「上司が嫌いで関わりたくない」「上司が嫌いすぎてストレスが溜まる」といった悩みを持つ人は、少なくありません。上司とのコミュニケーションが上手くいかなければ、仕事に支障をきたすだけでなく、心身の健康を損ないかねません。そのため、上司との上手い向き合い方を知っておくと気持ちが楽になります。
本記事では、上司との向き合い方とストレス解消法について解説します。ストレスは溜めずに解消しましょう。
・上司が嫌われる理由で一番多いのが「相手によって態度が変わる」
・ストレスを発散するなら「十分睡眠をとる」「体を動かす」「瞑想する」ことがおすすめ
嫌いな上司との向き合い方・対処法10選
嫌いな上司との上手い向き合い方・対処法は、以下の10個です。
- 1.嫌いな原因を分析する
- 2.相手の良いところを見つける
- 3.自分の意思・本心を伝える
- 4.上司の立場になって考えてみる
- 5.期待しない
- 6.聞き流す
- 7.他のことでストレスを発散する
- 8.異動を申し出る
- 9.人事や相談窓口に相談する
- 10.転職を考える
それぞれについて見ていきましょう。
1.嫌いな原因を分析する
まずは上司のどこが嫌いなのか、何が嫌なのか、原因を分析しましょう。問題を解決するためには、原因を突き止めることが大切です。例えば以下のように、嫌いなところを言語化してみましょう。
- 褒めてもらえない
- すぐに指摘する
- プライベートな質問が多い
- 責任をなすりつけられる
- パワハラが嫌
言語化することで嫌いな原因が分かり、対策を講じることが可能です。「パワハラが嫌」「プライベートな質問が多い」といった原因は、ハラスメントにあたります。社内の相談窓口や労働基準監督署などに相談することで、解決の糸口が見えるかもしれません。
また、嫌いな原因を改めて言語化すると、案外大した理由ではない場合もあります。
2.上司の良いところを見つける
一度上司のことを嫌いだと思ってしまうと、嫌いなイメージが固まってしまい、嫌いな部分しか見えなくなってしまいます。上司のことを好きになる必要はありませんが、相手の良いところを見つけることで、イメージが変わるきっかけになるでしょう。
上司の良いところを見つけるために、あえて話しかけるという手もあります。上司について知らないことが多いから、嫌いになることもあります。何かのきっかけに共通の趣味を発見したり、知らない一面を知れたりすれば、関係性が改善されるケースも多いです。
上司の嫌いなイメージを払拭する方法として、ゲーム感覚で楽しんでみることがおすすめです。上司の良いところを3つ探して上司に伝えてみてください。上司の対応が変わり、良好的な関係を築こうとするはずです。
対応が変わらない場合は、あと何回繰り返せば相手が落ちるかゲーム感覚で楽しみましょう。上司が変わるのを待つのではなく、自分からアプローチすることで状況は変わります。
3.自分の意思・本心を伝える
上記でも説明しましたが、自分から上司にアプローチすることは大切です。自分の意思・本心を伝えることで、上司の対応が変わる場合があります。上司は、あなたのためによかれと思ってやっているかもしれません。
よかれと思ってやっていたことが、嫌なことだと分かれば、上司も対応を変えるでしょう。自分の意思を伝えるときは、決して攻撃的になってはいけません。イライラや感情をぶつけていては、改善されません。
「〇〇が嫌なので、本当はこうしてほしい」と分かりやすく、上司に伝えましょう。
4.上司の立場になって考えてみる
あなたから見れば理不尽だと思える上司の行動も、上司からすればあなたのためを思った意味のある行動かもしれません。例えば、上司はあなたに素質があり、鍛え上げればよい成果を残す人材だと高く評価し、少し厳しく指導している場合があります。
「部下」という立場から見れば怒られているだけですが、「上司」という立場から見れば成長してほしい、という想いのこもった指導です。
あなたに部下がいない場合は、部下ができたときに上司がとった行動の本質を理解できるでしょう。
5.期待しない
上司はこうあるべきだ、といった期待を捨てましょう。理想の上司と現状の上司を比較してしまうと、ギャップ差にイライラしてしまいます。「上司なら部下を褒めて伸ばすべきだ」「上司なら丁寧に指導すべきだ」といった考えを捨ててください。
自分の思うように他人をコントロールすることは、難しいです。自分の思い通りにいけばラッキー、といった軽い気持ちを持って接しましょう。
6.聞き流す
上司から理不尽なことを言われたら、聞き流す方法を試してみてください。いちいち真に受けてしまっては、ストレスの原因になってしまいます。自分の意思を伝えても対応が変わらない場合は、サラッと受け流すことも1つの方法です。
この方法は、いわゆる「大人の対応」を取る、ということです。「また何か言っているな」と、適度に聞き流せるようになればストレスを軽減できます。ただし、大人の対応をはき違えないように注意しましょう。
「無視する」「顔や態度に出す」といったことは、大人の対応ではありません。聞き流すからといって、話しかけられているのに答えなかったり、嫌そうな態度を取りながら話を聞いたりしないようにしましょう。
7.他のことでストレスを発散する
上司が嫌いすぎてストレスが溜まっている人は、一度他のことでストレスを発散してください。ストレスを溜め込んでいると自律神経のバランスが乱れてしまいます。自分の趣味に没頭したり、ヨガや瞑想をしたり、気持ちをリフレッシュすることが大切です。
ストレス発散方法については、後ほどおすすめの方法を紹介しますので、参考にしてください
8.異動を申し出る
上司が嫌いすぎて顔も見たくない人は、上層部に異動を申し出ましょう。部署や店舗が変われば、嫌いな上司を見ずに働けます。異動を申し出るときは、異動したい理由をきちんと説明しましょう。理解してもらえる会社であれば、何かしらの対策を講じてもらえます。
何も対策してもらえない場合は、転職という選択肢も残っています。まずは転職せずに済む方法を模索してみましょう。
9.人事や相談窓口に相談する
一人で悩んでいても解決しないときは、誰かに相談することです。上司の上司や社内の相談窓口、社外の相談窓口(労働組合や労働基準監督署)など、相談先は多くあります。もちろん、友達や同僚、家族などでも構いません。
誰かに相談することで、自分では思い浮かばなかった対策法を教えてもらえることもあります。また、社内の相談窓口や労働基準監督署などであれば、アドバイスだけでなく対策を講じてもらえる可能性があります。
10.転職を考える
最終手段として残っているのが「転職」です。会社に相談しても動いてもらえないときや、上司の嫌がらせが辛いとき、ストレスで心身の健康が損なう場合は、転職しましょう。
「上司と相性が悪いだけで転職していいの?」と思う人もいますが、問題ありません。苦痛を感じる職場環境で働いていても、ストレスが溜まり体を壊してしまう原因になります。思い切って転職してみることも1つの手です。
ただし、転職先でも同じようなトラブルにあうリスクはあります。会社の情報をしっかり調べた上で転職しましょう。
嫌われやすい上司の特徴
上司を嫌う人は多くいますが、どのような人が嫌われるのでしょうか。Biz Hitsが行ったアンケート調査によれば、上司を嫌う理由として多いのは以下の通りです。
順位 | 上司を嫌う理由 | 人数 |
---|---|---|
1位 | 相手によって態度が変わる | 47人 |
2位 | 仕事を押し付ける・仕事をしない | 44人 |
3位 | 高圧的・偉そうな態度をとる | 42人 |
4位 | 気分屋・理不尽 | 41人 |
5位 | 自分の意見が正しいと思っている | 40人 |
6位 | 嫌味を言う・説教が長い | 18人 |
7位 | 責任感がない・責任を取らない | 17人 |
8位 | 悪口を言う | 14人 |
9位 | 怒鳴る | 13人 |
10位 | 人には厳しいのに自分には甘い | 12人 |
引用:【500人に聞いた】嫌いな上司の特徴ランキング!付き合い方や対処法も解説 – Biz Hits
1位から5位までの理由について、詳しく見ていきましょう。
1位:相手によって態度が変わる
上司を嫌う理由として最も多かったのが「相手によって態度が変わる」ことです。自分が気に入っている社員とは、仲良くしているのに、自分の気に入れない社員になれば、口調が強くなったり、指摘したりする上司は多くいます。
または上司の上司がいるときは、愛想よく振舞っているのに、いなくなったとたん態度が変わる上司もいます。自分の態度を損得で変える上司は、部下から嫌われやすいようです。
相手によって態度を変える上司との向き合い方は、以下の通りです。
- 上司と距離を取る
- 態度を変えられても気にしないようにする
- 自分のスキルを磨き上司よりも
- 気に入られている部下と似た行動をとる
2位:仕事を押し付ける・仕事をしない
自分がしたくない仕事や、面倒くさい仕事を押し付けてくる上司も多くいます。自分でやった方が早いような仕事であっても、手間がかかる場合は仕事を押し付けてくることがあります。また指示してくるだけで、自分は何も仕事をしないパターンも少なくありません。
上司はサボっているのに自分は働かなければいけない環境下は、ストレスになるでしょう。さらには、仕事を押し付けてくるのに、手柄は自分のものにする上司もいます。
信頼しているからこそ仕事を丸投げするケースもありますが、この場合はサポートがしっかりあります。仕事の進捗状況を確認したり、わからないことはアドバイスをもらえたりする場合は、押し付けられているわけではないので誤った認識をしないようにしましょう。
仕事を押し付ける・仕事をしない上司との向き合い方は、以下の通りです。
- 自分には自分の仕事があると主張する
- 話しかける暇を与えないほど忙しくする
- タスク管理を徹底し、余分な仕事はできないと伝える
- 与えられて仕事をどんどんこなし、自分の評価を上げる
3位:高圧的・偉そうな態度をとる
自分の立場が上であることをいいことに、高圧的・偉そうな態度をとる上司も少なくありません。命令口調で伝えてきたり、部下を叱るときに威圧的な雰囲気を出してきたりなど、自分の立場が上であるという優越感を味わいたいのかもしれません。
部下の立場からすると尊敬するどころか、逆に軽蔑されるケースがほとんどです。自分の権力を使う行動は好まれません。このような上司ほど、さらに上の上司にはへこへことした態度をとっていることがあります。
高圧的・偉そうな態度をとる上司との向き合い方は、以下の通りです。
- 業務上で必要な連絡事項以外は上司と関わらない
- 逆に上司をすごく褒める
- 聞き流す
- 上司よりも上の上司と仲良くなる
4位:気分屋・理不尽
機嫌によって言動がコロコロ変わる理不尽な上司もいます。部下には怒るようなことを自分は平気でしていたり、自分の意にそぐわないことであればすぐへそを曲げたりなど、理不尽な上司にはストレスが溜まります。
上司の機嫌によって職場の雰囲気が悪くなったり、機嫌をとりに行ったりなど、部下からすれば面倒くさい存在です。
気分屋・理不尽な上司との向き合い方は、以下の通りです。
- 機嫌が悪いときは近づかない
- 上司の機嫌を見てから話しかける
- こんな上司にならないように学びの対象にする
- 聞き流す
5位:自分の意見が正しいと思っている
上司のいった意見が間違っているときに、自分の意見をいうと不機嫌になる上司もいます。何でもかんでも自分のいう意見は正しいと思っているようです。また、「今まで自分はこう教えられてきた」「今までのシステムはこうだから」といった古い考えに縛られている上司も少なくありません。
新しい効率の良いシステムを受け入れない頑固な上司もいます。こうした上司は、自分が間違っていることを認めません。間違っていることを指摘すると、機嫌が悪くなってしまいます。
自分の意見が正しいと思っているとの向き合い方は、以下の通りです。
- 否定から入らない
- 仕事で成果をあげて発言力を強める
- 自分に責任があると思わない
- 優しく間違っていることを指摘する
上司が嫌いでストレスが限界!【おすすめのストレス発散法】
上司が嫌いでストレスが限界にきている人は、ストレスを発散しましょう。ストレスを体に溜め込んでいてもよくありません。以下の4つのストレス発散法を参考にしてください。
- 体を動かし自律神経を整える
- 自分の好きなことに没頭する
- 十分な睡眠(休息)を取る
- 瞑想(マインドフルネス)する
それぞれについて見ていきましょう。
体を動かし自律神経を整える
ストレス発散方法として、体を動かすことは効果的です。体を動かすと自律神経が整い、体内にエンドルフィンが分泌されます。エンドルフィンは、幸せホルモンともいい、鎮痛作用や幸福感を感じる作用のある神経伝達物質です。
本格的な運動でなくても、軽いウォーキングやストレッチ、筋トレなどでも構いません。例えば、電車通勤の人は、普段の帰り道ではなく少し散歩がてらに遠回りして帰ってもいいでしょう。運動にもなりますし、新たな発見があるかもしれません。
運動は健康のためにも良いですし、積極的に取り入れるように心がけましょう。
自分の好きなことに没頭する
仕事のことを忘れて自分の好きなことに没頭すれば、ストレス発散になります。読書したり、買い物したり、ツーリングしたりなど、自分の趣味や好きなことをする時間は、リフレッシュになります。
また趣味を通じて友達や趣味友など、新しい交流ができれば自分にとってもプラスになるでしょう。自分の楽しいことを共感できる仲間が増えれば、心の安定にもつながるでしょう。
十分な睡眠(休息)を取る
ストレス発散には十分な睡眠(休息)が必要です。睡眠には、1日の活動で蓄積したストレスや疲労を回復させる役割があります。しっかりと睡眠がとれていれば、ストレスが蓄積されることなく毎日発散できます。
しかし、ただ睡眠をとるだけではいけません。
質の良い睡眠をとるには、規則正しい生活を送ることが重要です。厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によれば、成人に必要な睡眠時間は6時間以上です。
6時間以上の睡眠時間を確保できない人は、睡眠の質を高めましょう。睡眠の質を高める方法としては、以下を参考にしてください。
- 就寝前(約1~2時間前)にお風呂に入って体を温める
- 暖房・冷房を使い部屋の温度を適性に保つ(18度以上)
- 静かな環境で寝る(夜間の屋外騒音は40dB未満が好ましい)
- 日中になるべく日光を浴びる
- 出来るだけ暗い環境で寝る
瞑想(マインドフルネス)する
瞑想やマインドフルネスは、ストレスや不安を解消するリフレッシュ方法です。近年、長時間労働や人間関係のトラブルなどにより、瞑想やマインドフルネスが注目されています。
瞑想は「ストレス軽減」「集中力・自己認識力・幸福度の向上」などの効果があるといわれています。瞑想のやり方は以下の通りです。
- (準備)静かな場所を選び、イスまたは地面に座る。スマホの電源は切っておく。
- 背筋を伸ばし、肩の力を抜いて座る。
- 目を閉じて、呼吸を意識する。
- 息を吸ったときにお腹が膨らみ、息を吐いたときにお腹の引っ込みを感じる
- 10分程度繰り返す
「今、この瞬間」に意識を集中することがポイントです。また、1日だけでなく毎日決まった時間帯に繰り返すことでリラックス効果を得られます。
「上司が嫌いで関わりたくない」に関するよくある質問
「上司が嫌いで関わりたくない」に関するよくある質問は、以下の通りです。
- 上司が嫌いすぎる!どうすればいいですか?
- 上司が嫌いで仕事を辞めたいときは?
- 上司が嫌いなので話したくないときは?
- 上司が嫌いすぎるので無視してもいいですか?
それぞれについて見ていきましょう。
上司が嫌いすぎる!どうすればいいですか?
上司が嫌いすぎる人は、本記事で紹介した10個の対策法を参考にしてください。すぐにどうにかしたい場合におすすめなのは、「聞き流す」「関わらない」ことです。基本的に業務上で必要な連絡以外では、関わらないようにしましょう。
上司がいる場所を避けて、なるべく接触しないようにしてください。上司が話しかけてきたときは、聞き流しましょう。業務上で必要な内容を聞き流してはいけませんが、それ以外であれば真に受けて聞かなくてもよいです。そのうち上司は、こちらが聞き流していることを察し、不要な接触を控えるでしょう。
上司が嫌いで仕事を辞めたいときは?
転職や退職は気軽にできるものではありませんが、嫌いな上司と確実に離れられる方法です。嫌いな上司とずっといると精神的疲労が溜まり、うつ病になる可能性もあります。体調を崩す前に早めに決断することも大切です。
会社を辞める場合は、就業規則を確認し、何日前に退職意思を伝える必要があるか確認してください。法律上は2週間前に伝えれば辞めることが可能です。ただし、円満退職したい人は会社のルールに則って退職手続きを進めましょう。
円満退職については、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。円満な退職の伝え方を解説!上司や同僚に伝えるポイントや例文を紹介 – 退職代行ほっとライン
上司が嫌いなので話したくないときは?
上司が嫌いで話したくないときは、上司以外の人とのつながりを増やしましょう。わからないことを相談する相手にもなりますし、その人をきっかけに上司との関係性が良くなることもあります。
他の人とのつながりを増やせば、上司と接する機会も少なくなり話す回数も少なくなります。
上司が嫌いすぎるので無視してもいいですか?
上司が嫌いでも無視はいけません。上司の指示を無視して、他の従業員にも迷惑をかける場合があります。業務上で必要になることは、しっかりと聞いてください。それ以外の話は、基本的に聞き流しておきましょう。
まとめ
上司が嫌いで関わりたくないときは、本記事で紹介した対処法を試してみてください。「聞き流す」「期待しない」「他の事でストレスを発散する」といった対策法は、すぐにできます。
またなるべく嫌いな上司に意識を向けるのではなく、自分が尊敬する人や学ぶべき相手に意識を向けましょう。嫌いな上司ばかりを意識しても、自分の成長につながりません。
どうしても上司と関わりたくない、精神的に苦痛を感じる場合は、転職を考えましょう。
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