コロナ禍をきっかけにテレワークを導入する企業は急速に増えました。しかし、感染状況が落ち着いた現在では、出社中心の働き方に戻す企業も増えています。
テレワークでも効率よく業務を進めているにもかかわらず、「なぜテレワークをさせてくれないのか」と疑問や不満を感じている人は少なくありません。
制度があるのに利用できないケースや、上司の判断で出社を求められるケースもあります。
本記事では、テレワークをさせてくれない理由や企業側の考え方を整理し、認めてもらうための対処法や負担を減らす方法をわかりやすく解説します。
テレワークを希望している方や、現在の働き方に悩んでいる方は参考にしてください。
・テレワークさせてくれない理由は、一時的に導入していた、業務がテレワークに適していない、対面でのコミュニケーションを重視しているなど
・テレワークさせてくれない場合の対処法は、上司に相談する、業務に支障がないことを具体的に示す、部分的なテレワークの許可を求めるなど
・テレワークさせてくれないときに負担を減らす方法は、短時間勤務制度・時差出勤制度・フレックスタイム制度を利用するなど
目次
テレワークさせてくれないのはおかしい?制度があっても利用者は少ない
テレワークは多くの企業で導入が進んでいるものの、実際に利用している人は限られているのが現状です。
制度として存在していても、会社の方針や業務内容、上司の判断などによって利用しにくいケースも少なくありません。
テレワーク制度の導入状況や実際の利用率、企業が導入する目的について解説します。
- テレワーク制度を導入している企業は約5割
- テレワーク制度があっても利用者が10%未満の企業が約5割
- テレワークを導入している目的
テレワーク制度を導入している企業は約5割
総務省の「令和6年通信利用動向調査報告書」によると、テレワーク制度を「導入している」と回答した企業の割合は47.3%でした。
また、「導入していないが、今後導入予定がある」企業も含めると、合計で51.2%となり、約半数の企業でテレワークの導入・導入予定があることが分かります。
一方で、導入率は令和2年(2020年)をピークに減少傾向です。これは、コロナ禍で一時的に導入した企業が、感染状況の落ち着きとともに出社中心の働き方へ戻しているためです。
また、企業規模によって導入率には大きな差があります。従業員規模別の導入率は以下の通りです。
| 従業員規模 | テレワーク導入率 |
|---|---|
| 2,000人以上 | 82.1% |
| 1,000~1,999人 | 77.3% |
| 500~999人 | 64.5% |
| 300~499人 | 54.5% |
| 100~299人 | 40.7% |
大企業はIT環境やセキュリティ体制の整備が進んでおり、テレワークを導入しやすい環境が整っています。そのため、従業員が多くなるほど導入率も高くなります。
テレワーク制度があっても利用者が10%未満の企業が約5割
テレワーク制度を導入している企業は約5割ありますが、実際に利用している従業員は限られているのが現状です。
テレワークを利用している従業員の割合は、企業ごとに大きな差があります。以下は、テレワークを利用している従業員の割合ごとの企業比率です。
| テレワーク利用者の割合 | 企業の割合 |
|---|---|
| 5%未満 | 39.3% |
| 5%~10%未満 | 9.6% |
| 10%~30%未満 | 20.8% |
| 30%~50%未満 | 8.1% |
| 50%~80%未満 | 9.8% |
| 80%以上 | 12.0% |
| 無回答 | 0.4% |
このデータから分かる通り、「利用者が10%未満」の企業は合計で48.9%となり、約半数の企業でテレワークはほとんど利用されていません。
つまり、制度はあっても実際には一部の従業員しか利用していない企業が多い状況です。
テレワークを導入している目的
企業がテレワークを導入する目的は、新型コロナウイルスへの対応だけでなく、働き方の改善や業務効率の向上など多岐にわたります。主な導入目的は以下の通りです。
| テレワーク導入の目的 | 割合 |
|---|---|
| 新型コロナウイルス感染症への対応 | 66.0% |
| ワークライフバランスの向上 | 51.6% |
| 業務の効率性・生産性の向上 | 46.9% |
| 非常時の事業継続に備えて | 45.3% |
| 勤務者の移動時間の短縮・混雑回避 | 40.8% |
近年は感染対策としての重要性は徐々に低下し、その代わりに「ワークライフバランスの向上」や「業務効率の向上」、「事業継続対策」といった中長期的な経営メリットを目的として導入する企業が増えています。
また、同調査では約85%の企業がテレワーク導入によって何らかの効果があったと回答しています。
このように、多くの企業がテレワークの有効性を認識している一方で、実際に利用している従業員は多くありません。なぜテレワークをさせてくれないのか、理由を見ていきましょう。
テレワークさせてくれない理由とは?企業が認めない原因
テレワークを導入している企業がある一方で、制度がなかったり、制度があっても実際には利用させてもらえなかったりするケースもあります。
- コロナ対策で一時的にリモートワークを導入していたため
- 業務がテレワークに適していないから
- 会社の方針として出社を重視しているため
- 上司個人の判断で出社を求められることがあるため
- 対面でのコミュニケーションを重視しているため
- テレワークでは業務の進捗管理が難しいと考えられているため
- 情報漏えいなどのセキュリティリスクを懸念しているため
- 取引先対応や緊急対応が難しくなるため
コロナ対策で一時的にリモートワークを導入していたため
テレワークをさせてくれない理由の一つとして、コロナ対策として一時的に導入していただけであり、現在は通常の勤務体制に戻しているケースがあります。
コロナ禍では感染防止のため、多くの企業が緊急的にテレワークを導入しました。しかし、感染状況が落ち着いたことで、本来は出社が前提の働き方として元に戻す企業も少なくありません。
特に、十分な準備をせずに急遽導入した企業では、テレワーク環境や管理体制が整っていないまま運用していたケースも多いです。
その結果、業務管理の難しさやコミュニケーションの課題を理由に、出社中心の働き方へ戻していることがあります。
このような場合、会社としてはテレワークを例外的な対応と考えているため、現在は認められない状況になっている可能性があります。
関連記事:フルリモートのメリット・デメリットとは?働き方や向いている人の特徴を紹介
業務がテレワークに適していないから
テレワークをさせてもらえない理由として多いのが、業務内容そのものがテレワークに適していないケースです。実際に、業界によってテレワークの導入率には大きな差があります。
例えば、総務省の調査によると、情報通信業のテレワーク導入率は94.3%と非常に高い水準です。一方で、運輸業・郵便業の導入率は31.4%にとどまっています。
この差が生まれる理由は、業務の性質にあります。
- 情報通信業:パソコンとインターネットがあれば業務が完結する
- 運輸業・郵便業:配送や輸送など、現場での作業が必須
このように、物理的に出社や現場対応が必要な業務では、テレワークの導入が難しくなります。
また、社内の専用機器を使用する業務や、紙の書類を多く扱う業務もテレワークに適していないと判断されやすいです。
会社側としては、業務の効率や安全性を優先するため、出社を求める判断になります。
会社の方針として出社を重視しているため
会社の方針として、出社を基本とする働き方を重視している場合は、テレワークをさせてもらえないことがあります。
業務自体はテレワークでも対応可能であっても、企業文化や経営方針によって出社を前提としているケースです。
例えば、「社員同士のコミュニケーションは対面のほうが円滑になる」「出社することでチームワークが強化される」といった考えを重視する企業も少なくありません。
また、上司が部下の様子を直接確認できる環境を重視している場合もあります。
特に、これまで長年出社中心で運営してきた企業では、テレワークへの移行に慎重な傾向があります。
テレワークによって管理が難しくなることや、組織としての一体感が弱まることを懸念しているためです。
上司個人の判断で出社を求められることがあるため
テレワーク制度があっても、実際に利用できるかどうかは上司の判断に左右されることがあります。制度として認められていても、上司が許可しなければ利用できない職場も少なくありません。
例えば、「出社していないと業務状況が把握しにくい」「直接指示を出したい」といった理由から、出社を求められることがあります。
また、上司自身がテレワークに慣れていない場合や、対面での管理を重視している場合も、テレワークをさせてもらえません。
対面でのコミュニケーションを重視しているため
会社によっては、対面でのコミュニケーションを重視しているため、テレワークをさせてもらえない場合があります。
直接顔を合わせて話すことで、意思疎通がスムーズになり、業務を円滑に進めやすいと考えられているためです。
特に、中小企業や社員数の少ない職場では、その傾向が強くなります。人数が少ない分、日常的に連携する機会が多く、ちょっとした相談や確認も頻繁に発生します。
対面であればすぐに確認できるため、効率的だと感じる企業も少なくありません。
また、直接顔を合わせることで信頼関係を築きやすく、組織の一体感を保ちやすいという理由もあります。
このように、業務効率や人間関係の構築を重視する企業ほど、出社を前提とした働き方を採用している傾向があります。
テレワークでは業務の進捗管理が難しいと考えられているため
職場で働いていれば、上司や同僚が近くにいるため、誰がどの業務を進めているのかを自然に把握できます。直接様子を見ることで、業務が順調に進んでいるかどうかを判断しやすいです。
また、「これで合っていますか?」「この進め方で問題ないですか?」といった、わざわざ連絡するほどではない小さな確認も、その場ですぐに行えます。
こうしたやり取りによって、部下がつまずいていることにも早く気づけるため、適切なフォローがしやすくなります。
一方で、テレワークでは相手の状況が見えにくいです。質問するにもチャットや電話が必要になるため、確認のタイミングが遅れたり、問題の発見が遅れたりすることがあります。
その結果、進捗状況や成長の様子を把握しにくいと感じる管理職も少なくありません。
情報漏えいなどのセキュリティリスクを懸念しているため
テレワークを認めない理由として、情報漏えいなどのセキュリティリスクを懸念している企業もあります。社外で業務を行う場合、会社の管理が行き届きにくくなるためです。
例えば、自宅のWi-Fi環境が十分に安全でない場合や、会社のパソコンを社外に持ち出すことで、情報漏えいのリスクが高まる可能性があります。
また、家族と同居している場合は、業務画面を見られてしまうなど、意図せず情報が外部に漏れるリスクも少なくありません。
USBメモリやクラウドサービスの利用方法によっては、重要なデータが社外に流出する恐れもあります。
こうしたリスクを完全に防ぐためには、専用のシステムやセキュリティ対策の導入が必要になるため、対応が難しい企業もあります。
取引先対応や緊急対応が難しくなるため
業務内容によっては、取引先対応や緊急対応のために出社が必要になるケースがあります。特に、電話対応や来客対応が多い職場では、テレワークだと対応が難しくなるでしょう。
例えば、取引先から急な問い合わせやトラブルの連絡があった場合、社内にいればすぐに関係部署へ確認し、迅速に対応できます。
しかし、テレワークでは確認や対応に時間がかかりやすく、対応の遅れにつながる可能性があります。
また、紙の書類や社内の設備を使う業務がある場合も、出社が必要不可欠です。
契約書の確認や押印、特定のシステムへのアクセスなど、社内でしか対応できない業務がある企業も少なくありません。
テレワークさせてくれない場合の対処法
テレワークをさせてくれない場合でも、適切に対応すれば利用を認めてもらえる可能性があります。
会社の方針や業務内容によってはすぐに認められないこともありますが、伝え方や準備次第で状況が変わることも少なくありません
テレワークを希望する場合に取るべき具体的な対処法について解説します。
- テレワークをさせてほしいことを上司に相談する
- テレワークでも業務に支障がないことを具体的に示す
- 部分的なテレワークの許可を求める
- 同僚と意見を共有し、複数人で会社に働きかける
- 会社の就業規則やテレワーク制度の内容を確認する
- テレワークが可能な企業への転職を検討する
テレワークをさせてほしいことを上司に相談する
まずは、テレワークを希望していることを上司に相談することが大切です。相談する際は、「テレワークをしたい」という希望だけでなく、理由もあわせて伝えましょう。
例えば、「通勤時間を減らして業務に集中したい」「自宅のほうが作業環境が整っているため効率が上がる」など、業務にプラスになる内容で伝えることが重要です。
また、会社の方針や部署ごとの運用ルールによって対応が異なることもあるため、テレワークの可否や利用条件を確認しておきましょう。
テレワークでも業務に支障がないことを具体的に示す
テレワークを認めてもらうためには、「テレワークでも問題なく業務ができること」を具体的に示すことが重要です。
会社側は業務効率や対応の遅れを懸念しているため、その不安を解消する必要があります。
例えば、「チャットや電話でいつでも連絡が取れる状態にする」「業務の進捗を定期的に報告する」など、これまでと同じように業務を進められることを伝えましょう。
あわせて、自宅の作業環境が整っていることも説明できると、より安心感を与えられます。
部分的なテレワークの許可を求める
いきなり完全なテレワークを希望するのではなく、部分的なテレワークから相談するのも有効です。会社側にとっても負担が少なく、受け入れられやすくなります。
例えば、「週に1日だけテレワークにしたい」「業務に集中したい日はテレワークにしたい」など、限定的な形で提案してみましょう。
すべてをテレワークにするのではなく、出社と組み合わせることで、業務への影響を最小限に抑えられます。
また、実際にテレワークを行って問題なく業務が進められることを示せれば、その後テレワークの頻度を増やせる可能性もあります。
同僚と意見を共有し、複数人で会社に働きかける
自分一人で相談してもテレワークをさせてもらえない場合は、同僚と意見を共有することも一つの方法です。
同じようにテレワークを希望している人がいれば、複数人で相談することで、会社側も検討しやすくなります。
個人の要望として伝えるよりも、「部署として希望している」「複数の社員が必要としている」といった形で伝えるほうが、会社にとっても無視できないでしょう。
制度の見直しや試験的な導入につながる可能性もあります。
会社の就業規則やテレワーク制度の内容を確認する
まずは、自社の就業規則やテレワーク制度の内容を確認しておきましょう。制度がある場合でも、利用条件や対象者が限定されていることがあります。
例えば、「一定の勤続年数が必要」「上司の許可が必要」「特定の部署のみ対象」といった条件が設けられているケースもあります。
条件を満たしていない場合は、すぐに利用できないこともありますので、注意しましょう。
テレワークが可能な企業への転職を検討する
会社の方針としてテレワークをさせてもらえない場合は、自分の努力だけで状況を変えるのが難しいこともあります。
相談しても改善されない場合は、テレワークが可能な企業への転職を検討することも選択肢の一つです。
近年は、ワークライフバランスを重視する企業が増えており、柔軟な働き方を採用している企業も多くあります。
完全なテレワークでなくても、「週に数回は在宅勤務が可能」「業務内容に応じてテレワークを選択できる」といった制度を導入している企業もあります。
また、求人情報だけで判断するのではなく、実際に制度が利用されているかを確認することも重要です。転職エージェントを活用すれば、制度の有無だけでなく、実際の運用状況についても把握しやすくなります。
テレワークさせてくれない理由が不当と感じた場合の対処法
テレワークをさせてくれないこと自体は、必ずしも違法になるわけではありません。しかし、合理的な理由がない場合や、不公平な扱いを受けている場合は、適切に対処することが重要です。
不当と感じた場合に取るべき具体的な対応について解説します。
- 違法性がないか確かめる
- テレワークをさせてくれない状況の証拠を集める
- 労働基準監督署へ相談する
- 労働問題に詳しい弁護士へ相談する
違法性がないか確かめる
まずは、会社の対応が違法にあたるかどうかを確認しましょう。テレワークは法律で義務付けられている制度ではないため、会社が認めないこと自体は違法ではありません。
ただし、育児・介護を理由とした合理的配慮を無視している場合や、特定の従業員だけ不合理に拒否している場合は、不適切な対応と判断される可能性があります。
また、就業規則や社内制度にテレワークが認められているにもかかわらず、正当な理由なく拒否されている場合も注意が必要です。
テレワークをさせてくれない状況の証拠を集める
会社の対応に疑問がある場合は、やり取りの記録を残しておくことが重要です。証拠があれば、後から客観的に状況を説明しやすくなります。
例えば、テレワークの申請をメールやチャットで行い、その回答内容を保存しておきましょう。
口頭で拒否された場合も、「先日ご相談したテレワークの件ですが、出社が必要とのご判断でしたので承知しました」などと文章で確認を取っておくと記録として残ります。
また、自分以外の従業員がテレワークを認められているかどうかも確認しておきましょう。
同じ業務内容であるにもかかわらず、自分だけ認められていない場合は、不公平な扱いと判断される可能性があります。
こうした記録を残しておくことで、会社へ再度相談する際や、外部機関へ相談する際にも状況を正確に伝えやすくなります。
労働基準監督署へ相談する
会社の対応に疑問がある場合は、労働基準監督署への相談も選択肢の一つです。労働基準監督署は、労働条件や職場環境に関する問題について、労働者からの相談を受け付けています。
ただし、テレワークの実施は法律で義務付けられているものではありません。そのため、単に「テレワークをさせてくれない」という理由だけでは、違法と判断されないケースが一般的です。
一方で、育児・介護に関する制度の利用を不当に拒否されている場合や、就業規則にテレワーク制度があるにもかかわらず合理的な理由なく利用を認めない場合は、問題になる可能性があります。
労働問題に詳しい弁護士へ相談する
会社の対応に納得できない場合は、労働問題に詳しい弁護士への相談も有効です。
テレワークをさせてもらえないことが不当な扱いに該当するかどうかは、就業規則の内容や会社の運用状況によって判断が異なります。
弁護士に相談することで、会社の対応に問題があるかどうかを法的観点から確認できます。
例えば、就業規則でテレワーク制度が定められているにもかかわらず、合理的な理由なく一部の従業員だけ利用を認めない場合は、不利益な取り扱いといえるでしょう。
また、相談することで今後どのように対応すべきかの具体的な助言も得られます。会社との関係を維持しながら解決を目指したい場合でも、専門家の意見を把握しておくことは重要です。
テレワークさせてくれないときに負担を減らす方法
テレワークをさせてくれない場合でも、働き方を工夫することで負担を軽減できます。出社を前提とした環境でも無理なく働き続けるための具体的な方法を紹介します。
- 短時間勤務制度を利用する
- 時差出勤制度を利用する
- フレックスタイム制度を利用する
- 育児・介護のための支援制度を確認する
- 業務の進め方を見直して効率化する
- 残業せずに定時で帰ることを意識する
- 有給休暇を計画的に取得する
短時間勤務制度を利用する
テレワークができない場合でも、短時間勤務制度を利用することで通勤や業務の負担を減らせます。
特に育児や介護などの事情がある場合は、法律に基づいて短時間勤務を選択できるケースがあります。
例えば、1日の勤務時間を8時間から6時間に短縮することで、通勤ラッシュの負担や長時間労働による疲労を軽減しやすいでしょう。
勤務時間が短くなることで、家庭の事情や体調に合わせた働き方もしやすくなるでしょう。
時差出勤制度を利用する
テレワークをさせてもらえない場合でも、時差出勤制度を利用すれば通勤の負担を軽減できます。
出社時間をずらすことで、満員電車を避けやすくなり、通勤によるストレスを減らすことが可能です。
例えば、通常は9時出社のところを10時や11時に変更すれば、混雑のピークを避けて通勤できます。座って通勤できる可能性も高まり、体力的な負担も軽くなるでしょう。
また、出社時間が遅くなることで、朝の時間に余裕が生まれます。
フレックスタイム制度を利用する
フレックスタイム制度を利用すれば、働く時間を自分で調整できるため、業務効率や生活とのバランスを改善しやすくなります。
例えば、集中力が高い時間帯に重要な業務を進めたり、社内外の予定に合わせて勤務時間を調整したりできます。
これにより、無理に長時間職場にいる必要がなくなり、生産性を維持しながら働くことが可能です。
また、家庭の事情や通院、役所の手続きなどにも対応しやすくなります。勤務時間を調整できることで、仕事と私生活の両立がしやすくなるでしょう。
育児・介護のための支援制度を確認する
テレワークをさせてもらえない場合でも、育児や介護と仕事を両立するための支援制度の利用を検討しましょう。
会社によっては、テレワーク以外にも柔軟な働き方を支援する制度を整えていることがあります。例えば、以下のような制度です。
- 育児短時間勤務制度
- 介護短時間勤務制度
- 子の看護休暇
- 介護休暇
- 時差出勤制度
- 時間単位の有給休暇制度
これらの制度を利用することで、出社が前提でも負担を軽減しやすくなります。
特に育児・介護休業法では、一定の条件を満たす労働者に対して短時間勤務制度などの措置を講じることが企業に義務付けられています。
業務の進め方を見直して効率化する
テレワークをさせてもらえない場合でも、業務の進め方を見直すことで負担を減らせます。働き方そのものを変えなくても、日々の業務を効率化することで時間的・精神的な余裕が生まれます。
例えば、優先順位を整理して重要な業務から取り組むようにすると、無駄な残業を減らすことが可能です。
また、定型業務をテンプレート化したり、繰り返し作業を効率化したりすることで、業務時間の短縮につながります。
上司や同僚と業務量について相談することも重要です。業務が偏っている場合は調整してもらえる可能性があります。自分だけで抱え込まず、周囲と協力しながら働き方を見直してみましょう。
残業せずに定時で帰ることを意識する
プライベートの時間をより充実させたい場合は、残業せずに定時で帰ることを意識することが重要です。
テレワークさせてもらえない場合は、自宅で働く場合と比べて拘束される時間が長くなります。
通勤時間そのものを減らすことは難しいため、その分、勤務時間を必要以上に延ばさないことが大切です。
例えば、業務の優先順位を明確にし、勤務時間内に終わらせることを意識しましょう。時間内に仕事を終える習慣が身につけば、無駄な残業を避けやすくなります。
関連記事:仕事で定時で帰れないのはおかしい?理由と定時で帰るポイントを解説
有給休暇を計画的に取得する
テレワークをさせてもらえない分、ワークライフバランスの充実感が少ないと感じる場合は、有給休暇を積極的に取得することが重要です。
テレワークは法律で義務付けられている制度ではありません。
しかし、有給休暇は労働基準法第39条で認められた労働者の権利です。会社は時期変更権を行使することはありますが、正当な理由なく取得そのものを拒否することはできません。
育児や家庭の用事への対応、通院、リフレッシュなど、有給休暇の使い方は自由です。無理に我慢を続けるのではなく、自分の生活を大切にするための手段として活用しましょう。
関連記事:有給が取れない場合の対処法は?人手不足でも取得するコツや違法について解説
テレワークさせてくれないことに関するよくある質問
テレワークさせてくれないことに関するよくある質問を紹介します。
- テレワークとリモートワークの違いは?
- テレワークのメリット・デメリットは?
- 在宅勤務をさせてくれない会社は違法?
- テレワークさせてくれない上司にはどう対応すればいい?
- 自分だけテレワークさせてくれないのは違法?
- テレワークできるのにしない会社は辞めるべき?
テレワークとリモートワークの違いは?
テレワークは、総務省が定義している正式な用語で、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所にとらわれずに働くこと」を指します。
在宅勤務だけでなく、サテライトオフィス勤務やモバイルワークなども含まれます。
一方、リモートワークは明確な法的定義があるわけではなく、会社から離れた場所で働くこと全般を指す一般的な表現です。
多くの場合はテレワークと同じ意味で使われますが、テレワークのほうが行政や企業の制度として使われることが多い言葉です。
テレワークのメリット・デメリットは?
テレワークにはメリットとデメリットの両方があります。自分に合った働き方か判断するためにも、それぞれを理解しておくことが重要です。
【メリット】
- 通勤時間がなくなり、時間を有効に使える
- 自分のペースで業務を進めやすい
- 業務に集中しやすい環境を作りやすい
- 育児や介護と仕事を両立しやすくなる
- 居住地に関係なく働ける可能性がある
【デメリット】
- 上司や同僚とのコミュニケーションが減りやすい
- 業務の進捗が見えにくく、不安を感じることがある
- 自己管理ができないと生産性が下がる可能性がある
- 孤独感を感じやすい場合がある
- 情報共有や連携に時間がかかることがある
在宅勤務をさせてくれない会社は違法?
在宅勤務をさせてもらえないこと自体は、原則として違法ではありません。テレワークは法律で義務付けられている制度ではなく、導入するかどうかは会社の判断に委ねられているためです。
就業規則や社内制度でテレワークが認められていない場合、会社が出社を求めることは問題ありません。
ただし、制度があるにもかかわらず合理的な理由なく特定の人だけテレワークをさせてもらえない場合は、不公平な扱いとなる可能性があります。
テレワークさせてくれない上司にはどう対応すればいい?
テレワークをさせてもらえない場合は、感情的に反発するのではなく、業務への支障がないことを具体的に示しながら相談することが大切です。
例えば、「この業務は自宅でも対応可能です」「チャットやオンライン会議で報告・連絡は問題なく行えます」など、テレワークでも問題なく働ける根拠を説明すると理解を得やすくなります。
自分だけテレワークさせてくれないのは違法?
明確な理由がなく特定の人だけテレワークをさせてもらえない場合や、嫌がらせや不利益な扱いとして運用されている場合は違法になる可能性があります。
不公平な扱いだと感じた場合は、理由を確認し、必要に応じて社内窓口や弁護士への相談も検討しましょう。
テレワークできるのにしない会社は辞めるべき?
テレワークをさせてもらえないことだけを理由に、必ずしも退職すべきとは限りません。まずは、自分にとって何を優先したいのかを整理することが大切です。
近年は、ワークライフバランスを重視する企業も増えており、テレワークや柔軟な働き方を導入している会社もあります。
テレワークを重視したい場合は、求人情報や企業の制度を確認し、自分に合った環境への転職を検討することも一つの選択肢です。
まとめ
テレワークさせてもらえないのは珍しいことではなく、業務内容や会社の方針によって出社が求められるケースは多くあります。
まずは制度の有無や理由を確認し、短時間勤務や有給休暇の活用など、負担を減らす方法を検討しましょう。
それでも働き方が合わない場合は、テレワークに対応している企業への転職も選択肢の一つです。自分に合った働き方を選ぶことが、長く安心して働くために重要です。