組織に不信感を抱く原因は?対処法やダメな組織の特徴を紹介

さまざまな理由から組織に対して不信感を抱く人は、少なくありません。不信感を抱いたまま働き続けると、人間関係の悪化やパフォーマンスの低下、ストレスが溜まるなどの状態に陥ってしまいます。

なぜ組織に不信感を抱くのか原因を知り、対処することが大切です。本記事では、組織に不信感を抱く原因と対処法を紹介します。また、ダメな組織の特徴も紹介しますので、自分の働いている組織が当てはまるか確かめましょう。

本記事の結論

・組織に不信感を抱く原因は、コミュニケーション不足や組織の方向性が不明確、不正・不道徳な行為をしているなど
・組織に不信感を抱いたときは、同業他社と比較したり、誰かに相談する、働く環境を変えるなどの対策がある
・組織に不信感を抱いた状態で働き続けても、人間関係が悪化したり、ストレスが溜まったりするだけでメリットはない

組織に不信感を抱く7つの原因

組織に不信感を抱く原因は、以下の7つです。

  • 1.組織内のコミュニケーションが不足している
  • 2.組織の方向性や方針が定まっていない
  • 3.組織が不正・不道徳な行為をしている
  • 4.上司や社長が無能
  • 5.給料や労働時間に不満がある
  • 6.組織から不当な扱いを受ける
  • 7.古い考え方から変わろうとしない

どのような原因があるのかそれぞれについて見ていきましょう。

1.組織内のコミュニケーションが不足している

組織内のコミュニケーションが不足している場合、不信感を抱きやすくなります。コミュニケーションが不足していると、情報が不透明になります。すると従業員は仕事に対する理解が減ってしまうため、不信感を抱きやすくなるのです。

何のためにこの作業が必要なのかわからないと、不満や不安が募ってしまいます。また、コミュニケーションが不足していると、「報・連・相」が機能しません。不信感のある上司に相談しようとは思わないでしょう。

報告や連絡ができていないと、仕事のミスにつながります。上司との仲が悪くなり、悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

2.組織の方向性や方針が定まっていない

組織の方向性や方針が定まっていないことも、組織に不信感を抱く原因の一つです。本来、組織が目標を提示し、目指す方向性を示すことが重要です。これにより、従業員が同じ気持ちで目標に合わせて進めるようになります。

また、上層部が従業員に対し、説明責任を果たすことも重要です。意思決定の背景がわからなければ、組織のやり方に不信感を抱いてしまいます。

例えば、「残業してでも売上を上げる」といわれていたのに、「経費削減のため残業をするな」と急に変わったり、かと思えば「売上ノルマは達成しろ」など、二転三転するようなことをいわれると不信感を抱くでしょう。

3.組織が不正・不道徳な行為をしている

組織が不正・不道徳な行為をしている場合、不信感を抱く人は多いのではないでしょうか。例えば、以下のような行為が挙げられます。

  • データを改ざんしている
  • 上層部が集団で嫌がらせをしている
  • 反社会勢力とつながりがある
  • 食品偽装している
  • 社長が賄賂を受け取っている

組織が法律に違反するような行為をしていると、この会社で働いていて大丈夫なのか心配になるでしょう。とくに問題なのが、不正行為を上層部全体が黙認していることです。このように環境では、誰も信じられなくなってしまいます。

4.上司や社長が無能

上司や社長が無能な場合、将来性に不安を感じてしまいます。将来性に不安を感じる会社で、働き続けることはできません。とくに社長が無能であれば、経営が成り立つのか不安です。もちろん上司が無能でも同じことがいえます。

「無能な上司の下で働き続けて成長できるのか」「無能な人を上司した評価者も無能なのではないか」など不満が募る一方です。

上司が無能の場合の対処法については、こちら「該当記事のURLの挿入をお願いいたします。」の記事で詳しく紹介しています。

5.給料や労働時間に不満がある

給料が労働時間、福利厚生など労働条件に不満があると、不信感を抱く原因になります。例えば、以下のような場合です。

  • 給料や残業代が正しく支払われない
  • 求人内容と実際の労働条件が異なる
  • ボーナスがない・退職金がない

給料や残業代の未払いは法律に違反します。法律を違反するような会社は信用性がありません。また、求人内容と実際の労働条件が異なることも不信感を抱く原因の一つです。会社と合意のもとで条件を決めたにもかかわらず、入社後に内容が変わっていると信用性を失います。

6.組織から不当な扱いを受ける

同僚との間に給与や業務内容と格差があるなど、組織から不当な扱いを受けていると不信感を感じます。とくに感じやすいのが上司の対応です。さまざまな上司がいますが、自分にだけあたりが強かったり、仕事を教えてもらえなかったりすると不満が募ります。

また、自分の成果を認めてもらえなければ、昇格や待遇に影響します。モチベーションが低下し、悪循環に陥ってしまうためよくありません。こうした不当な扱いを組織に訴えても、対応してもらえない場合は不信感を抱く原因になるでしょう。

7.古い考え方から変わろうとしない

時代の変化に適応せず、古い考え方から変わろうとしない組織も不信感が生じる原因の一つです。「昔は休まず働いてた」「昔からこのやり方だから」といった考え方は、今では通用します。

時代に合わせて柔軟に働き方を変えることが大切です。「フレックスタイム制度」「ワークライフバランス」など、働き方を意識する人は増えています。その中で、こうした制度に対応していない組織は不満に感じてしまいます。古い考え方や年功序列を主張するような組織は、不信感を抱く原因になるでしょう。

組織に不信感を抱いたときの対処法

組織に不信感を抱いた状態で働き続けてもメリットはありません。しっかりと原因ごとに対処すべきです。

  • 上司や経営陣とコミュニケーションを取る
  • 同業界・業種の他社を調べてみる
  • 上司や相談窓口に相談する
  • 気分転換に休暇を取る
  • 働く環境を変えてみる

それぞれについて見ていきましょう。

上司や経営陣とコミュニケーションを取る

コミュニケーション不足が原因で組織に不信感を抱く場合があります。上司や経営陣とコミュニケーションが不足していると、何のために働いているのか不明確になります。そのため、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

コミュニケーションを取ることで、自分の勘違いだったことに気づくこともあります。とくに経営陣のコミュニケーションが取れていれば、会社の方針や方向性が理解できるため、不信感も解消されやすいです。

同業界・業種の他社を調べてみる

組織に対して不信感を抱いて原因は、他の会社では普通のことかもしれません。そのため、同業界・業種の他社と比較してみることをおすすめします。例えば、運輸業で月の残業時間が23時間は多いと、会社に不信感を抱いていたとします。

厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査 令和5年分結果速報」によれば、運輸業の残業時間の平均は、月22.7時間です。同業種でみれば残業時間が平均とほとんど変わらないため、多くありません。

不信感を抱いていたとしても、自社だけ残業時間が長いわけではないことが判別できます。店舗勤務している人であれば、他店の同僚と仕事内容を比較してもいいでしょう。作業を教えてもらえないと感じていても、実際は他店の同僚よりも早く進んでいる場合もあります。

上司や相談窓口に相談する

組織に不信感を抱く場合は、上司や相談窓口に相談しましょう。まずは上司や人事部、管理監督者など、会社の経営について知識のある人に相談します。会社の状況や方針が詳しい人に相談したほうが、効果的なアドバイスを得られやすいです。

会社の不正や労働問題などが原因で会社に不信感を感じている場合は、労働基準監督署などに相談するのがおすすめです。例えば、労働基準監督署であれば労働基準法違反がある場合、調査や是正勧告などを行ってくれます。労働環境が改善されれば、不信感の減少に期待できます。

気分転換に休暇を取る

日ごろの疲れやストレスから、組織に不信感を抱くことも少なくありません。このような場合は、一度仕事から離れてリフレッシュすることが大切です。有給休暇を消化し、数日間仕事を休みましょう。リフレッシュできれば「また仕事を頑張ろう」と思えるきっかけになります。

働く環境を変えてみる

組織に不信感を抱いて対策法を試してみたけど、解消されない場合は、転職して働く環境を変えてみましょう。組織に不信感を抱いたまま、働き続けてもメリットはありません。転職すれば悩みが解消されます。

転職するときは、現職と似た条件にならないように気をつけましょう。同条件の会社では、また不信感を抱いてしまう恐れがあります。転職するときは、自分に合っている会社かしっかり見極めてください。

例えば、労働時間の長さが原因で不信感を抱いている場合は、労働時間・残業時間・休日などを欠かさずチェックすることです。

組織に不信感を抱いたまま働き続けるとどうなる?

組織に不信感を抱いたまま働き続けると、以下のようなデメリットがあります。

  • 職場の人間関係が悪化する
  • 仕事のパフォーマンスが低下する
  • ストレスが溜まる
  • 仕事を辞めたくなる

それぞれについて見ていきましょう。

職場の人間関係が悪化する

組織に不信感を抱くと、他の従業員のことを信用できなくなります。信用できない相手とは、コミュニケーションが減り、相談や頼ることもできません。このような状態が続けば、人間関係の悪化は避けられないでしょう。

仕事において、人間関係が悪化することは致命的です。仕事は一人でできないため、協力し合うことが重要です。しかし、人間関係が悪化していると協力するどころか、コミュニケーションすら取れません。

仕事が効率よく進まなくなり、自分の評価も下がってしまいます。やがてモチベーションが低下し、転職を検討することになります。

仕事のパフォーマンスが低下する

組織に不信感を抱いた状態では、仕事に身が入りません。なぜなら、組織のために働こうと思わないからです。仕事のパフォーマンスが低下するとデメリットしかありません。例えば、ミスが増えたり、効率が悪くなったり、自分の評価が下がったりします。

ストレスが溜まる

組織に不信感を抱いたまま働き続けると、人間関係の悪化やモチベーションの低下からストレスが溜まります。ストレスの影響は職場だけではありません。私生活の人間関係でも人を信用できなくなる可能性があります。

私生活まで悪影響が及ぶと幸福感や充実感が低下する恐れがあります。転職を検討するか、原因を改善するなど早めに対処しましょう。

仕事を辞めたくなる

組織に不信感を抱いたまま働き続けてもメリットがなく、最終的には仕事を辞めたくなります。そのため、早めに対処しましょう。原因が改善できない場合は見切りをつけて、転職活動を始めてください。

退職の正しい手順については、こちら「退職は何日前までに伝えるべき?法的ルールと正しい辞め方を解説します – 退職代行ほっとライン」の記事を参考にしてください。

また、もし辞めさせてもらえない、退職する自信がない人は退職代行サービスを利用しましょう。退職代行ほっとラインは、退職成功率100%です。ぜひご相談ください。

組織に不信感を抱いてしまうダメ組織の特徴

組織には良い組織とダメな組織の2パターンがあります。従業員に不信感を抱かせるような組織は比較的ダメな組織にあてはまります。

  • 評価基準があいまい
  • 教育体制が整っていない
  • 離職率が高い
  • 働く環境が整っていない
  • 労働時間が長い
  • ハラスメントが横行している

それぞれについて見ていきましょう。

評価基準があいまい

評価基準があいまいな組織では、社員の努力が報われません。何をすれば評価されるのかわからなければ、どう努力すればいいのかわかりません。何を期待されているのかもわからないので、不満や不安が募ります。努力しようと思わなくなるので、与えられて仕事だけをこなすようになってしまいます。

教育体制が整っていない

教育体制が整っていない組織は、スキルアップが見込めません。「企業(組織)とは人なり」という言葉があるように、組織は人で成り立っています。教育体制が整っていないような組織では、人が育たず、組織も育ちません。

研修制度も大切ですが、組織全体で若手社員を育てる環境をつくりあげることが重要です。とくに大切な存在が上司です。上司が部下を育てる意識を持っていなければ、部下は育ちません。頼れる上司がいない組織はダメな組織だといえるでしょう。

離職率が高い

離職率の高い組織は、何かしらの問題がありダメな組織だといえます。厚生労働省が発表している「令和5年雇用動向調査結果の概況」によれば、離職率の高い業種は「生活関連サービス業、娯楽業(28.1%)」です。次いで「宿泊業、飲食サービス業(26.6%)」「サービス業(23.1%)」となっています。

業種によって離職率の高さは変わりますが、平均よりも高い場合はダメな組織である可能性が高いです。会社を辞める理由は人それぞれですが、離職率が高い場合は会社に何かしらの原因があります。転職時は離職率にも注目するといいでしょう。

働く環境が整っていない

効率よく作業を進めるためには、働く環境が整っていなければなりません。オフィス周りの整理整頓ができていない、資料が乱雑でまとまっていないような組織では、無駄が生じやすくなってしまいます。労災や資料の紛失なども起きやすいです。

また、冷暖房の設備が整っていないことも、職場環境の不満へつながります。夏の暑い時期になると冷房機能がショートする、もしくはコスト削減で冷房をつけてもらえないなども、ダメな組織の特徴です。

労働時間が長い

労働時間が長いだけでは、ダメな組織と判断しきれません。しかし、無駄な業務が多く、労働時間が長い場合は、ダメな組織といえるでしょう。

無駄な作業はモチベーションの低下につながります。本当に必要な作業かわからないと、目的意識が低下し、いわれたことだけをする働き方に変わってしまいます。指示待ち人間は自分も組織も成長しません。目的意識を持って効率よく作業を進められるやり方を模索しましょう。

ハラスメントが横行している

ハラスメントが横行している組織は、ダメな組織の典型的なパターンです。上司の暴言、圧力、セクハラなどが横行すれば、部下のモチベーションは著しく低下します。また、部下だけでなく職場内の雰囲気も悪化します。

自分がハラスメントを受けていなくても、「自分にも被害が及ぶのでは」「上司の機嫌を損ねてはいけない」など、プレッシャーのかかる状態では業務に集中できません。逆に上司に媚びを売る人が増えてしまっても、組織の運用体制としては間違えっています。

まとめ

組織に不信感を抱く原因は、コミュニケーション不足や組織の不正、労働環境の不満などさまざまです。相談窓口に相談したり、働く環境を変えるなど対策を講じましょう。不信感を抱いた状態で働き続けても、メリットはありません。ストレスや仕事を辞める原因になりますので、早めに対処しましょう。

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