「営業会社は厳しい・きつい」といったことを耳にする人は多いのではないでしょうか。上司の人当たりが厳しいのか、業務内容が厳しいのかなど、会社や上司の風土が気になるものです。
本記事では、営業会社が厳しいと感じる理由や向いていない人の特徴を解説します。
・ノルマの達成や残業時間の多さなどから、営業会社は厳しいと感じやすい
・ストレスに弱い人やコミュニケーションを取るのが苦手な人は営業会社に向いていない
営業会社とは
営業とは「営利を目的として業務を行うこと」と定義されることが多いです。会社は営利を目的として業務していますので、すべての会社が営業会社に当てはまることになってしまいます。
そこで、まずは営業会社とはどのような会社なのか見ていきましょう。
- 営業会社とは
- 人気のある営業会社5社
- 営業の種類(手法)
- 営業会社の職場環境(社風)は厳しい?
営業会社とは
営業会社とは、営業を主体とする会社のことです。具体的には、利益を生み出す部門に属している社員の半数以上が営業に携わっている場合、営業会社といえます。
物流業や清掃業、飲食業などは、営業社員よりもサービス社員や販売員の割合が多くなるため営業会社とはいえません。比較的、メーカー等の販売代理店や商社などを営業会社と呼ぶことが多いです。
営業力のある営業会社5社
営業会社を具体的に定義することは難しいため、ここでは営業力の強い会社を5社紹介します。具体的には、以下の5社について見ていきましょう。
- リクルート
- キーエンス
- 野村証券
- 電通
- サイバーエージェント
リクルート
リクルートは、求人広告営業とメディア広告営業を主に取り扱っています。例えば、リクナビNEXTのような求人広告を掲載してもらうための営業などです。
当事者意識を持って、顧客に対し最善案を提案することを大切にしています。また、チームで協働することも重視しており、個人主義になりがちな一般的な営業職とは違い、チームで成果を上げることを重視しています。
キーエンス
キーエンスは、東洋経済オンラインが公表している2023年版の「生涯給与トップ500社ランキング」で、第2位の会社です。平均年収2,279万円を誇るほど、高収益の理由は「営業力」です。
キーエンスは製造業に分類されますが、半数以上が営業社員となっています。合理化・マニュアル化を徹底しており、提案型の営業をしています。
野村証券
野村証券は証券会社の中でもトップクラスの売上を誇る会社です。個人資産を扱うことから、顧客との信頼関係の構築を大切にしています。野村證券は証券会社の中でも社内競争が厳しいです。
ノルマが未達成であれば、上司から詰められるほど厳しい環境となっています。もちろん、その分高い報酬を得られます。
電通
電通は広告代理店の中でもトップクラスの売上を誇る会社です。電通は、高いノルマや圧力で社員を働かせるのではなく、社員が主体的に働ける風土を作り上げています。
その一つが「電通の鬼十則」です。営業マンとしてのスキルを磨き、仕事へ対して高いスタンスを持ちながら働けます。
サイバーエージェント
サイバーエージェントは、アットホームな社風の中、営業力を学べます。ウェブプロモーション方法の提案を用いて、顧客の課題を解決するのがサイバーエージェントの営業方法です。
「挑戦できる文化」が構築されているため、若手の内からチャレンジしたい人が活躍できます。
厳しいと感じる営業の種類(手法)
営業といっても種類はさまざまです。その中でも厳しいと感じる営業を4つ紹介します。
- 新規開拓営業
- テレアポ営業
- 飛び込み営業
- テレコール営業
新規開拓営業
新規開拓営業は、名前の通り新しい顧客を見つける営業です。ルート営業のような決まったルート(顧客)へ営業するのではなく、まだ取引していない顧客へアプローチします。
顧客と1から関係性を築き上げていくため、厳しいと感じる人が多くいます。新規開拓営業は、自社商品について知識がない相手に営業するため、プレゼン力や交渉力が必要です。
テレアポ営業
テレアポ営業は、訪問営業につなげるための営業です。電話で顧客と会う約束を取り付けることが目的なので、自社商品の紹介などをする必要はありません。テレアポ営業は、1日500件ほど電話しますが、まともに話を聞いてもらえるのは10件程度です。
電話をかけて断られることを何度も繰り返すため、メンタル的に厳しく感じる人が多いでしょう。心が折れないようにモチベーションを高く保つ必要があります。
飛び込み営業
飛び込み営業は、事前にアポイントを取らずに直接会社へ営業に行く方法です。事前の連絡もなく訪問するため、相手の準備ができていないことが多くあります。
そのため、門前払いされたり、話を聞いてもらえなかったり、と1件も相手にされないこともあります。テレアポ営業と同様に、メンタル的に厳しく感じる営業方法です。
テレコール営業
テレコール営業は、テレアポ営業とは異なり、電話で商品の受注まで契約する営業方法です。電話でやり取りする分、相手の表情がわかりません。また、資料や商品を見せながら紹介できないため、コミュニケーション能力やプレゼン能力が必要です。
営業会社の職場環境(社風)は厳しい?
営業職は「上司からの圧力が厳しい」といったイメージを持つ人は、少なくありません。職場環境に満足している人は、どのくらいいるのか他の職種と比較してみましょう。
順位 | 職種 | 100点満点中 |
1位 | 販売・サービス職(ブライダルコーディネーター) | 81.3点 |
2位 | 化学・食品・医薬職(薬剤師) | 80.0点 |
3位 | 建築土木系技術職(不動産企画/プロパティマネジメント) | 79.3点 |
4位 | 建築土木系技術職(測量/積算) | ―点 |
5位 | クリエイティブ職(クリエイティブディレクター/アートディレクター) | 79.2点 |
6位 | 営業職(MR以外の医療系) | 70.9点 |
参考元:まいにちdoda
営業職で一番満足度が高いのはMR以外の医療系で、次いでMRとなっています。医療関係の営業は比較的、職場環境が良好であることがわかります。
平均満足度よりも点数の高い営業職が5つ、低い営業職が5つと全体的に見て平均的です。そのため、必ずしも営業会社が厳しいとはいえません。
営業会社が厳しいと感じる5つの理由
営業会社が厳しいと感じる5つの理由は、以下の通りです。
- 1.ノルマを達成するのが厳しい
- 2.残業時間が多い
- 3.自社の商品・サービスに不満があっても売る必要がある
- 4.多方面で人間関係を気にする必要がある
- 5.結果で判断されやすい(実力主義)
それぞれについて見ていきましょう。
1.ノルマを達成するのが厳しい
営業職の多くでは、毎月の目標やノルマが設定されています。ノルマが達成できないと上司から「なぜ達成できないのか」厳しく詰められることも少なくありません。
「ノルマを達成しなければいけない」という責任やプレッシャーに押し潰され、精神的に厳しく感じる人もいます。また、競争心を高めるためにあえて会社がプレッシャーを与えることもあります。
2.残業時間が多い
先ほど紹介した「ノルマを達成するのが厳しい」という理由につながることですが、営業は残業時間が多くなりがちです。「ノルマが達成していないなら残業してでも働け」といった考えをもつ会社もあります。
また、営業は顧客のスケジュールに合わせて動くことが多いです。そのため、顧客対応や外回りによって定時に帰れないことがあります。
残業時間が多くなってしまうと、プライベートの時間や体を休める時間が減り、「きつい・厳しい」と感じてしまうでしょう。
3.自社の商品・サービスに不満があっても売る必要がある
営業は自社で取り扱っている商品やサービスを顧客に勧める仕事です。しかし、本心では自社の商品に興味がない・勧めたくないと思っていて、顧客に勧めなければなりません。
とくに真面目な人ほど、顧客のためにならない商品を売らなければならないことに、自分の気持ちとのギャップを感じるでしょう。こうした自社の商品・サービスへの不満が「きつい・厳しい」と感じる原因です。
また、場合によっては商品ではなく、営業方法に不満を感じることがあります。例えば、押し売りのような営業方法であれば、顧客に嘘をついているわけではないのに、騙しているような気持に陥ってしまう人もいます。
たとえ契約が取れたとしても、罪悪感が残ってしまい「自分には厳しい」と感じる人が多いのです。
4.多方面で人間関係を気にする必要がある
営業は顧客や上司など、さまざまな人とコミュニケーションを取ります。業務時間内だけでなく、業務時間外の接待などで顧客や上司と関わるケースも少なくありません。
また、ノルマが達成できていないときは、職場内や上司がピリピリしていることがあります。期限の悪い上司や顧客の機嫌取りなど、多方面で人間関係を気にする必要があり疲れてしまうでしょう。
5.結果で判断されやすい(実力主義)
営業はノルマがあるため、結果で判断されやすいです。契約を取るためにどれだけ努力をしたとしても、ノルマが達成できていなければ、評価は上がりません。自分の実力が乏しければ結果を出せないため、「きつい・厳しい」と感じるでしょう。
営業会社に向いていない人の特徴
営業会社に向いていない人の特徴は、以下の通りです。
- ストレス(プレッシャー)に弱い人
- コミュニケーションを取るのが苦手な人
- プライドの高い完璧主義な人
- 自己管理能力が低い
自分の性格が上記に当てはまる場合は、営業会社で働くことを見直した方がいいかもしれません。
ストレス(プレッシャー)に弱い人
営業会社はノルマや顧客とのやりとりからストレスがかかります。また、営業は何度も断られることが多いです。断られる度に落ち込んでいるようでは、営業会社に向いていません。断られてことを引きずらずに、すぐ切り替えられるように心がけましょう。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
営業は初対面の人と信頼関係を築く仕事です。誰とでも気軽に話せるようなコミュニケーション能力が求められます。以下のような人は、コミュニケーションを取るのが苦手な人なので、営業会社に向いていません。
- 初めて会う人とは緊張して上手く話せない
- 自然な笑顔で話すことが苦手
- 質問に対して受け答えが苦手
- 相手の目を見て話せない
営業相手は年齢・性別・性格などさまざまです。どのような相手にも対応できるコミュニケーション能力が必要です。
プライドの高い完璧主義な人
営業は、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応することが大切です。プライドの高い完璧主義は、要望を聞き入れたり、相手の立場になって考えたりできません。完璧主義は、自分の思い描いたプランに沿って提案してしまいます。
また、プライドの高い人は自分のやり方にこだわりを持っているため、上司のアドバイスなども素直に聞き入れられません。結果、上手く契約を結べないため厳しいと感じるでしょう。
自己管理能力が低い
営業は顧客管理や資料作成、商談、接待などマルチタスクが求められます。優先順位を考えながらスケジュール管理をしたり、自分のモチベーションを高めたりできない人は、営業会社に向いていません。
また、営業は残業時間が多い傾向があります。自分の体調やメンタルケアなど、自己管理ができなければ営業が厳しいと感じるでしょう。
営業会社は厳しいだけではない!やりがいについて紹介
営業会社は厳しいだけではありません。やりがいについて見ていきましょう。
- 自分の成果がわかりやすい
- 人脈が広がる
- 顧客と直接やりとりができる
自分の成果がわかりやすい
営業は「自分が契約した数=成果」なので、自分の成果が数字でわかりやすいです。また営業は実力主義でもあるため、契約すればするほど評価されます。自分の頑張りが評価に直結するため、モチベーションアップにもつながります。
人脈が広がる
営業は新しい顧客と信頼関係を築くことが多い仕事です。顧客といっても、1つの業界だけでなく、さまざまな業界・業種・職種の人と関わりができます。その分、人脈が広がり自分にとってプラスとなる情報などを入手できます。
顧客と直接やりとりができる
営業は顧客と直接やりとりできる仕事です。事務職や技術職は、顧客と直接やりとりすることはありません。自社の商品を使っている人の生の声が聞けるため、品質やサービスの向上にもつながります。
また、顧客から直接感謝の声を聞けることもやりがいの1つです。感謝の気持ちを直接もらうことで、モチベーションアップにつながります。
まとめ
営業会社はノルマの達成や上司からの圧力などにより、厳しい・きついと感じることがあります。一方で、成果が分かりやすい、人脈が広がるといったやりがいにつながる部分も少なくありません。
営業会社に興味がある人は、営業と自分の性格が合っているか、本記事で紹介した向いていない人の特徴に当てはまらないか確かめましょう。
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