新卒ですぐ辞めるとその後の転職は厳しい?就職後にすぐ転職を成功させる方法を紹介

「新卒ですぐに辞めると転職に影響があるの?」と疑問を持つ人は少なくありません。結論からいえば、新卒で仕事を辞めても問題ありません。

本記事では、新卒がすぐに辞めることは可能か、辞めた後に転職を成功させる方法などについて紹介します。また、どのような理由ですぐ辞めてしまうのかも解説していますので、参考にしてください。

本記事の結論
・新卒がすぐ辞めても転職やキャリアへの影響は少ない
・就職後3年以内の離職率は約30%(3人に1人)
・転職を成功させるには「原因を分析し、自分に合った仕事を見つける」こと
・新卒が辞める理由として多いのは「仕事が合わない」

新卒がすぐ辞めると転職やキャリアに影響が出るのか

新卒ですぐに辞めたとしても転職やキャリアへの影響は少ないです。新卒で辞めた人は「第二新卒」に該当します。第二新卒は「研修コストがかからない」「企業の色に染まっていない」といった点がメリットです。

これらの理由から企業は積極的に採用しており、求人募集も豊富です。また、転職は20代のうちにするほうが有利といわれています。厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」によれば、20代を過ぎると転職入職率が低下傾向にあることがわかります。

新卒で会社を辞めたとしても、早い段階で転職活動をしておけばチャンスはあるといえるでしょう。

ただし、企業によっては早期退職に悪いイメージを持つ場合があります。「またすぐに辞めるのではないか」「会社でトラブルを起こすのではないか」など、懸念されてしまいます。

このような企業の抱く不安をいかに払拭できるかが重要です。早期退職した理由や仕事との向き合い方などを明確に伝えられるようにしておきましょう。

そもそも新卒がすぐ辞めることは可能?

新卒がすぐに辞めても転職やキャリアへの影響は少ないことがわかりました。しかし、そもそも入社してすぐに辞めることが可能なのでしょうか?

  • 新卒がすぐ辞めることは可能
  • 新卒がすぐ辞める割合

それぞれについて解説します。

新卒がすぐ辞めることは可能

原則、退職意思を示してから2週間後であれば辞めることが可能です。民法第627条には、以下のように記載されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法 | e-Gov 法令検索

原則、退職意思を示してから2週間後と決まっていますが、条件次第では2週間以内に辞めることも可能です。例えば、以下のようなときは2週間以内に辞められます。

  • 会社と労働者、どちらも退職に合意している
  • 会社に非があるとき(ハラスメントやいじめなど)
  • やむを得ない事業があるとき(本人の傷病や家族の介護など)

新卒がすぐ辞めることは可能ですが、原則2週間前に意思表示することを忘れないようにしましょう。

新卒がすぐ辞める割合

厚生労働省が発表した「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によれば、令和4年の大学卒生が1年以内に辞めた割合は12.0%です。また3年以内の離職率は、例年約30%(3人に1人)です。

新卒がすぐに辞めることは、さほど珍しいわけではありません。すぐに辞めたからといって自分を責めるのではなく、次にどう活かせばいいかを考えましょう。

新卒がすぐ辞めた後に転職を成功させる方法

新卒が仕事を辞めたあとは、転職活動に移ります。またすぐに辞めないためにも対策が必要です。転職を成功させるためには、以下の5つを参考にしてください。

  • すぐ辞めることになった原因を分析する
  • 自分に合った仕事を見つける
  • 視野を広げて会社を探す
  • すぐ辞めた理由はポジティブにする
  • 転職サイトを利用する

それぞれについて解説します。

すぐ辞めることになった原因を分析する

繰り返しすぐに辞めないためにも、辞めた原因を分析することが大切です。何度も繰り返しすぐに辞めていると、転職活動に悪影響を及ぼします。原因を分析しないまま転職活動をしても、また同じ失敗を繰り返すおそれがあるので、注意しましょう。

「仕事が合わない」「人間関係にトラブルがあった」など、何かしらの理由があります。理由を明確にできれば、次の転職先を探す一つの指標にもなります。

自分に合った仕事を見つける

後ほど紹介しますが、新卒が仕事を辞める理由として多いのが「仕事が合わない」ことです。仕事内容や職場環境、会社の方針などに、ミスマッチしている可能性があります。もう一度、自己分析や企業分析を徹底し、自分に合う仕事・企業を見つけましょう。

自分の好きなことや得意なことを明確にできれば、自分に合った職種が見つけやすくなります。例えば、人と話すことが好きな人は、工場のライン作業のような事務作業ではなく、接客業が向いています。

自分の過去や価値観を基に、適した職業を見つけましょう。また入社後のギャップを減らすために、企業研究も忘れてはいけません。企業の理念や業績、社風、職場の雰囲気など、入社前に集められる情報はしっかり集めておきましょう。

視野を広げて会社を探す

大手企業や有名企業であれば転職に成功するわけではありません。企業名にとらわれず、視野を広げて会社を探すことが大切です。そのため、自分と相性が良ければ、中小企業やベンチャー企業でも積極的に採用するべきです。

条件を絞りすぎてしまうと選択肢が狭まり、転職のチャンスを逃す可能性があります。求人情報を探すときは、少し条件を広げて探してみてください。

すぐ辞めた理由はポジティブにする

面接で退職理由を聞かれたときは、ポジティブな理由を答えましょう。「仕事がつまらない」「〇〇が嫌だから」といった理由では、「今回も同じ理由で辞めるのでは?」と面接官に思われてしまいます。

「不満があればすぐ辞める」といった、マイナスのイメージを持たさないことが大切です。ネガティブな退職理由をポジティブな退職理由にする例は、以下の通りです

ネガティブな退職理由 ポジティブな退職理由
人間関係が悪い 周りと連携を取りながらチームワークを大切にしたい
ノルマが厳しい 一件一件のクライアントと腰を据えて向き合いたい
サービス残業が多い 成果を正当に評価してほしい
通勤時間が長い 仕事に集中して打ち込みたい
給与が低すぎる 自分の実績を会社に認めてほしい

転職サイトを利用する

「初めて転職活動する人」や「転職活動に不安を抱えている人は、転職サイト(転職エージェント)を利用しましょう。転職サイトであれば、転職に関する知識や経験が豊富のキャリアアドバイザーから適格なアドバイスをもらえます。

転職活動は新卒の就職活動とはアピールポイントや進め方が異なります。就職活動と同じように進めていると、思ったような成果を得られない可能性があるので、注意しましょう。

新卒がすぐ辞める理由

厚生労働省は「仕事をやめた者の退職理由」について発表しています。仕事を辞める理由として多いのは、以下の通りです。

  1. 給与・報酬が少なかったから
  2. 会社の経営方針に不満を感じたから
  3. 労働時間が長かった・休暇が少なかったから
  4. 事業又は会社の将来に不安を感じたから
  5. 能力・実績が正当に評価されなかったから

それぞれの理由について解説します。

給料が少なかった

社会人になって初めての給料が少ないと感じる新卒は少なくありません。理由としては、もともと提示されている金額から、税金や健康保険料などが引かれた金額になるからです。

とくに新卒のうちは、ボーナスが出なかったり、研究期間と要して給与が低かったりする会社があります。

また給与自体に不満がなくても労働時間が長くて給与と労働時間が見合っていない、といった理由から給与が少ないと感じる場合もあります。

キャリアアップとして転職する場合は、給与が上がるケースが多いですが、新卒として転職する場合は給与が必ず上がるとは限りません。

会社の経営方針に不満を感じた

「会社の経営方針に不満を感じた」といっても幅広く、人によってさまざまです。例えば以下のような理由が想定できます。

  • クライアントひとりひとりに寄り添いたいのに、業務が多忙すぎてできない
  • ここまで仕事をすべきだと考えているの、残業削減でやらせてもらえない
  • 上司が変わったことにより、自由度のある中で意思決定できる方針から変わってしまった
  • 個人で仕事を進めることが多く、協調性が欠ける職場環境だった

自分のやりたい仕事と違った、やりたい仕事ができなくなったため、退職を決意する人もいます。

労働時間が長い・休みがない

労働時間や休日の条件がよくないことが理由で、退職するケースもあります。新卒の場合は、必ずしも会社が原因であるとは限りません。

例えば、新卒は仕事にまだ慣れていないため、業務をスムーズにこなせない場合があります。また、入社前のリサーチが不十分で思ったよりも残業時間が長かった、といったケースもあります。

会社側の原因としては、「サービス残業を要求される」「公表している内容と実際の労働時間が異なる」などです。残業時間は提示通りであっても、そのあとにサービス残業を要求され、結果的に労働時間が長くなるケースもよくある事例です。

体調を崩してしまうような悪質な労働環境である場合は、早急に労働基準監督署や労働組合などに相談しましょう。または、早めに転職することをおすすめします。

会社の将来に不安を感じた

会社の経営が悪化し、倒産や給料未払いの可能性がある場合、退職しようと考える人は多いのではないでしょうか。新卒として入社したものの、業績が悪化している状態では働くモチベーションも下がってしまいます。

ただし、業界全体が落ち込んでいる、不景気による影響の場合は、注意しましょう。転職しようとしても不況下であれば、転職先が見つからない場合があります。

能力や実績を正当に評価してもらえない

自己評価と実際の評価に大きな乖離がある場合、モチベーションが低下し、退職につながります。正当に評価してもらえなければ、正当な報酬も受け取れません。どれだけ頑張って働いたとしても、給与が増えず、昇格もできないような会社で継続して働きたいと思う人は少ないでしょう。

「新卒 すぐ辞める」に関する口コミ【Yahoo!知恵袋】

新卒ですぐに辞めてもいいか悩んでいる人は多くいます。どのような悩みを持っているのか、Yahoo!知恵袋の口コミを見ていきましょう。

  • 建設コンサルタント会社に入社
  • 外での仕事を希望しているのにデスクワーク中心の作業
  • 工業高校出身のためパソコンの扱いにも慣れていない
  • 同僚は通常業務しているのに自分は未だに研修期間のような仕事を割り振られる
  • 睡眠障害になってしまい業務に支障が出ている
  • 外仕事メインの会社に転職したい

参考元:Yahoo!知恵袋

この相談者は本当に自分のやりたい仕事に就きたい、という気持ちがあったため、3ヶ月しか働いていませんが転職を決意しました。

自分の慣れていない作業ばかりだと、モチベーションの低下にもつながり、思うように仕事が進まないこともあります。新卒であっても自分の思った仕事ができていないと感じる場合は、転職を考えてもいいでしょう。

  • 勤務して1ヶ月ですが辞めたい
  • 長いときは午前5時から午後7時まで働いている
  • 一人暮らしをしているがホームシックになってしまった
  • 自分の生活リズムと勤務時間が合っておらず疲れが蓄積される
  • 職場環境は悪くないが迷惑をかけていることが辛い
  • 働き始めて1ヶ月で辞めてもいいのか迷っている

参考元:Yahoo!知恵袋

働き始めて間もないころは、業務内容に慣れておらず体への負担も大きくなります。新卒としては一番辛い時期に当たるかもしれません。提示されていた業務内容が異なっているわけでもなく、職場環境が悪いわけでもないため、仕事に慣れるまで頑張ってみることも1つの手です。

実際働いてみると思ったよりも業務が過酷に感じる場合もあります。とくサービス業は労働時間が不規則になることもあるため、入社前に労働時間や業務内容をしっかりと確認しておくことが大切です。

新卒がすぐ辞めることに関するよくある質問

新卒がすぐ辞めることに関するよくある質問は、以下の通りです。

  • 新卒がすぐ辞めるかどうか判断する基準は?
  • 新卒がすぐ辞めるメリット・デメリットは?
  • 新卒がすぐ辞めるときの上司に伝えるポイントは?

それぞれについて解説します。

新卒がすぐ辞めるかどうか判断する基準は?

すぐ辞めるべきか辞めずに継続して働くべきかの判断基準は、自分の悩みが解決するかどうかです。自分の抱いている悩みを解決する手段が「転職(退職)」しかない場合は、転職をおすすめします。

しかし、時間が経てば悩みを解決できそう、自分の努力次第では解決できる場合は、転職せずに働き続けるべきです。

今の仕事を辞めることはリスクを伴います。転職先がすぐに見つかるとは限らないからです。そのため、働き続けるという選択肢が残っている場合、その選択肢を簡単に捨ててはなりません。

しかし、働き続けることで心身に支障をきたす場合は転職をおすすめします。今の仕事よりも自分の体の方が大切です。悩みすぎてうつ病になってしまうようなことになれば、転職活動にも影響を及ぼします。

まずは現状を把握して、すぐ辞めるべきか検討しましょう。

新卒がすぐ辞めるメリット・デメリットは?

新卒がすぐ辞めるときのメリットから見ていきましょう。

  • 時間を有効活用できる
  • ストレスや悩みから解消される
  • 転職先の幅が広い

今の苦痛な環境のまま仕事を続けても、仕事に対するモチベーションが上がらず自分の成長につながりません。このような負のループに時間を費やしている場合、転職した方が時間を有効活用できます。

第二新卒であれば、求人募集も多くあるため未経験の業種にも挑戦できます。就職先の幅が広がり自分に合った仕事が見つかりやすいでしょう。

デメリットとしては以下の3つがあります。

  • 「すぐ辞める」という印象を持たれる
  • 実力・実績を求められる
  • 同じことを繰り返す恐れがある

転職先の面接官に「うちの会社もすぐ辞めるのでは」と思われる可能性があります。実際、辞め癖がついてしまうと何度も早期退職を繰り返す人がいるのが現状です。1~2回の転職なら問題ありませんが、5~6回と転職を繰り返せば転職先を見つけることが難しくなります。

第二新卒は一度社会人としての経験を積んでいることから、実力や実績を求められるケースがあります。1~2年間働いていれば、前の会社で学んでことや身につけてスキルをアピールできますが、数ヶ月しか働いていない場合は、アピールできるものがありません。

そのため、すぐに辞めるにしても1年以上は業務を続けることをおすすめします。

新卒がすぐ辞めるときの上司に伝えるポイントは?

辞めるときは直属の上司に辞める旨を伝えましょう。最初に上層部や同僚に伝えると上司に迷惑をかけてしまいます。パワハラや不当な扱いを受けていない場合は、退職理由を会社の責任にしてはいけません。

会社の責任にしたり、威圧的な態度を取ったりすると、トラブルになる恐れがあります。退職時のトラブルは転職時に影響を及ぼすこともあるため、円満退職を目指しましょう。

まとめ

新卒がすぐ辞めても転職へ与える影響は少ないです。第二新卒であれば、求人募集も多く、チャンスはいくらでもあります。そのため、思い切って転職することも1つの手です。

しかし、自分が改善すれば継続できる余地がある場合は、仕事を続けましょう。あまりにも早く辞めてしまうと、自分の実力がつかず、アピールするネタもなくなってしまいます。

まずは現状を把握して継続できる余地がないか考え、転職以外の解決策が見つからない場合は、思い切って転職しましょう。

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