毎日、定時で帰れないため仕事をしている人はいます。そのような職場はおかしいのでしょうか?dodaの調査によれば、定時で帰る人(平均残業時間が0~5時間未満)は21.4%です。実際、定時で帰れる人は多くありません。
本記事では、定時で帰るのはおかしいのか、定時で帰るためのポイントを解説します。また、なぜ定時で帰れないのか理由や定時で帰れない人の特徴を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・定時で帰れる人は、約20%しかいない
・1日の平均残業時間は約40分、業種や職種によって大きく異なる
・定時で帰れない原因は、仕事量が多い・作業効率が悪い・残業を頼まれるなど
・定時で帰れるポイントは、仕事に優先順位をつける・定時で帰ることを先に宣言する・良好な関係を築くなど
目次
定時で帰れないのはおかしい?定時で帰れる人の割合は?
定時で帰れないのはおかしいのでしょうか。定時で帰れる人の割合や平均残業時間を見ていきましょう。
- 定時で帰れる人は約20%
- 1日の平均残業時間は約40分
定時で帰れる人は約20%
dodaの調査によれば、定時で帰る人(平均残業時間が0~5時間未満)は21.4%です。具体的な内訳は以下の通りです。
0~5時間未満 | 21.4% |
5~10時間未満 | 8.2% |
10~15時間未満 | 12.7% |
15~20時間未満 | 5.3% |
20~25時間未満 | 15.3% |
25~30時間未満 | 3.2% |
30~35時間未満 | 11.3% |
35~40時間未満 | 1.9% |
40~45時間未満 | 8.1% |
45~50時間未満 | 3.3% |
50~55時間未満 | 3.4% |
55~60時間未満 | 0.2% |
60時間以上 | 5.7% |
参考元:doda
平均残業時間が0~5時間未満は21.4%ですが、男性は16.4%、女性は31.4%となっています。女性のほうが定時で帰れる人が多いようです。平均残業時間が0~20時間未満の割合は、およそ50%です。1ヶ月の実働日数を20日とした場合、多くの人が一日の残業時間を1時間以内に抑えていることがわかります。
1日の平均残業時間は約40分
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和5年分結果速報」によれば、一般労働者(パートタイムを除く)の平均残業時間は、13.7時間です。平均出勤日数が19.5日なので、1日の平均残業時間は約40分となります。
dodaの調査と合わせて考えてみると、1日の残業時間を1時間以内に抑えている人が多いものの、毎日定時で帰るのは難しいようです。また、業種によっても残業時間は異なります。例えば、医療・福祉業の平均残業時間は、6.9時間(平均出勤数は19.6日)ですので1日の平均残業時間は、約20分です。
運輸・郵便業の平均残業時間は、25.9時間(平均出勤数は20.1日)ですので、1日の平均残業時間は、約77分です。業種によって約3倍も残業時間が変わります。
医療福祉業であれば平均残業時間が6.9時間しかないので、定時で帰れない日が多いとおかしいといえます。しかし、運輸・郵便業の場合は平均残業時間が25.9時間ですので、定時で帰れなくてもおかしくありません。
これらの結果を踏まえていえば、定時で帰れないのがおかしいかどうかは、業種や職種によって異なるため、ケースバイケースだといえます。どちらにせよ定時で帰れるに越したことはないので、定時で帰るように努力すべきです。
定時で帰れない6つの理由は?
定時で帰りたくても帰れないのには、以下のような理由があります。
- 1.上司が働いているから定時に帰れない
- 2.仕事量が多すぎて定時に帰れない
- 3.作業効率が悪くて定時に帰れない
- 4.顧客との兼ね合いで定時に帰れない
- 5.残業を頼まれるから定時に帰れない
- 6.定時に帰れない雰囲気がある
それぞれについて見ていきましょう。
1.上司が働いているから定時に帰れない
上司が働いているのに部下の自分が先に帰えりにくい、という理由で定時に帰れないことがあります。基本的に上司が残業しているからといって、部下が残る必要はありません。自分が担当している業務が終わっていれば、上司に挨拶して帰っても問題ありません。
しかし、残業することが慢性的になっている会社や、職場の雰囲気が悪い場合は、上司よりも先に帰ることで悪態をつかれてしまう恐れがあります。そのため、定時で帰ることをためらってしまうのです。
上司の仕事を手伝うことは、人間関係を良好に築き上げるために重要なことです。だからといって、毎回上司と一緒に残業を繰り返していると、自分の業務量が増え、自分自身も残業が必要になってしまいます。また使い勝手のいい人だと思われると、次から次へと仕事を振られてしまう恐れがあるので気をつけましょう。
仮に上司の仕事を手伝う場合は、定時の30分くらい前に「定時まで30分くらい時間に余裕ができたので、何かお手伝いすることはありますか?」と声をかけましょう。
定時ギリギリに声をかけると残業することになりますので、早めに聞いておくことがポイントです。
2.仕事量が多すぎて定時に帰れない
与えられた仕事量が多すぎると定時で帰れなくなります。定時で帰るためには、自分の業務を終わらせる必要があります。しかし、仕事量が多すぎれば、定時に終わらせられません。とくに人手不足の職場では、一人当たりの仕事量が多くなってしまうので、労働時間が長くなりがちです。
長時間労働が続く場合は、体に支障をきたす恐れがあります。働きすぎて過労死で亡くなる方もいますので、早めに対処すべきです。仕事量が多すぎる場合は、上司に相談して仕事を減らしてもらいましょう。
3.作業効率が悪くて定時に帰れない
仕事量はそこまで多くなくても、自分の作業効率が悪くて定時に帰れないパターンもあります。この場合は、明らかに自分の実力不足です。自分の実力に見合わないような難しい仕事を与えられている場合は、話が変わります。単に自分の実力不足であれば、努力すべきです。
具体的には、上司にアドバイスをもらったり、仕事ができる人の動きを真似てみたり、資格の取得を目指したりなどの方法で、自分のスキルアップに励みましょう。
また、作業効率が悪い人は、仕事の優先順位を考えることが大切です。仕事の優先順位を考える対処法に関しては、後ほど詳しく紹介します。
4.顧客との兼ね合いで定時に帰れない
定時で帰ろうと思ったら顧客から連絡が来て帰れないケースです。顧客に対して「定時なので帰ります」といえないため、残業になってしまいます。また、顧客はあなたの定時を知らないため、雑談などで定時を過ぎてしまうことも少なくありません。
飲食店や接客業であれば、閉店時間が過ぎているにもかかわらず、お客さんがなかなか帰ってくれないことで残業になることもあります。社内のメンバーと違い、顧客とは良好な関係を築き上げないと、会社の業績に関わる問題です。
基本的に顧客は、あなたの出勤日や勤務時間を把握していないので、気にせず連絡がきます。場合によっては休日でも繰り返し連絡が来ることも少なくありません。顧客から業務時間外に連絡が来るときは、こちら「業務時間外の連絡は無視していい?違法性や連絡が来たときの対応を解説 – 退職代行ほっとライン」の記事で対処法を紹介していますので、参考にしてください。
5.残業を頼まれるから定時に帰れない
会社によっては、残業を頼まれることもあります。残業を頼まれれば当然、定時に帰れません。上司から残業を頼まれた場合、正当な理由がない限り断れません。逆をいえば、正当な理由や業務に必要のない残業であれば断ることが可能です。例えば以下のような理由があれば残業を断れます。
- 体調が悪い
- 妊娠している
- 介護や育児がある
- 業務に必要がない
場合によっては、タイムカード打刻後に残業を頼まれるケースもあります。タイムカード打刻後に残業を要求されたときの対処法は、こちら「タイムカード打刻後に残業を要求されたときの対処法と違法性について解説 – 退職代行ほっとライン」を参考にしてください。
6.定時に帰れない雰囲気がある
会社によっては、定時に帰れない雰囲気があり、残業を強いられることがあります。自分の業務が終わっていても、上司や先輩が忙しく働いている、帰ろうとすると「もう帰るの?」と聞かれるなど、定時に帰れない空気感がある場合、立場の低い社員は定時に帰れないでしょう。
定時に帰れないときは?定時に帰るポイントを紹介
定時に帰れない悩みを抱えている人は、定時に帰るポイントを紹介しますので、参考にしてください。
- 優先順位を設定して効率よく仕事する
- 定時に帰ることを先に伝えておく
- 職場で良好な人間関係を構築しておく
- 周りの雰囲気に流されない
- 無理に業務を引き受けない
- 定時で帰れる会社に転職する
それぞれについて見ていきましょう。
優先順位を設定して効率よく仕事する
定時に帰れないときは、仕事の優先順位を設定して効率よく仕事を進めることが大切です。優先順位をつける方法を紹介します。
1.すべきことを洗い出す
まずは今日すべきことをメモに書き出しましょう。まずは優先順位など関係なく、思いつく分だけすべきことを書いてください。可視化することで、より優先順位がつけやすくなります。
2.重要なタスクと急ぎのタスクにわける
次は書き出したタスクを重要・急ぎでわけていきます。例えば以下の4つのように分類しましょう。
A:重要であり急ぎのタスク
B:重要ではあるが急ぎではないタスク
C:急ぎではあるが重要ではないタスク
D:重要でも急ぎでもないタスク
Aは優先度が高く、Dは優先度が低いタスクです。BとCは状況によって異なります。
3.使用時間を設定する
上記で分類したタスクに使用時間を設定します。使用時間を設定することで、適切なスケジュールを組むことが可能です。例えば使用時間の長いタスクを最後に持って行くと、時間内に作業が終わらない可能性があります。自分が設定したスケジュール通りに進むとは限らないので、少し時間に余裕を持って設定するといいでしょう。
これら3つのステップを意識して、仕事に優先順位をつけながら作業に取り掛かりましょう。
定時に帰ることを先に伝えておく
定時で帰ることを事前に伝えておくこともポイントの一つです。「今日は残業せずに定時で帰ります」と上司に宣言しておけば、後から残業を要求されることがありません。また、上司に宣言しておくことで、自分のモチベーションを高めるきっかけにもなります。
職場で良好な人間関係を構築しておく
職場で良好な人間関係を構築しておくことも、定時で帰るポイントの一つです。一見、「あまり関係ないのでは?」と思う人もいますが、関係しています。本来であれば、上司から残業を頼まれた場合、正当な理由もなく断れません。しかし、上司と仲が良ければ、「今日は友達と飲み会があるので定時に帰りたいです」といった理由であっても、定時で帰らせてもらいやすくなります。
また、他のメンバーが残業していても自分の業務が終われば、気軽に帰りやすいです。なぜなら、良好な人間関係を構築できているので、陰口や文句を言われないからです。
このように、職場で良好な人間関係を構築いておくと、定時で帰りやすくなります。また、仕事量が多いとサポートしてもらえたり、楽しい雰囲気の中働けたりなど、メリットが多くあります。そのため、職場のメンバーとは、積極的にコミュニケーションを取り、良好な関係を築けるように心がけましょう。
周りの雰囲気に流されない
周りが残業しているからといって、あなたが残業する必要はありません。周りの目を気にせずに帰ることがポイントです。初めは、抵抗を感じるかもしれませんが、「定時で帰る人」という印象をつければ、周りも何も言わなくなります。「定時なので帰ります」と上司に報告して、素早く帰宅してみてください。
勤務時間内にしっかり集中して働いていれば、周りからの印象が悪くなることはありませんので、気にせず定時で帰りましょう。
無理に業務を引き受けない
上司や同僚から仕事を頼まれても、無理に引き受けてはいけません。もちろん、何もかも断るわけではありません。自分のキャパオーバーになると、業務時間内に作業が終わらないため、定時で帰れなくなります。できないことはできない、といえる勇気も時には重要です。
定時で帰れる会社に転職する
労働時間が長すぎて定時で帰れる見込みが全くない場合は、環境を変えることが大切です。長時間労働や休日出勤などは、体調を悪化させる原因になります。働きすぎるのではなく、定時で帰れる会社に転職しましょう。
定時で帰れないブラック企業は、従業員をコマのように扱います。そのため、退職を申し出ても断られる可能性があります。退職させてもらえない、パワハラ上司に自分で伝えにくい、といった悩みがある方は退職代行サービスを利用しましょう。
退職代行サービスであれば、会社と直接やりとりすることなく退職できます。有給休暇がある人は即日退職も可能です。
定時で帰れない人の特徴
定時で帰れない人は、以下のような特徴があります。
- ミスが多い人
- スケジュール管理が苦手な人
- 雑談が多い人
- 人を使うのが下手な人
それぞれについて見ていきましょう。
ミスが多い人
定時で帰れない人は、ミスが多い傾向があります。大きなミスでなくても、小さなミスが多ければ、ミスを補うための作業が必要です。ミスをすれば必要のない時間を使うことになるため、時間のロスになってしまいます。普段から集中して業務に励むことが重要です。集中力が途切れたときは、5分休憩を挟むなどミスを減らすように心がけましょう。
スケジュール管理が苦手な人
定時で帰れない人は、その日のスケジュールを管理できていません。行き当たりばったりに作業すると、今日中にしなければならない作業が終わっておらず、定時で帰れません。何をいつまでに終わらせて、次は何をするか、考えながら行動することがポイントです。
例えば、接客業などで品出しするときは、商品を出しながら周りを確認し、次に補充すべき品を頭の中で決めておきましょう。
何も考えず商品を出している人は、出し終わってから再度、何を補充するか売り場に確認しに来なければなりません。時間を意識して、段取り良く作業を進められるように心がけましょう。
雑談が多い人
口だけ動いて手が動いていない人は、作業スピードが遅くなってしまい、定時に帰れなくなります。職種にもよりますが、基本的には雑談をせず、作業に集中することが大切です。従業員同士のコミュニケーションが大切ですので、ずっと無言のままもよくありません。そのため、雑談する場合でも手をしっかり動かして、作業が遅れないように気をつけましょう。
人を使うのが下手な人
人を使うのが下手な人も定時に帰れにくくなります。自分に部下がいる人は、上手に人を使うことがポイントです。一人ですべての作業をこなすより、分担するほうが圧倒的に早く終わるからです。そのため、比較的簡単な作業は部下に任せ、重要なところは自分でやるなどのメリハリをつけるとよいでしょう。
定時に帰れないに関するよくある質問
定時に帰れないに関するよくある質問は、以下の通りです。
- 仕事が残っていても定時に帰るのは悪いことですか?
- 定時に帰れないことがストレスに感じるときの対処法は?
- 育児中の父親が定時に帰れないのはおかしい?
- 定時に帰れないのは法律違反ですか?
- 定時に帰れないのが当たり前の会社は退職すべき?
それぞれについて見ていきましょう。
仕事が残っていても定時に帰るのは悪いことですか?
悪いかどうかの判断は非常に難しいところです。まず仕事が残っているのに定時に帰ることは、法律上何も問題ありません。労働基準法第32条により、労働者は「1日8時間、週40時間まで」しか働いてはいけないことが定められています。つまり、基本的には残業せずに定時で帰るほうが好ましいです。
仕事が残っている場合は、残っている仕事の内容によります。例えば、今日中に資料の提出を求められているにもかかわらず、定時が来たからといって帰るのは危険です。資料を提出しなかったことにより、他の作業が遅れ、業務に支障きたすようなことがあれば、懲戒処分を科される可能性があります。
つまり、仕事が残っている状態で定時に帰ってもいいかはケースバイケースです。
定時に帰れないことがストレスに感じるときの対処法は?
定時に帰れないとプライベートの時間が減ってしまったり、疲労が溜まったりしてストレスに感じる人もいます。対処法としては、以下のようなものがあります。
- 上司に相談する
- 気分転換に有給休暇を取得する
- 将来のための成長期間だと捉える
- 仕事終わりに楽しみを用意する
仕事量が多くて定時に帰れない場合は、上司に相談してみましょう。また、たまには長期休暇を取得し、リフレッシュするのも大切です。ストレスが溜まると仕事がつらいと感じてしまいます。仕事がつらいときの乗り越え方は、こちら「仕事がつらいときの乗り越え方12選!つらいと感じる原因と対策法も紹介 – 退職代行ほっとライン」を参考にしてください。
育児中の父親が定時に帰れないのはおかしい?
子どもが3歳未満の場合、労働者が希望すれば短時間勤務制度を利用できることを育児・介護休業法で義務付けています。短時間勤務制度とは、もともと所定労働時間が1日6時間以上の人を対象に、所定労働時間を1日6時間にする精度です。つまり、残業せずに本来の定時よりも早く帰ることが可能です。
3歳未満の子どもを育児中の父親が、短時間勤務制度を利用している場合、定時に帰れないのはおかしいです。
定時に帰れないのは法律違反ですか?
定時で帰れないからといって、必ずしも法律違反になるとは限りません。36協定が結ばれており、残業代が支払われていれば、ほとんどのケースで法律違反とはなりません。定時で帰れないことが法律違反になるケースは、以下のような例があります。
- 36協定が結ばれていない
- 残業代が支払われない
- 残業の上限を超えている
- 業務上、必要のない残業
定時に帰れないのが当たり前の会社は退職すべき?
定時で帰れないのが当たり前の会社だからといって、必ずしも退職すべきとは限りません。業種や職種によりますが、毎日40分くらいは残業が発生します。
ただし、毎日長時間労働を強いられるようなブラック企業はすぐに退職すべきです。長時間労働が続けば、過労死のリスクが高まり危険です。体調を崩す前に退職を検討しましょう。
まとめ
定時で帰れる人よりも定時で帰れない人のほうが多いです。そのため、定時で帰れないからといって、一概におかしいとはいえません。定時で帰れない原因としては、仕事量が多かったり、帰りにくい雰囲気があったりなど、さまざまです。
定時で帰るには、上司に相談したり、作業効率を良くしたりなどがあります。自分の努力次第で定時に帰れる割合は、高くなります。しかし、一部の会社では長時間労働などにより、全く定時で帰れない場合もあります。このようなブラック企業を辞めるときは、退職代行ほっとラインにご相談ください。
退職代行ほっとラインは、退職成功率100%です。退職後の転職サポートも対応いたします。退職できずに悩んでいる人は、ご相談ください。
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