円満な退職の伝え方を解説!上司や同僚に伝えるポイントや例文を紹介

退職を決意したものの、上司や同僚にいつ・どのように伝えればいいかわからない人は、少なくありません。退職するときは会社と揉めることなく、円満に退職したいものです。円満退職するために、伝えるタイミングや伝え方が大切です。

本記事では、円満退職に向けた上司や同僚への伝え方や、退職理由別で退職の伝え方を例文付きで紹介します。「会社と揉めずに退職したい」「いつ・どのように伝えればいいかわからない」といった人は、ぜひ参考にしてください。

目次

退職を伝える適切な時期・タイミング

円満退職するには、適切な時期・タイミングで上司に退職を伝えることです。適切な時期・タイミングについて、以下の3つを見ていきましょう。

  • 一般的には1~3ヶ月前に伝える
  • 転職先決定後に伝えるのがおすすめ
  • 繁忙期や忙しい時期を避けて伝える

一般的には1~3ヶ月前に伝える

退職を伝える時期は、会社の「就業規則」によって異なっており、いつまでに退職を申し出る必要があるかは、就業規則に書かれています。そのため、退職を決意したときは最初に就業規則を確かめましょう。退職を申し出る期限を1~3ヶ月以内に定めている会社が一般的です。

民法上では、雇用の期限が定められていない場合、「退職希望日の2週間前」までに退職を申し出れば退職が受理されます。

民法626条には以下のように記載されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

しかし、円満退職するには、できるだけ早い時期に退職する意思を伝えましょう。申し出が遅くなると、退職後の上司や同僚に負荷がかかり円満退職につながりません。

もし、退職届が受理してもらえなかったり、強引に引き止められたりする場合は、民法上2週間前に申告すれば退職する権利があることを伝えましょう。

転職先決定後に伝えるのがおすすめ

退職を伝えるタイミングは、転職先が決まってから伝えるのがおすすめです。円満退職にもつながりやすく、収入も安定しやすくなります。ただし、状況によっては、転職先が決まる前から伝えるほうが良いケースもあります。それぞれのメリット・デメリットと自分の状況を考えて、退職を伝えるタイミングを図りましょう。

転職先が決まってから退職を伝えるメリット・デメリット

メリット 円満退職しやすい
引き止められにくくなる
収入が安定しやすい
デメリット 転職活動の日程調整が難しい

転職先が決まっていれば、会社側も引き止めにくくなるため退職しやすくなります。退社してすぐに新しい会社で働くことになるので、ブランクもありません。ただし、会社に隠しながら転職活動しなければならないため、日程調整が難しくなります。円満退職したい人は、就職先が決まってから退職を伝えるのがおすすめです。

転職先が決まる前に退職を伝えるメリット・デメリット

メリット 引継ぎしやすくなる
有給休暇を消化しやすくなる
デメリット 収入面と精神面で不安定になりやすい
引き止められやすくなる

転職先が決まる前から退職する意志を伝えることで、早い段階から退職したいことを伝えられます。退職日まで期間が長いので、引継ぎがしやすく、有給休暇も消化しやすいです。ただし、転職先が決まる前に退職を伝えてしまうと、転職先が見つかるまでずるずる引き止められやすくなります。

今の仕事をすぐに辞めたい人や、退職してから転職活動に専念したい人は、転職先が決まる前に伝えるのがおすすめです。

繁忙期や忙しい時期を避けて伝える

上司に退職を伝える適切なタイミングは、繁忙期や忙しい時期を避けて伝えましょう。一般的に退職者が増える時期は、3月と12月です。年度末などの節目に合わせて退職することで、引継ぎ作業がスムーズになります。

ただし、業種や企業によって繁忙期や閑散期が異なるので、自社の状況に合わせて上司に退職の意思を伝えましょう。繫忙期や忙しい時期に、退職を伝えても取り合ってもらえない場合があります。

またプロジェクトの途中や人事異動の後も、タイミングとしては好ましくありません。円満退職するには、会社の迷惑にならないタイミングを図りましょう。

退職の4つの伝え方とメリット・デメリット

退職を上司に伝える方法は以下の4つです。

  • 上司に口頭で伝える
  • 電話で伝える
  • メールで伝える
  • 代行サービスを利用する

伝え方によってメリット・デメリットがあります。メリット・デメリットを見ながら、自分に合った方法を選びましょう。

直属の上司に口頭で伝える

退職を伝えるときは、直属の上司に直接口頭で伝えることが基本です。直属の上司とは、日常的に自分の業務を指導している人のことを指します。そのため、直属の上司に人事決裁権がなくても問題ありません。同僚や上位役職者に先に伝えてしまうと、直属の上司の面目をつぶしてしまう恐れがあるため注意しましょう。

「上司が原因で退職したい」「上司とは話しにくい」という人でも、円満退職につなげるためには直属の上司に口頭で伝えることが大切です。話がうまく進まない場合や上司と話したくない場合は、人事や上位役職者に相談しましょう。

電話で伝える

電話で退職を伝えても、法律的に問題はありません。ただし、電話で退職を伝えることはビジネスマナーに反します。円満退職したい人は、電話で退職を伝えるのは避けましょう。電話で退職を伝えるのではなく、アポイントをとる手段として活用しても構いません。

電話で退職を伝えても問題ないケースもあります。例えば、「事故や病気などで入院している」「うつ病など精神的な病を抱えている」といったケースです。一般的な会社であれば、これらケースのときに電話で退職を伝えても、マナー違反にはなりません。

メールで伝える

電話と同様に、メールの場合も法律的に問題はありませんが、ビジネスマナーに反します。そのため、可能であれば直接口頭で伝えましょう。アポイントをとる手段として活用する場合、件名をわかりやすくしておきましょう。

退職代行サービスを利用する

自分から退職を伝えられない場合は、退職代行サービスを利用することも一つの手です。退職代行サービスとは、自分の代わりに退職意思を会社に伝えるサービスです。退職者と会社の間に入り、窓口のような役割を果たしてくれます。

退職代行サービスを利用すべきケースは、以下のようなものがあります。

  • 日常的にハラスメントを受けている
  • 退職届を受け取ってもらえない
  • 自分から退職を言い出せない

会社と良好な関係を築けていない人は、退職代行サービスがおすすめです。退職を伝えることは、心理的にも大きな負担になります。費用はかかりますが、煩雑な手続きを一任できたり、心理的負担から解放されたりなどメリットも多くありますので、退職代行サービスの利用も視野に入れておきましょう。

上司への退職の伝え方と注意点

上司へ退職を伝えるときは、以下の4つに注意してください。

  • 退職を伝える前にアポイントをとる
  • 上司と二人で話せる場所を用意する
  • 上司に伝えるべき内容をまとめる
  • 退職理由はポジティブな内容にする

伝え方によっては、ビジネスマナーに反してしまう可能性があります。4つの注意点を把握し、円満退職を目指しましょう。

退職を伝える前にアポイントをとる

上司に退職を伝えるときは、必ず事前にアポイントをとりましょう。いきなり退職を申し出ることはマナー違反です。アポイントをとるときは、「相談があるのですが、都合のいい時間帯はありますか?」などと連絡してください。

アポイントをとるだけであれば、電話やメール、Zoomなどのチャットツールを活用しても構いません。

上司と二人で話せる場所を用意する

退職はデリケートな話なので、上司と二人だけで話せる場所を選んで退職について話すことが好ましいです。休憩室や食堂などは、他の人に聞かれる恐れがあるため避けましょう。会議室や静かな場所を選んでください。テレワークを実施していると、上司と会う機会がほとんどないこともあります。

その場合は、Zoomや電話にするか、日程調整するかなど上司と相談しながら決めましょう。

上司に伝えるべき内容をまとめる

上司に退職を伝えるときは、退職したい意志だけでなく退職理由や退職希望日など、伝えるべきことがいくつかあります。具体的な情報がなければ、上司もどのくらい本気なのかわかりません。以下の項目を参考に、伝えるべき内容をまとめましょう。

退職する意思

まずは退職することを意志表現します。転職先が決まっている人は、決まっていることを伝えておくと意志の強さがわかりやすいです。

退職する理由

退職したいことを伝えると、なぜ退職したいのか理由を聞かれます。次に紹介しますが、退職理由はポジティブな内容にしましょう。退職理由をすべて正直に話す必要はありません。理由を伝えにくい場合は、相手が納得する理由を用意しておきましょう。

また退職理由別で退職の伝え方を後に紹介していますので、参考にしてください。

退職希望日

退職を伝えるときは、具体的にいつ退職したいのか希望日も合わせて伝えることが大切です。具体的な日付がなければ、「もう少し考えてみれば?」と辞める日を伸ばされる可能性があります。また転職先が決まっている人は、入社日より前に設定しておきましょう。もちろん、転職先が決まっていない人も、希望日は設定しておいてください。

退職理由はポジティブな内容にする

円満退職したい人は、退職理由を必ずポジティブな内容にしましょう。職場環境や上司が原因であっても、素直に話してはいけません。辞めたい理由が何であれ、会社や上司に感謝の気持ちを込めて伝えることが円満退職の秘訣です。

同僚・取引先・家族への退職の伝え方

上司以外にも同僚・取引先・家族にも退職することを伝えることがあります。

  • 同僚への伝え方
  • 取引先への伝え方
  • 家族への伝え方

それぞれについて伝えるタイミングや注意点などを解説します。

同僚への伝え方

仲の良い同僚に退職することを伝えたくなりますが、退職を伝える場合は上司が先です。仲が良いからといって、先に同僚へ伝えないように注意しましょう。同僚や職場の人に退職を伝えるタイミングは、上司と相談して決めましょう。

一般的に、同僚や職場の人には退職する1ヶ月前に伝えます。本人から退職を伝えることが多いですが、会社によっては上司から部署内に開示するケースもあります。そのため、退職を開示するタイミングや伝え方は上司の指示を仰ぎましょう。

取引先への伝え方

取引先に退職を伝えるタイミングは、退職の2~3週間前です。取引先に伝えるときは、後任が決まったタイミングにするのが一般的です。自分が退職することを伝えるとともに、後任を紹介し引継ぎします。直接あいさつに行くか、メールや電話で伝えるかは、上司や先輩などに相談しましょう

家族への伝え方

退職することを家族に伝えるかどうかは、自由です。同僚や取引先は、社会人のマナーとして退職することを伝えますが、家族に対しては各々の状況に合わせて判断しましょう。

家族へ伝える場合は、事後報告でも構いません。何も伝えないよりかは、事後報告でもいいので伝えておくと親との関係性も良好に保ちやすくなります。

退職理由別で退職の伝え方を紹介【例文付き】

上司に退職を伝えるとき、どのように伝えればいいか悩んでしまう人は少なくありません。緊張してうまく伝えられない場合もあるため、事前に話す内容をまとめ、簡単な台本をつくっておくのがおすすめです。もちろん、退職理由によって伝え方が変わるため、以下の4つの退職理由を参考にしてください。

  • 体調不良のときの伝え方
  • キャリアアップのときの伝え方
  • 家庭に事情があるときの伝え方
  • 結婚するときの伝え方

体調不良のときの伝え方

お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
私の【病名】による欠勤や治療による通院などでご迷惑をおかけしました。またいろいろとご配慮いただきありがとうございます。
これまでは、【病名】の治療をしながら仕事を両立してきましたが、先日の検査で思わしくない結果が出てしまいました。
仕事の継続が難しくなってしまい、休職も考えたのですが、医師からも治療に専念するようにアドバイスを受けました。
そのため治療に専念しようと思い、退職したいと考えております。
【上司の名前】さんには、これまで多くのことを教えていただき、大変感謝しております。
通院などでなかなか職場に出勤できないこともあり、引継ぎに関してはリモートで行いたいと思います。
これから忙しくなるタイミングで大変申し訳ございませんが、〇月〇日をめどに退職手続きを進めていければと思っております。

ポイントとしては、自己判断ではなく「医師の判断」を仰いだ上で退職を決意したことです。

専門家の意見を取り入れることで、上司も反対せざるを得ない状況をつくっています。より説得力を増したい場合は、医師の診断書を提出しましょう。

もちろん、医師の診断書が必須ではありませんので、診断書がなかったとしても退職できます。退職日は、有給消化などを考えて設定してください。

キャリアアップのときの伝え方

お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
実は退職の相談がしたく、お時間をつくっていただきました。
以前より【転職先の職種】に興味があり、仕事と両立しながら【転職先の職種】について勉強しておりました。
転職活動を経て、【転職先】で新たに働くことを決意し、新しいフィールドで挑戦したいと思っております。
この会社では多くのことを学び、チーフとして部下を指導し、私の成長につながりました。
ここまで成長できたのも【上司の名前】さんの指導があってこそであり、大変感謝しております。
期待されていたこともあり心苦しく思いますが、ご理解いただけますと幸いです。
〇月〇日付けで退職したいと考えており、それまでに引継ぎを済ませたいと思っています。
〇月〇日付けの退職に同意していただけますでしょうか

ポイントとしては、転職先を伝えることで反対しにくい雰囲気をつくっています。

転職先が決まっていない状態でも、転職に向けて前向きに行動していることを伝えることがポイントです。転職に向けて行っている取り組みなどを具体的に説明できれば、さらに効果的です。

会社に対する感謝や残るメンバーへの気遣いも忘れずに伝えましょう。

家庭に事情があるときの伝え方

お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
今日お伝えしたいことは、退職についてのご相談です。
私には高齢の両親おり、これまでは身体の不自由な母の介護を父が行ってきました。
しかし、父も身体を壊してしまい、両親の介護が必要となってしまいました。
介護センターや訪問介護なども視野に入れたのですが、両親が私に介護してほしいという希望があり、〇〇県の実家に戻り一緒に暮らしながら介護したいと思っております。リモート作業も難しいため、地元で新しく職を探すつもりです。
【上司の名前】さんには、これまでいろいろと教えていただき、大変お世話になりました。
これからも会社に尽くしていくつもりでしたが、ご期待に添えず申し訳ございません。
〇月〇日までに引継ぎが終わりますので、〇月〇日付けで退職したいと思っております。ご承諾いただけますでしょうか。

ポイントとしては、自分都合ではなく両親の意向であることを伝えることです。

家庭の事業を退職理由とするときは、自己都合ではないことを全面的にアピールしましょう。感謝やお詫びの言葉などを添えることで、誠意も感じられ円満退職につながります。

結婚するときの伝え方

お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
私事で恐縮ではありますが、この度結婚することになりました。
妻の両親が高齢であり、介護も視野に入れて遠方にいる妻の実家近くに引っ越すことになりました。
今抱えているプロジェクトを終えてから、退職しようと考えております。
【上司の名前】さんには、これまでいろいろと教えていただき、大変お世話になりました。
プロジェクトの進行と同時に引継ぎも行っていきたいと思っております。
まだ時間もありますので、私の穴埋めができるようしっかりと引き継ぎたいと思います。
〇月〇日にはプロジェクトが終わりますので、〇月〇日付けで退職したいと思っております。ご承諾いただけますでしょうか。

ポイントとしては、会社に迷惑がかからないように退職手続きを進めることです。

今抱えているプロジェクトを途中で辞めることなく、最後までやり遂げることが大切です。また引継ぎに対しても意欲的に取り組むことをアピールしましょう。

円満退職するための4つポイント

円満退職するには、以下の4つのポイントを意識してください。

  • 退職する意思を明確にする
  • 退職理由は引き止めにくい内容にする
  • 仕事を引継ぐ段取りをする
  • 事前準備を徹底する

それぞれのポイントについて解説します。

退職する意思を明確にする

「なぜ退職するのか」を明確にし、早めに伝えることが大切です。退職を相談する際は、必ず退職理由を聞かれます。そのときに、うまく伝えられなければ「本当に退職する意思があるのか」上司が疑問に思ってしまい、うまく退職できません。

また、退職意思が弱いと上司に引きとめられてしまうだけでなく、自分も上司の意見に流されやすくなってしまいます。そのため、なぜ退職したいのかを明確に伝えましょう。明確に伝えることで、会社も後押ししやすくなります。

退職意思を明確にするからといって、一方的に意見を押し通してはいけません。「〇月〇日に絶対辞めます」「何といわれようが絶対辞めます」といった言い方をすると、上司の機嫌も損ね、円満退職につながらなくなります。

退職理由は引き止めにくい内容にする

「今の仕事は私に向いていない」「仕事が楽しくない」といったありきたりな理由では、上司が納得してくれません。自己都合や自己判断ではなく、やむを得ない事情を説明することで、上司も引き止めにくくなります。例えば、以下のような理由がおすすめです。

  • 治療に専念する
  • 親の介護
  • 配偶者の転勤
  • 妊娠や結婚

引き止めにくい内容に加え、ポジティブな内容を心がけましょう。たとえ職場環境に問題があったとしても、そのまま伝えるのではなく、上記のような理由に変えることで円満退職がしやすくなります。

仕事を引継ぐ段取りをする

自分が重要なポジションで働いている人ほど、引継ぎ作業は徹底しましょう。あなたが退職することで、大小に関係なく会社に迷惑がかかります。円満退職するためには、可能な限り会社に迷惑がかからない状態で退職することです。

まずは自分の後任者を見つけ、自分の与えられている仕事がこなせるか判断しましょう。もちろん、仕事の引継ぎは必須ではありません。ただし、引継ぎしなければ円満退社が難しくなります。

事前準備を徹底する

円満退職するには、事前準備を徹底することです。退職までの流れをおさらいしつつ、準備しておくべきポイントを紹介します。退職までの流れは、以下のとおりです。

  1. 退職の意思表示
  2. 退職届を提出
  3. 引継ぎ作業
  4. 同僚や取引先へのあいさつ
  5. 有給消化
  6. 退職

1.退職の意思表示

退職の意思はできるだけ早く伝えましょう。一般的には1~3ヶ月前としていますが、退職する意思が決まり次第、すぐに伝えておきましょう。早く伝えておくことで、引継ぎや有給消化がしやすくなります。この段階で準備するものはとくにありませんが、体調不良を理由に退職する場合は、医師の診断書があれば説得力が増します。

2.退職届を提出

就業規則によって退職届の有無が異なりますので、退職届が必要かどうかは上司に相談しましょう。必要であれば、事前に退職届を準備しましょう。退職届の作成方法については、後ほど「よくある質問」にて解説していますので、参考にしてください。

会社によっては退職届のフォーマットが決まっている場合もあります。その場合は、上司に教えてもらいながら作成するとスムーズです。

3.引継ぎ作業

事前準備において引継ぎ作業は、非常に重要な項目です。引継ぎ作業を徹底することで、円満退職しやすくなります。業務の引継ぎは、退職日から逆算して、後任者に何を引継ぐかスケジュールを立てましょう。自分がいなくなっても業務に差し支えないレベルまで、引継ぐことが理想です。

4.同僚や取引先へのあいさつ

取引先へのあいさつも引継ぎの一つです。感謝の気持ちを伝えるとともに、新しく変わる後任者の紹介を済ませておきましょう。

5.有給消化

有給休暇が残っている人は、退職日までに消化しましょう。ただし、無理やり消化するのではなく、職場の都合を考えた上で消化することが大切です。引継ぎや取引先へのあいさつなどもあるため、スケジュールを調整しながら消化してください。

6.退職

提出すべき書類や返却物、あいさつ回りなどができているか最終確認してください。事前準備を徹底していれば、退職日に清々しく退職できます。

退職の伝え方に関するよくある質問

退職の伝え方に関するよくある質問は、以下の4つです。

  • 休職中に退職する場合はどうすればいいですか?
  • 退職届・退職願の作成方法は?
  • 転職先が決まっていなくても退職を伝えていいですか?
  • 退職理由は本当のことを伝えないとダメですか?

それぞれの質問について解説します。

休職中に退職する場合はどうすればいいですか?

休職中であっても可能であれば、会社に出向き顔を合わせて退職する旨を伝えましょう。ただし、絶対ではありませんので、自分の状況を加味した上でメールや電話、チャットツールなど、伝達方法を考えましょう。

退職届・退職願の作成方法は?

会社にフォーマットがある場合は、フォーマットに従って記入します。フォーマットがない場合は、白地の用紙に縦書きで以下の項目を記入しましょう。

  • 退職理由
  • 退職日
  • 退職届を記入した日付
  • 署名
  • 捺印

鉛筆や消えるペンは使わず、黒のボールペンで記入します。退職理由は「一身上の都合により退職します」など、簡単な言葉で構いません。封筒も白地のものを用意しましょう。表紙に「退職届」と記入し、裏には名前と部署を記入してください。

転職先が決まっていなくても退職を伝えていいですか?

一般的には転職先を決めてから退職を伝えますが、退職先が決まっていなくても問題ありません。転職先が決まっていないと、引き止められやすくなるため、退職理由をしっかりと考えておきましょう。「転職先が決まっている」と嘘をつくことは避けましょう。

万が一バレてしまうと人間関係が悪化し、円満退職できなくなります。またすぐに転職すると思われて、離職票を発行してくれない可能性もあります。

退職理由は本当のことを伝えないとダメですか?

ネガティブな内容のまま伝えてしまうと、円満退職が難しくなります。そのため、必ずしも本当のことを伝える必要はありません。「上司と相性が悪い」「給与が低い」といったネガティブな内容などは、本当のことを伝えずに「キャリアアップのため」といったポジティブな内容に変えましょう。

まとめ

円満退職するには、伝えるタイミングと伝え方が大切です。忙しいタイミングで上司に伝えたり、先に同僚に退職することを話したりなど、ビジネスマナーに反する行動をとってしまうと円満退職が難しくなります。

退職の意思を伝えるときは、引き止めにくい退職理由や感謝の気持ちを加えることが大切です。本記事では退職理由別での退職の伝え方を例文付きで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。また、モラハラなどで退職が難航している人は、転職エージェントや退職代行サービスなど利用も検討しましょう。

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