誰しも仕事でミスすることはあります。大切なことは、ミスしたあと行動です。ミスを他人のせいにしたり、報告せずに隠したりしてはいけません。迷惑をかけた相手に、きちんと謝ることが重要です。
本記事では、仕事のミスを謝罪するときの注意点や、正しい謝り方について解説します。仕事のミスを減らす方法についても解説しますので、参考にしてください。
・仕事でミスしたときの正しい謝り方は、「1.すぐに謝る」「2.ミスの内容を説明する」「3.解決策を提示する」「4.最後にもう一度謝罪する」
・仕事のミスが多いのは、マルチタスクが苦手な人、余裕がない人、集中力が欠けている人
仕事のミスを謝罪するときの6つの注意点!
仕事のミスを謝罪するときは、以下の6つに注意してください。
- 1.仕事のミスを人のせいにしない(責任転嫁)
- 2.仕事のミスを隠さない
- 3.仕事のミスを反省する
- 4.仕事のミスに対して言い訳(弁明)しない
- 5.仕事のミスを繰り返さない
- 6.仕事のミスで自分を責めすぎない(落ち込みすぎない)
それぞれについて見ていきましょう。
1.仕事のミスを人のせいにしない(責任転嫁)
仕事でミスをしたときに、他人のせいにすることは絶対にしてはいけません。他人のせいにすると、一時的にはその場を凌げますが、あなたの信頼は失われます。逆の立場になって考えてください。
あなたは何もしていないのに、同僚から責任転嫁され、上司に怒られてしまったら嫌ではないでしょうか。「他人にされて嫌なことは自分もしない」これは、ビジネスだけでなく、人としてのマナーです。仕事のミスを責められたくないからといって、他人のせいにしてはなりません。
また、自分では他人のせいにしたつもりがなかったとしても、相手の捉え方が異なる場合があります。例えば、「誤解を与えてしまい」「誤解を招いてしまい」という言葉は、こちらは間違っているわけではなくあなたが誤解しただけ、というニュアンスになってしまいます。
そのため、「不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」といった言葉を使いましょう。
2.仕事のミスを隠さない
「上司に怒られたくない」「これくらいならバレないだろう」といった理由で、仕事のミスを隠してはいけません。仕事のミスの大小にかかわらず、仕事のミスを隠すことはリスクを伴います。例えば、以下のリスクが考えられるでしょう。
- 会社への被害が大きくなる
- バレれば上司に怒られる・信頼をなくす
- バレないか不安でストレスがかかる
- 罪悪感を感じながら仕事をしなければならない
仕事のミスを隠す行為は、一歩間違えれば懲戒処分になってしまう恐れがあります。すぐに謝っておけば、被害が拡大することはないので、隠さないようにしましょう。
また、嘘をつくことも同様です。小さな嘘を隠すために大きな嘘になり、取り返しのつかない事態を招くこともあります。仕事のミスは隠したり、嘘をついたりしてはいけません。
3.仕事のミスを反省する
仕事でミスすることは誰にでもあります。しかし、仕事のミスは誰にでもあるからといって「気にしなくていい」と開き直ってはいけません。「失敗は成功の基」ということわざがあるように、仕事のミスを反省して、自分の成長に活かすことが大切です。
また、仕事のミスを反省しない人は、繰り返し同じミスをする傾向にあります。何度も同じミスを繰り返す人は、周りからの評価を得られません。何が原因でミスしたのか、どう改善すればいいのかを相手に伝え、仕事のミスから自分は反省していることを伝えましょう。
仕事のミスを次に活かそうとする姿勢は、上司にプラスの印象を与えます。仕事のミスは、誰にでもあることですが、そのミスをプラスにするのか、マイナスにするのかは、あなたの行動次第です。
4.仕事のミスに対して言い訳(弁明)しない
仕事のミスを謝罪するときは、「まず謝る」ことです。言い訳から切り出してしまうと、相手は許すどころか逆に怒ってしまいます。仕事のミスに対して言い訳することは、ありがちなことですが、まずは自分の非を認めきちんと謝りましょう。
人によっては言い訳を入れながら謝罪しているケースがあります。例えば以下のような謝り方です。
昨日しっかりと確認したのですが、提出した資料に漏れがあったようで申し訳ございません。
一見、謝罪しているようにも見えますが「昨日しっかりと確認したのですが」と、言い訳からスタートしています。事前にしっかりと確認していたとしても、ミスがあったことには違いありません。正しい謝り方としては、以下の参考にしてください。
私の確認不足により、提出した資料に漏れがあり大変申し訳ございません。
仕事のミスに対して、つい言い訳してしまう人は、100%自分の責任だという気持ちで謝罪しましょう。
5.仕事のミスを繰り返さない
仕事のミスは謝るだけではなく、再発防止に取り組み繰り返さないことが重要です。仕事でミスするたびに、きちんと謝っていたとしても、何度も繰り返すようでは「本当に反省しているのか」と思われてしまいます。ミスを何度も繰り返す人は、信頼も評価も得られません。
たとえ新入社員であっても、1~2回のミスは許されますが、同じミスを3度も4度も繰り返すようであれば、評価が下がってしまうので注意しましょう。仕事のミスを減らす方法についても、後ほど解説していますので、参考にしてください。
6.仕事のミスで自分を責めすぎない(落ち込みすぎない)
仕事のミスに対して、自分を責めすぎることもよくありません。自分を責めすぎたところでメリットはなく、デメリットしかないからです。仕事をミスして落ち込むことはあります。仕事のミスを引きずったまま、落ち込むことは反省していることにはなりません。
自分のモチベーションが低下してしまい、仕事に悪影響を及ぼします。また同じミスを繰り返すきっかけにもなりますし、切り替えが大切です。自分を責めているばかりではなく、そのミスをバネに成長へとつなげましょう。
仕事でミスしたときの正しい謝り方(手順)
仕事でミスしたときは、謝り方が大切です。先ほど説明したように、言い訳をしてから謝ってもきちんと謝っていることにはなりません。正しい謝り方を見ていきましょう。
- 1.仕事のミスに対してすぐに謝る
- 2.具体的なミスの内容・原因を説明する
- 3.ミスに対しての解決策を提示する
- 4.最後にもう一度謝罪する
1.仕事のミスに対してすぐに謝る
仕事でミスしたときは、すぐに謝罪しましょう。ポイントとしては、何に対して謝っているのかを明確にして謝罪することです。正しい謝り方と間違った謝り方を見ていきましょう。
【正しい謝り方】
この度は、私の不注意により会社の備品の食器を割ってしまい、申し訳ございません。
【間違った謝り方】
前日に夜更かししてしまい注意散漫になっており、休憩中に使用していた会社の備品である食器を洗うときに滑って割ってしまい、申し訳ございません。
間違った謝り方では、謝罪までの文章が長く肝心な謝罪の言葉が薄れてしまっています。何が原因でミスしてしまったのかは、謝罪した後で問題ありません。まずは端的に謝ることが重要です。
2.具体的なミスの内容・原因を説明する
しっかりと謝罪の言葉を伝えた後に、ミスをした内容や原因を説明しましょう。先ほどの例を踏まえて正しい謝り方を見ていきましょう。
この度は、私の不注意により会社の備品の食器を割ってしまい、申し訳ございません。
睡眠不足により注意散漫になってしまい、食器を洗っている最中に滑って割ってしまいました。
内容や原因を説明するときも、端的にまとめることが重要です。長く説明していると、言い訳を言っているように聞こえる可能性があるからです。相手から「なんで睡眠不足になったのか」など質問があれば、詳しく説明しましょう。
3.ミスに対しての解決策を提示する
次は、同じミスを繰り返さないためにも解決策(再発防止策)を提示しましょう。正しい謝り方は、以下の通りです。
【謝罪】この度は、私の不注意により会社の備品の食器を割ってしまい、申し訳ございません。
【内容の説明】睡眠不足により注意散漫になってしまい、食器を洗っている最中に滑って割ってしまいました。
【解決策の提示】睡眠不足で注意散漫になっていると、業務にも影響を及ぼす恐れがありますので、早く寝てしっかり休息をとるように心がけます。本日も定時で仕事が終わりますので、21時には寝たいと思います。
解決策に対しては具体的に説明したほうが、相手も納得しやすくなります。とくに数字やデータを用いると効果的です。すぐに解決策が見つからない場合もあります。その場合は、無理にその場で考えなくても後で伝えても構いません。ただし、解決策を考えるからといって、黙り込まないように注意しましょう。
4.最後にもう一度謝罪する
最後に繰り返し反省していることを伝えるために、謝罪しましょう。謝りすぎても軽率な謝罪だと思われるので、ポイントを絞って謝ることが大切です。とくに最初と最後は重要なポイントですので、謝罪で始まり謝罪で終わることを意識しましょう。
仕事のミスが多い人の特徴
仕事のミスが多い人は、以下のような特徴があります。
- 仕事に対して余裕がない
- 自分の能力を過信している
- 集中力が欠けている
- マルチタスクが苦手
自分にも当てはまりそうな人は、仕事でミスが多くなる可能性がありますので、注意しましょう。
仕事に対して余裕がない
仕事のミスが多い人は、時間やメンタルなどに余裕がない傾向があります。時間やメンタルに余裕がなければ、周りが上手く見れていなかったり、些細なところまで目が行き届いていなかったりします。その結果、抜けや漏れ、期限に間に合わないといったミスが起きるのです。
時間やメンタルに余裕があれば、ゆっくり考える時間があり、上司や周りに相談することも可能です。また不備がないかチェックしたり、1つ1つの作業に時間をかけたりできます。些細なミスがあっても最終チェックで気づいて修正しておけば、問題ありません。
自分の能力を過信している
自分の能力、とくに記憶力を過信している人はミスが多くなる傾向があります。自分は仕事ができるから一度聞いたことは覚えられる、メモする必要がない、といった人は注意しましょう。人間の脳はもともと忘れやすいようになっています。
新しい情報を記憶すると古い情報が脳から出てしまい、忘れてしまうのです。そのため、1~2日程度は覚えられていたとしても、1週間後には忘れてしまいミスが起きてしまいます。
自分の脳だけで覚えられる情報は上限がありますので、新しい作業や注意すべきことなどはメモして、いつでも振り替えられるようにしておきましょう。
集中力が欠けている
仕事に対して集中力が欠けている人は、ミスが起こりやすいです。自分のモチベーションや睡眠不足などが原因で集中力が欠けていることがあります。集中力が欠けているときは、ケアレスミスが起きやすくなるので、注意が必要です。仕事とプライベートのオン・オフをしっかりと切り替え、集中して作業しましょう。
マルチタスクが苦手
マルチタスクが苦手な人も、仕事のミスが多くなる傾向があります。例えば、仕事で使う資料をまとめている最中に上司から作業の依頼があり、上司からの指示を聞いた後に取引先から電話がかかってきたとします。
この場合、上司からの指示や取引先の内容をメモにまとめ、優先順位をつけることが大切です。しかし、マルチタスクが苦手な人は、仕事の優先順位がわからず目の前にある仕事をこなそうとします。その結果、納期が間に合わなかったり、重要な仕事が適当になってしまったりするのです。
マルチタスクが苦手な人は、与えられた業務をにすぐ取り掛かるのではなく、どの順番で作業するか考える時間をつくりましょう。普段、複数の作業をするときはどの順番でしているか思い出し、納期や重要度を考えながらまとめましょう。
仕事のミスを減らす方法
仕事のミスをゼロにすることは困難ですが、減らすことは可能です。普段から以下の6つのことを意識していれば、仕事のミスを減らせます。
- 仕事に対しての疑問点・不明点はすぐに聞く
- メモを取る習慣をつける
- 報連相を徹底し常にチェックしてもらう
- 仕事の優先順位を明確化する
- 作業場は常に整理整頓する
- 適度に休憩する
それぞれについて見ていきましょう。
仕事に対しての疑問点・不明点はすぐに聞く
仕事をしている最中に疑問点や不明点が生じたときは、すぐに上司などに確認することが大切です。とくに新入社員や配置転換後に前任者から作業を引き継いだ人が、作業の進め方に悩んだときは不明点を質問しましょう。
悩んでいる時間やわからなくて作業が止まっている時間は、非効率な時間です。すぐに質問しておけば、効率よく作業を進める助けにもなります
中には人に質問するのは気が引ける人もいるでしょう。しかし、わからないまま作業を進めミスをした場合、他人にも迷惑がかかります。ある程度自分で考えてもわからない場合は、上司などに質問しましょう。
メモを取る習慣をつける
自分の記憶力に頼らず、メモを取る習慣をつけましょう。仕事の出来事をすべて記憶しておくことは困難です。また、リスクの高いことなので、重要なことや新しい作業が増えたときはメモを取りましょう。
メモを取る習慣は日常生活においても大切です。例えば、新しいサイトやアプリに登録するときに、ログインIDやパスワードが必要になります。メモしておらず「ログインIDやパスワードがわからない」といった経験をしたことがある人は、多いのではないでしょうか。
日頃からメモを取る習慣をつけておけば、ビジネスにおいても抵抗なくメモを取るようになります。
報連相を徹底し常にチェックしてもらう
ビジネスにおいて報告・連絡・相談は重要なスキルです。報連相を徹底することで、同僚や上司と情報を共有し、誤解によるミスを減らせます。また、もしミスが生じたとしても密に報連相を取っていることで、ミスに素早く気づき、修正することが可能です。
仕事の優先順位を明確化する
仕事において優先順位を決めることは大切です。優先順位を決めずに作業を進めると、最終チェックする時間が足りなくなったり、重要な作業に充てる時間が足りなくなったりするからです。
仕事の優先順位を明確化することで、作業効率が上がり、限られた時間の中で重要な作業に力を注げます。効率よく作業が進めば、最終チェックする時間が確保できるため、ミスがないかチェックできます。
作業場は常に整理整頓する
作業場を整理整頓しておくことは、作業効率の向上と物理的な作業ミスの軽減につながるからです。定位置管理ができれば、必要な資料やファイルをすぐに確認できるため、作業効率が上がります。
大切な資料がどこかに紛れてしまったり、誤って捨ててしまったりなどの、物理的なミスも軽減できるのです。また、作業場が整理整頓されるとストレスの軽減にもつながります。
適度に休憩する
仕事のミスを減らすには、適度な休憩が必要です。人間の集中力は、持続時間に限界があります。体力的に問題なくても集中力が低下するとミスが増えてしまうため、適度に休憩をとりましょう。
時間管理の1つにポモドーロ・テクニックというものがあります。これは、25分働いたら5分の休憩をとるというルーティンを繰り返す方法です。実際25分ごとに休憩をとるのは難しいと思いますので、時間は目安として考えてください。
大切なことは長時間働き続けるのではなく、適度に休憩をとることです。休憩という名目でなくても、トイレに行って飲み物を飲んで軽くストレッチする、というような形でも問題ありません。ミスを減らすためにも、適度に体や脳を休ませてあげましょう。
仕事のミスに関するよくある質問
仕事のミスに関するよくある質問は、以下の通りです。
- 仕事のミスの対応方法は?
- 仕事のミスを引きずる・落ち込むときはどうする?
それぞれについて見ていきましょう。
仕事のミスの対応方法は?
仕事中にミスしたときの対応方法は「報告・謝罪・解決策の提示」です。まずはミスしたら隠すのではなく、上司にミスしたことを報告しましょう。嘘をついたり、言い訳したり、誰かのせいにしたりしてはいけません。素直に謝罪してください。
どのようなミスをしたのか説明し、どのようにそのミスを補うかを提示します。もしくは、そのミスを繰り返さないためにどうすべきか提示しましょう。自分のミスの解決策がわからない場合は、上司の指示を仰いでください。自分のミスを自分で補えればよいですが、場合によっては手に負えず上司の力を借りる必要があります。
仕事のミスを引きずる・落ち込むときはどうする?
仕事のミスを引きずってしまい落ち込んでいるときは、気分転換にリフレッシュしたり、休憩したりしましょう。また、自分のミスを誰かに相談することも大切です。自分の中では大きなミスをしたつもりでも、周りからすれば大したミスではない場合もあります。
仕事のミスを引きずっていても作業効率が悪くなるだけなので、切り替えが大切です。
まとめ
仕事のミスを謝罪するときは、人のせいにしたり、言い訳をしたり、隠したりしてはいけません。これらのことをしても自分に不利益があるだけです。仕事のミスをしたら、素直に謝ることが大切です。また、そのミスを繰り返さないためにどうすべきか提示しましょう。
仕事にミスはつきものです。ミスを減らすために、メモを取る習慣をつけたり、報連相を徹底したりなど、ミスを減らすことも意識しましょう。
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