「上司の指示が曖昧」「すぐに感情的になる」このような特徴が当てはまれば、あなたの上司は「無能」かもしれません。無能な上司の下で働き続けると、ストレスが溜まり、自分の成長につながりません。まずは自分の上司が無能かどうかを見極めましょう。
本記事では、上司が無能の場合どうすればいいのか、対処法や無能な上司の特徴を紹介します。また、なぜ無能が上司になれるのかについても、解説していますので参考にしてください。
・上司が無能の場合、徹底的にサポートする、他の人から学ぶ、反面教師にするなど対処が必要
・無能な上司の特徴は、責任転嫁する、指示が曖昧、仕事に対してやる気がないなど
・上司になって無能になる人もいれば、年功序列によって上司になる場合もある
・無能な上司の下で働き続けてもストレスが溜まり、成長につながらない
上司が無能の場合どうするの?6つの対処法
自分の上司が無能の場合はどうすればいいのでしょうか。現在の上司に不満を感じる場合は、以下の6つの対処法を試してみてください。
- 1.徹底的にサポートする
- 2.無能な上司以外の人に仕事を学ぶ
- 3.無能な上司よりも上の立場にいる人に相談する
- 4.無能な上司を反面教師にする
- 5.部署異動して無能な上司から離れる
- 6.職場環境の整った会社に転職する
1.徹底的にサポートする
自分の上司が無能な場合は、徹底的にサポートしてあげてください。上司の仕事が遅い場合は、率先して自分も協力し、仕事を振られる前に自分ができそうな仕事は、「私に任せてください」と仕事を引き受けましょう。無能な上司は、仕事を取られたという感覚はなく、むしろ仕事を手伝ってもらって喜ぶはずです。
上司を徹底的にサポートしていれば、自分の仕事ぶりを正当に評価してもらえるチャンスが訪れます。例えば、上司よりも地位の高い上司(上級管理職)がいたときも、変わらず積極的に上司をサポートします。上級管理職は、普段からあなたが上司をサポートしていることに気がつくはずです。正当に評価してもらえれば、昇格のチャンスがあります。
仮にサポートし続けたのに、評価してもらえなければ転職を考えましょう。
2.無能な上司以外の人に仕事を学ぶ
上司が無能な場合は、上司から仕事を教わることを諦めて、別の上司や先輩から仕事を学びましょう。必ず直属の上司から学ばなければならない、といったルールはありません。そのため、学べる人から学ぶのが得策です。また、別の上司から仕事が学べれば、自分の成長になるだけでなく、上司が無能であることを共有できます。
3.無能な上司よりも上の立場にいる人に相談する
直属の上司が無能な場合は、さらに地位の高い上司から仕事を学んだり、相談したりしましょう。相談事がある場合は、直属の上司に相談するのが基本です。しかし、直属の上司が無能であれば、相談事が解決しないため地位の高い上司に相談しましょう。
相談するときは、私情を挟まずに客観的な意見を伝えてください。無能とはいえ、あなたの上司の悪口を伝えるとマイナスの印象を与えてしまいます。客観的に現在の状況を伝え、上司が無能であることを報告しましょう。
4.無能な上司を反面教師にする
無能な上司を反面教師に、自分の成長へつなげることもできます。例えば、上司の指示が曖昧でわからない場合、自分であればこのように説明すればわかりやすい、と考えるようにしましょう。上司にされて嫌なことは、今後あなたが上司になったときにしてはいけないことです。自分が無能な上司にならないためにも、ダメな例を見ておきましょう。
5.部署異動して無能な上司から離れる
部署や店舗を異動して無能な上司から離れることも1つの手です。上司といるとストレスが溜まり、精神的に苦痛を感じる場合は、上司とのかかわり方を変えるのではなく物理的に離れましょう。転職を検討しても構いませんが、現職でまだ改善できる余地がある場合は、転職せずにとどまることを考えてください。転職するとあなたへの評価や人間関係をゼロから始めることになるからです。部署や店舗を異動しただけであれば、あなたの評価は変わりません。
6.職場環境の整った会社に転職する
上記で説明したことを試してみても、現状が改善されない場合は転職を考えましょう。悪い状態の職場環境で働き続けても、自分の成長につながりません。成長意欲がある人は、環境の整った会社に転職してください。
無能な上司の特徴
自分の上司が無能であるか見極めるためには、無能な上司の特徴を把握しておきましょう。
- 責任転嫁する上司
- 具体的な指示がない上司
- 仕事の成果を自分のものにする上司
- すぐに感情的になる上司
- 人によって態度が変わる上司
- コミュニケーション能力がない上司
- 仕事に対してやる気のない上司
- 判断力が欠ける上司
責任転嫁する上司
責任転嫁したり、仕事を部下に押し付けたりする上司は、無能な上司の特徴の1つです。上司になれば給与や裁量が増えるだけでなく責任も増えます。その責任を放棄することは、上司としてあるまじき行為です。部下の責任を取ることも上司の仕事の1つです。
優秀な上司であれば「失敗しても私が責任を取るから好きに挑戦していいよ」と、後押ししてくれます。上司が責任を取ってくれるからこそ、部下は失敗を恐れずに挑戦できます。責任転嫁するような無能な上司では部下が育ちません。
具体的な指示がない上司
具体的な指示がなかったり、指示がわかりにくかったりする上司も無能な上司だといえます。部下が自分の判断ではわからないとき、上司に指示を仰ぎます。しかし、その指示が曖昧であれば部下はどう対応すればいいのかわかりません。不適切な指示は余計な混乱を招き、作業効率を悪くします。
上司は部下を含め、チーム全体を管理し、目標に導くことが役目です。的確な指示が出せないような上司では、チームをまとめられません。
仕事の成果を自分のものにする上司
上司には裁量があり、最終的な責任も上司にあります。部下の成果は上司の成果ともいえますが、自分だけの成果にするのは間違っています。最終的な成果を上司に横取りされてしまうと、現場から不安の声が上がるのは当然です。
優秀な上司は、仕事の成果を自分で判断するのではなく、相手に判断してもらいます。つまり、部下が優秀で成果を出しているのは、上司がしっかりと指導・教育しているからだと思わせるのです。そもそも優秀な上司は、自分の成果だと主張しません。部下の成果を自分のものにするような上司は、無能といわれても仕方ないでしょう。
すぐに感情的になる上司
すぐに感情的になる上司も無能の特徴の1つです。すぐに感情的になる上司は、扱いにくく部下から好まれません。なぜなら、上司の感情がコロコロ変わってしまうので、顔色をうかがって行動しなければならないからです。上司が不機嫌であれば、本来報告しなければならないことも、できない場合があります。
報連相が上手く機能しなくなれば、部下にとっても上司にとっても不利益が生じます。また、感情的になって怒鳴りつけるような上司であれば、職場全体に悪影響を及ぼすでしょう。
人によって態度が変わる上司
人によって態度を変える上司も無能だといえます。なぜなら、マネジメントができていないからです。マネジメントは、人によって態度を変えるのではなく、チームを管理することです。チームを一つにまとめるためには、人によって態度を変えていたり、特定の人をひいきしてはいけません。
態度を変えたり、ひいきしたりしていると、された相手は不快に感じ、モチベーションが下がってしまいます。
コミュニケーション能力がない上司
コミュニケーション能力は仕事において重要な能力です。この能力が欠けている上司は、部下と意思疎通ができないため無能だといえます。コミュニケーション能力が欠けている上司は、話の内容がズレていたり、話を聞いてもらえなかったりします。これは業務ないの話だけではありません。日常会話でも同じことがいえますので、ストレスの原因になってしまいます。
仕事に対してやる気のない上司
仕事に対してやる気のない上司は悪影響でしかありません。やる気のない上司からは何も学べないからです。仕事に対してやる気が出ないときは誰しもあります。しかし、やる気が出ないときでも、あからさまにやる気がないこと態度に表してはいけません。また、一時的なものは仕方ありませんが、何日経ってもやる気がない状態の上司は無能だといえます。
部下のモチベーションを高めることも上司の仕事の1つです。にもかかわらず上司が部下にモチベーションを高めてもらっていては、立場が逆になっています。仕事のオン・オフが切り替えられない、自分の感情をコントロールできないのも、無能な特徴の1つです。
判断力が欠ける上司
上司は最終的な判断を求められる立場です。部下から判断を委ねられたときに、決断できない上司は無能だといえます。判断力が欠けると、チャンスを逃してしまいます。また、判断力が遅いと先延ばしにしたり、部下に迷惑をかけたりなど、悪影響を及ぼすでしょう。
判断力が欠ける上司に具体的な質問を求めても考える時間が長いので、質問の仕方を変えることが大切です。例えば、「資料の作成が終わりましたが、何かすることはありますか?」と質問するよりも「資料の作成が終わったので、明日の準備に必要な〇〇をしてもいいでしょうか?」といった質問が効果的です。
後者の質問であれば、上司は「Yes or No」の2択絞られます。考える範囲が絞られるため、判断力も早くなるでしょう。上司が無能な場合は、基本的にこちら側からアクションを起こす必要があります。
なぜ無能が上司になれるのか
無能なのになぜ上司になれるのか、不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。無能が上司になれる3つのパターンをみていきましょう。
- 上司になってから無能になった(ピーターの法則)
- 勤続年数によって上司になった
- 人柄の良さで上司になった
上司になってから無能になった(ピーターの法則)
無能が上司になったのではなく、上司になってから無能になってしまったパターンです。権力を握った人は行動が変わってしまうことがあります。実は行動だけではなく、脳自体も変えてしまうのです。
カナダの神経科学者Sukhvinder Obhi博士は、権力を持った人と、あまり持っていない人の脳を調査しました。調査結果によると、権力を持つと相手と共感するときに必要な「ミラーリング」という神経機構が失われてしまうことを発見したそうです。
具体的には、リスクを認識する能力が低下する、衝動的になる、相手の立場に立って行動できなくなる、といった特徴が現れます。もともとはある程度、仕事ができた人であっても、上司になったことにより無能になってしまうのです。
勤続年数によって上司になった
日本には年功序列の会社が多くあります。年功序列の会社では、勤続年数や年数によって昇格するため、実力や実績がなかったとしても上司になれます。大手の会社や古くに設立された会社がとくに多いです。
本来であれば成果や実力のある人こそ昇格すべきですが、年功序列の会社では評価基準が異なるため、無能な人でも上司になれるのです。
人柄の良さで上司になった
実力のない無能な上司であっても、人柄がよく従業員に好かれている人もいます。誰を昇格させるか評価する人がいます。この評価者と仲が良い場合、無能であっても昇格することがあるのです。これは会社において不自然なことではありません。
たとえ、人柄が良くなかったとしても、評価者の機嫌をとり、ごまをすり、自分の評価を上げる人もいます。俗に言う世渡り上手な人です。このように評価者と仲が良いことで、出世する人も少なくありません。
無能な上司の下で働き続けるのを避けるべき理由
無能な上司の下で働き続けるのは避けるべきです。メリットはゼロではありませんが、デメリットのほうが多いでしょう。例えば以下のような理由があります。
- 無能な上司にストレスを感じるから
- 無能な上司の下では成長できないから
それぞれについて見ていきましょう。
無能な上司にストレスを感じるから
上司が無能であれば、ストレスを感じます。コミュニケーションをうまく取れない、指示が曖昧でわからないなどが理由により、ストレスが蓄積されます。仕事は基本的にチームで動きますので、一人ではできません。当然、上司とも密にかかわらなくてはいけません。上司とのかかわりは避けられないので、どうしてもストレスを感じてしまいます。
無能な上司の下では成長できないから
無能な上司から学ぶことは限られています。反面教師として学ぶことはあっても、新しい知識や業務も教えてもらえません。とくに新入社員は上司からいろいろなことを学びます。上司が無能であれば、間違った知識を教え込まれる可能性もあり、正しく成長できません。部下の成長は上司の影響が大きいため、無能な上司の下で働き続けるのは避けましょう。
まとめ
上司が無能、相性が合わないなど、上司に関する悩みはつきものです。まずは自分の上司が本当に無能なのか、見極めることが大切です。無能と思っていても相性が合わないだけかもしれません。無能だと判断したときは、部署や店舗を異動するか、上司よりも上の立場の人に相談するなど対処しましょう。
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