっていれば、退職して空白の期間を作ることなく転職先で働くことが可能です。空白の期間がなければ、国民健康保険や国民年金などの手続きも、すべて転職先の会社にしてもらえます。

また、収入が途切れないため生活が安定することもメリットの1つです。

転職活動をしながら仕事を並立しなければいけないため、「面接の日程調整が難しい」「転職活動に時間を割けない」といった点を対策する必要があります。綿密に転職スケジュールを立てたり、転職経験のある人に相談したりなど、工夫しながら転職活動を進めましょう。

ボーナスをもらって辞める人の口コミ【Yahoo!知恵袋】

ボーナスをもらって辞める人は多くいます。実際にボーナスをもらってから辞めた人の口コミを参考に、対策を練りましょう。紹介する口コミは以下の通りです。

  • ボーナスを受け取る前に退職を伝えてしまった口コミ
  • ボーナスを受け取る前に退職しろと要求された口コミ
  • 転職スケジュールについての口コミ

ボーナスを受け取る前に退職を伝えてしまった口コミ

  • 退職者は7月31日付で退職
  • これまで10年間は7月中旬にボーナスが支払われてきた
  • 今回に限り退職するまでにボーナスが支払われていない(他の従業員も支払われていない)
  • 8月にボーナスが支払われていた
  • 就業規則には「毎年7月及び12月のボーナス支給日に在籍する従業員にのみボーマスを支給する。」「会社の業績の著しい低下、やむを得ない事由がある場合には、支給日の変更または支給しない事がある。」と記載している

参照元:Yahoo!知恵袋

こちらの口コミは、ボーナスをもらう前に退職を伝えてしまった口コミです。本来であれば、7月にもらえるはずのボーナスが、今回に限って8月に変更されていました。

先に退職することを伝えてしまったが故に、ボーナスを受け取れませんでした。これは会社の嫌がらせに近い形ですが、裁判で訴えたとしても勝てるかどうか難しいラインです。

ボーナスを確実にもらいたい場合は、先に退職することを伝えないようにしましょう。

ボーナスを受け取る前に退職しろと要求された口コミ

  • ボーナス支給日に在籍していることがボーナス支給の条件
  • ボーナス支給日は12月15日で、労働者は12月20日付で退職希望
  • 退職願いでも12月20日付で退職したいと申告済み
  • 会社側はすぐに有休を消化し、11月30日付で退職するように要求
  • 就業規則には「1ヶ月前に退職を伝える必要がある。労働者と協議して退職日を決める。」と記載している

参照元:Yahoo!知恵袋

退職者にはボーナスを支払いたくない、と思う会社は多くあります。この口コミもボーナスを支払いたくないがために、退職日を変更してほしいと要求しています。ボーナス支給日と退職日が近いとトラブルになる可能性があるため、注意しましょう。

この口コミの場合は、会社と交渉した結果、労働者の要求が通ったようです。この口コミのようにトラブルになり、会社側が理不尽な要求をした場合は労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。

転職スケジュールについての口コミ

  • 2月初旬に内定を獲得し、4月初旬に入社してほしいといわれている
  • 現職には辞めることをまだ伝えていない
  • 4月末にボーナスの支給がある
  • 支給条件は「支給日まで在籍していること(支給までに退職願いを受理した場合は支給されない)」
  • 内定先に5月入社にしてほしいと相談する予定

参照元:Yahoo!知恵袋

転職スケジュールを間違えてしまい、ボーナスがもらえるか難しいところです。この口コミの場合、ボーナスをもらった後に、退職届を提出したとしても転職先の入社が5月末になってしまいます。

内定をもらってから約4カ月後の入社になるため、待ってもらえるかは転職先との交渉次第です。この口コミのように、ボーナスを優先しすぎて転職先に迷惑をかけてはいけません。転職先に悪い印象を与えてしまうため、幸先の悪いスタートになってしまいます。

ボーナスをもらって辞めることに関するよくある質問

ボーナスをもらって辞めることに関するよくある質問は、以下の通りです。

  • ボーナスをもらって辞めることに罪悪感を感じる場合は?
  • ボーナスをもらって辞めた後に「返せ」といわれたら?

それぞれについて解説します。

ボーナスをもらって辞めることに罪悪感を感じる場合は?

ボーナスをもらってやめることに罪悪感を感じる人もいます。罪悪感を感じないためのコツは、ボーナスをもらってすぐに辞めることを伝えないことです。ボーナスをもらってから2~3週間後に伝えましょう。

ボーナスをもらってすぐだと「ボーナス泥棒」というイメージがあり、罪悪感につながってしまいます。そのため、2~3週間空けることでボーナス泥棒のイメージを払拭しましょう。

そもそもボーナスは、勤務状況・態度、資格・役職、目標達成率などをもとに評価します。つまりは、あなたの頑張りに対する評価ともいえるでしょう。あなたが頑張って働いたことを評価したお金と思えば、罪悪感は軽減するのではないでしょうか。

ボーナスをもらって辞めた後に「返せ」といわれたら?

ボーナスをもらって辞めた後に、会社が「ボーナスを返せ」といったとしても、返還する義務はありません。会社にボーナスを返還する義務がないことは、労働基準法第16条で定められています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

引用元:労働基準法 | e-Gov 法令検索

就業規則で「ボーナスを返還しなければならない」と定めることはできません。そのため、会社からボーナスを返せといわれたとしても、返さないように注意しましょう。

まとめ

ボーナスをもらって辞めることは、法律違反にあたりませんので、問題ありません。ボーナスをもらって辞めるときは、逆算スケジュールをしっかり計画することです。本記事でも紹介しましたが、ボーナス支給日と退職日が近いとトラブルが生じる可能性があります。

ボーナスをもらって辞めるときは、「就業規則を確認する」「引継ぎ作業を怠らない」などに注意しましょう。

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