給料の交渉のやり方を徹底解説!タイミングやNGポイントを紹介

給料の交渉のやり方を徹底解説!タイミングやNGポイントを紹介

「給料を交渉してもいいのかわからない」「給料を交渉するやり方を知りたい」と考える人は少なくありません。しかし、給料の交渉はセンシティブな内容であるため、タイミングややり方を知っておくことが大切です。

本記事では給料の交渉のやり方やタイミング、NGポイントについて解説します。

本記事の結論
・給料を交渉する前には「自分が属する業界の平均年収を調べる」「実績・アピールできることをまとめる」などの準備が重要
・給料を交渉するタイミングは「人事面談」「部下が増えた」「新しい業務が増えた」「専門的な資格を取得した」ときの4つ
・給料の交渉のやり方は「1.交渉前の準備」「2.上司へのアポイント」「3.交渉」「4.交渉後のフォロー」

給料は交渉できるのか?

結論からいえば、現在働いている会社で給料を交渉することは可能です。自分のスキルや実績に対して、業務内容が見合っていないときや、同僚と比べて給料が少ないときは、交渉することで給料が上げる可能性があります。

給料を交渉するときは、自分のスキルや実績に見合った金額を提示しなければなりません。単に給料が低いからといって、交渉すれば上がるわけではありません。

また、仮に見合った金額であっても交渉すれば、必ずしも給料が上がるとは限りませんので注意しましょう。本記事では、現職で給料を交渉する方法を解説します。転職時とは少し内容が異なりますので、注意してください。

給料を交渉する前にやるべきこと

準備なしに給料を交渉しても上手くいきません。給料を交渉する前にやるべきことがあります。

  • 給料を交渉する相手を知っておく
  • 自分が属する業界の平均年収を調べる
  • これまでの実績・アピールできることをまとめる
  • 希望する給与額を決めておく
  • 会社が給料を交渉できる状態か把握する

給料を交渉するときには、上記の5つについて準備を整えましょう。事前準備が交渉成功のカギになります。

給料を交渉する相手を知っておく

まずは誰に給料を交渉するのか、交渉相手を知っておくことが大切です。基本的には直属の上司に相談しましょう。業務内容と給料が見合っていないことについて相談してみましょう。

ただし、直属の上司には人事権がない場合があります。直属の上司がさらに上の上司に掛け合ってくれる場合や自分で人事部に交渉することもあります。

給料を交渉するときは、同僚など関係者以外の人には話さないようにしましょう。冒頭でもお伝えしましたが、給料の交渉はセンシティブな内容です。給料を交渉したことや、〇〇さんの年収などの噂が広まる可能性があります。

噂を聞いて自分の給料の低さに落ち込んでしまったり、逆に給料の高さを妬まれたりする場合があるからです。

自分が属する業界の平均年収を調べる

給料を交渉するときは、交渉するデータが必要です。具体的なデータを用いることで、現在の給料と業務内容が見合っていないことを証明できます。また具体的な根拠があれば、説得力が増すため交渉が成功しやすくなります。

具体的なデータとしては、自分が属する業界の平均年収や、同僚の平均年収などを用いましょう。厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、産業別・年齢別の給料は以下の通りです。

産業/年齢階層 20代 30代 40代 50代 60代
鉱業・採石業・砂利・採取業 26.5万円 35.6万円 40.0万円 42.3万円 31.4万円
建設業 25.2万円 32.0万円 37.2万円 42.7万円 33.8万円
製造業 22.4万円 28.7万円 33.5万円 37.2万円 25.0万円
電気・ガス・ 熱供給・水道業 25.2万円 38.6万円 46.2万円 52.1万円 27.9万円
情報通信業 26.3万円 35.8万円 44.2万円 48.1万円 32.5万円
運輸業・郵便業 23.7万円 28.6万円 31.8万円 32.0万円 25.7万円
卸売業・小売業 24.7万円 29.7万円 35.2万円 37.7万円 28.5万円
金融業・保険業 25.6万円 37.3万円 46.0万円 46.4万円 32.8万円
不動産業・物品賃貸業 25.3万円 32.4万円 38.6万円 42.1万円 27.7万円
学術研究・専門・技術サービス業 26.2万円 35.9万円 43.3万円 48.8万円 42.0万円
宿泊業・飲食サービス業 21.8万円 26.0万円 28.6万円 29.1万円 23.7万円
生活関連サービス業・ 娯楽業 23.0万円 27.7万円 31.4万円 31.8万円 23.3万円
教育・学習支援業 24.2万円 32.8万円 39.7万円 46.2万円 44.4万円
医療・福祉 24.7万円 28.5万円 31.3万円 32.6万円 31.6万円
複合サービス事業 21.8万円 27.2万円 33.0万円 35.9万円 22.6万円
サービス業(他に分類されないもの) 23.3万円 27.4万円 30.7万円 32.8万円 25.0万円

参考元:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

上記は産業別・年齢別の1ヶ月あたりの平均給料です。この数値を参考に、現在の給料と比べてください。

具体的なデータを用意せずに「今の給料では生活が苦しいから」「思っていたよりも給料が低いから」といった理由で交渉しないようにしましょう。

これまでの実績・アピールできることをまとめる

給料は会社への貢献度によって上がります。どのくらい会社に貢献したのか、実績や経歴または資格などでアピールできるものをまとめておきましょう。まとめるときは具体的な数値を用いることがポイントです。例えば以下のようにまとめます。

  • 20✕✕年、営業部門において顧客満足度第1位
  • 史上最年少で新規顧客獲得数80件を突破
  • 入社から3年で「〇〇(商品名)」の売上1,000万円突破
  • 全店で売上トップ、昨年対比203%

また、より専門的な業務に就くために資格を取得した場合もアピールしましょう。

希望する給与額を決めておく

自分が属する業界の平均年収や、同僚の平均年収などを根拠に、希望する給与額を設定しましょう。希望する給与額を提示するときは、以下のように伝えるといいでしょう。

  • 希望する給与額:34万円
  • 根拠:入社7年目の自分の給料が28万円に対し、中途採用で社歴3年目の同年齢社員の給料が30万円

希望する給与額を伝えるときは、自分が設定した最低ラインよりも少し幅を持たせて伝えることがポイントです。上記の「希望する給与額」を例にすると、同年齢社員よりも2万円高い32万円が最低ラインと設定した場合、希望額を34万円と少しだけ高く伝えます。

「34万円が厳しい場合は32万円で考慮していただければ、モチベーションアップにもつながります」というように交渉し、最終的な落としどころを32万円にする方法がおすすめです。

会社が給料を交渉できる状態か把握する

給料を交渉するときは、会社の経営状況を把握することも大切です。仮に、会社の経営が不安定な時期であれば、給料を交渉しても上げてもらえる可能性が低くなります。

逆に経営状態が良好であれば、社員に還元できる予算があるため、交渉が成立しやすくなるでしょう。また繁忙期などの忙しい時期を避けることも大切なポイントです。

忙しい時期に交渉を持ちかけても、時間に余裕がなく話をしっかり聞いてもらえない可能性があります。会社の経営状況だけでなく、交渉する相手が話を聞ける状態であるか把握することも大切です。

給料を交渉するタイミングは4つ

給料を交渉するタイミングは、主に以下の4つです。

  • 1.人事面談のときに交渉する
  • 2.部下ができたときに交渉する
  • 3.新しく業務が増えたときに交渉する
  • 4.専門的な資格を取得したときに交渉する

それぞれについて見ていきましょう。

1.人事面談のときに交渉する

一般的な会社であれば年に1~3回ほど、上司との人事面談があります。人事面談では、業務内容についてや昇格意思があるか、希望することがないかなどを上司と面談します。

人事面談のときであれば、上司から「何か伝えたいことはある?」と質問を投げかけてくれるため、給料を交渉しやすいでしょう。

人事面談の内容をもとに従業員の給料を設定するため、アピール次第では次のボーナスが上がっていることもあります。

2.部下ができたときに交渉する

係長などの管理職になり、部下ができたときも交渉するタイミングの1つです。指導される側とする側では大きな違いがあります。部下を育てる役割を担うことは、上司から信頼を得ている証です。

しかし、多くの部下を持つことになったにもかかわらず、これまでの給料と変わらないのであれば業務内容と給料が見合っていない可能性があります。

3.新しく業務が増えたときに交渉する

上司から新しい業務を任されたときも、交渉のタイミングの1つです。業務が増えたり、業務内容の専門性が高くなったりしたときは、上司からの信頼を得た証です。新しい業務が増えていく度に、管理職と同等の業務をこなしていることもあります。

役職はついていなくても、業務内容が管理職と変わらないのであれば、給料の交渉が成立する可能性が高いです。また、大きな業績をあげたときも交渉のタイミングです。

「これまで契約できなかった会社と契約した」「同僚に比べ契約件数が多い」など、客観的に見ても業績を残しているときは、給料を交渉してみましょう。

4.専門的な資格を取得したときに交渉する

専門的な資格を取得したときも交渉するタイミングです。比較的に誰でも取得できる資格ではなく、専門的でなければいけません。

例えば、「この資格を持っていなければ業務が遂行できない」といった資格が好ましいです。その資格を持っているだけで、他の従業員との差別化が図れます。しかし、資格を取ったにもかかわらず給料に変化がない場合は、交渉しましょう。

企業によっては特定の資格を持っている人に、資格手当がつく場合もあります。仮に資格手当がない会社であっても、「この資格を持っている人には資格手当を出す会社が多い」といったデータを示せば、交渉しやすくなるでしょう。

給料を交渉するやり方(手順)

給料を交渉するやり方(手順)は、大きく分けて以下の4つです。

  • 1.給料を交渉する前に準備を整える
  • 2.上司との交渉の場を設定する
  • 3.給料を交渉する
  • 4.交渉後にフォローを入れる

それぞれについて見ていきましょう。

1.給料を交渉する前に準備を整える

給料を交渉する前に、準備が必要です。具体的には「給料を交渉する前にやるべきこと」で紹介した5つを参考にしてください。準備しているかしていないかで、交渉が成立するか変わります。行き当たりばったりで交渉しないように気をつけましょう。

2.上司との交渉の場を設定する

準備ができれば、上司と交渉する場を設定します。「お金の話を相談するのは気が重たい」と感じる人は、別の相談とセットにすることも1つの手です。例えば、「〇〇について相談した後に、給料について相談があります」というように切り出しましょう。

上司の空いている時間帯に合わせて、会議室など他の従業員がいない環境で交渉してください。退職の相談など、堅苦しい話ではないため、電話やメールでアポイントを取っても構いません。

3.給料を交渉する

給料を交渉するときの流れは以下の通りです。

  • 交渉の場を設けてくれたことに対する感謝を伝える
  • 現在の状況・給料について伝える
  • 自分の成果を伝える
  • 希望する金額を伝える

給料を交渉する前に、交渉する場を設けてくれたことに対するお礼を伝えましょう。日々、上司にお世話になっている感謝も併せて伝えておくと、交渉成立につながります。

次に現在の状況について伝えます。「業務内容と給料が見合っていない」「給料を上げてもらうだけの成果を残している」ことをアピールしましょう。

最後に根拠を示しながら希望する金額を伝えてください。基本的には給料に対する不満をぶつけるのではなく、給料が上がれば自分のモチベーションアップにつながり、自分の成長になることを伝えましょう。

4.交渉後にフォローを入れる

交渉が終わったあとは、給料が上がった・上がらなかったに関係なく、お礼で締めくくることが大切です。円満に交渉を終えることで、今後も上司と良好な関係を築けます。

また、仮に交渉に失敗したとしても「引き継ぎ仕事を頑張ります」という意思を示しましょう。

給料を交渉するときのNGポイント

給料を交渉するときは、2つのNGポイントがあります。

  • 給料に対する不満ばかり伝えない
  • 給料の交渉条件に退職を出さない

交渉を成立させたい人は、上記の2つに注意してください。

給料に対する不満ばかり伝えない

給料を交渉するときに、不満ばかりを伝えることはNGです。そもそも給料を上げるかどうかは、会社への貢献度で判断します。給料への不満をぶつけても、情けで給料が上がるわけではありません。

不満を聞いている上司もいい気分にはなれないでしょう。「給料が低いことに不満がある」というスタンスではなく、「給料が上がればさらに頑張れる」というスタンスで話を進めましょう。

給料の交渉条件に退職を出さない

「給料を上げなければ退職する」というように、交渉条件に退職を持ち出すこともNGです。退職を条件に出してしまうと、上司はあなたを「辞めるかもしれない社員」とみなす可能性があります。

辞めるかもしれない社員を昇格しようとは思いません。退職を条件に出すことで、返ってリスクを負うことになってしまうのです。

給料の交渉のやり方に関するよくある質問

給料の交渉のやり方に関するよくある質問は、以下の2つです。

  • 給料を交渉するときは転職も視野に入れるべき?
  • 給料の交渉に失敗した場合は?

それぞれについて見ていきましょう。

給料を交渉するときは転職も視野に入れるべき?

会社の状況によっては、交渉次第で転職を検討してもいいでしょう。例えば以下のような会社であれば、転職を検討してください。

  • 給料を交渉しても話を聞いてもらえない
  • 「これまでに給料を上げた事例がない」などを理由に検討してもらえない
  • 給料を交渉したら逆に指導された

基本的に給料を交渉は、要望を控えめに伝えます。しかし、転職を視野に入れて交渉する場合は、強めに要望してもいいでしょう。半ば今の会社に限界を感じている場合は、給料を交渉してから転職することも1つの手です。

ただし、会社との関係性を崩さないように気をつけましょう。転職するにしても、会社との関係性が悪いと有給消化できないなどの嫌がらせをされる場合もあります。

給料の交渉に失敗した場合は?

給料の交渉に失敗したとしても、再度交渉することは可能です。ただし、再チャレンジする場合は、前回の交渉を上回る説得材料が必要です。会社に貢献した具体的なデータを用意したり、実績を積み重ねてから再交渉しましょう。

まとめ

現在の業務内容と給料が見合っていない場合は、給料を交渉することが可能です。「これまでの実績」や「会社に貢献した具体的なデータ」などを準備してから交渉しましょう。

交渉のやり方はシンプルです。事前準備を整えて、上司と面談の場を設けます。これまでの実績などをもとに、上司にアピールし、給料を上げられるか交渉します。交渉次第では転職を検討してもいいでしょう。

給料の交渉のやり方がわからないときは、ぜひ本記事を参考にしてください。

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