
職場で「機嫌が悪い人に気を遣ってしまう」「ため息や舌打ちで職場の空気が重くなる」と感じた経験はないでしょうか。
このように、不機嫌な態度によって周囲に心理的な負担を与える行為は、近年「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」と呼ばれ、問題視されています。
フキハラは明確な暴言やパワハラのように分かりやすい行為ではありません。
しかし、態度や空気によって周囲にストレスを与え、職場の環境を悪化させることで深刻な問題になることがあります。
本記事では、フキハラの具体的な行動例や対処法、相談先についても解説します。職場環境に悩んでいる方は参考にしてください。
・フキハラ(不機嫌ハラスメント)とは、不機嫌な態度や言動によって周囲に心理的な負担を与える行為
・フキハラにあたる行動・言動の具体例は、ため息や舌打ちを繰り返す、物に当たる・強い音を立てる、周囲が気を遣うような態度を続けるなど
・フキハラが起きやすい職場の特徴は、上司の機嫌が職場の雰囲気を左右している、ミスや意見を言いにくい職場、ハラスメントへの意識が低い職場
・フキハラの対策は、距離感を保つ、状況を記録しておく、上司や同僚に相談する、社内の相談窓口を利用する、外部機関へ相談するなど
目次
フキハラ(不機嫌ハラスメント)とは|近年注目されている職場ハラスメント
フキハラとは「不機嫌ハラスメント」の略で、不機嫌な態度や言動によって周囲に心理的な負担を与える行為です。
近年は、パワハラやセクハラだけでなく、さまざまなハラスメントが問題視されるようになりました。フキハラもその一つとして注目されています。
フキハラとあわせて耳にすることが増えているハラスメントについて見ていきましょう。
- カスハラ(カスタマーハラスメント)
- テクハラ(テクノロジーハラスメント)
- リモハラ(リモートハラスメント)
- アルハラ(アルコールハラスメント)
カスハラ(カスタマーハラスメント)
カスハラとは、顧客が企業や従業員に対して理不尽な要求や過度なクレームを行う行為です。正当な苦情や意見とは異なり、従業員に精神的な負担を与える行為が問題になります。
具体的には、次のような行動がカスハラにあたるでしょう。
- 大声で怒鳴る、威圧的な態度を取る
- 長時間にわたりクレームを続ける
- 土下座や過度な謝罪を要求する
- 商品やサービスと関係のない人格攻撃をする
- 不当な返金や過剰な補償を求める
このような行為は、従業員の精神的な負担を大きくするだけでなく、職場環境の悪化にもつながります。そのため、近年は企業にもカスハラ対策を求める動きが広がっています。
テクハラ(テクノロジーハラスメント)
テクハラとは、IT機器やデジタルツールの知識を利用して、相手を見下したり、プレッシャーを与えたりする行為です。
例えば、次のような言動がテクハラにあたることがあります。
- ITに詳しくない人を見下す発言をする
- 「こんなことも知らないの?」と知識不足を責める
- 必要以上に専門用語を使って相手を困らせる
- パソコン操作のミスを強く責める
- IT知識がないことを理由に仕事を任せない
このような行為が続くと、ITに苦手意識を持つ人は質問や相談をしにくくなります。
リモハラ(リモートハラスメント)
リモハラとは、テレワークやオンライン会議などのリモート環境で行われるハラスメントです。対面では起こりにくい行為でも、オンライン環境では相手にプレッシャーを与えることがあります。
例えば、次のような言動がリモハラにあたることがあります。
- 常にカメラをオンにするよう強く求める
- 自宅の様子や背景について執拗に指摘する
- 業務時間外でも頻繁にチャットや連絡を送る
- オンライン会議で特定の人を過度に指摘する
- 在宅勤務を理由に仕事の能力を疑う発言をする
リモート環境では相手の状況が見えにくいため、意図せず相手に負担を与えることも少なくありません。オンラインでのコミュニケーションでは、相手の立場や環境への配慮が重要です。
アルハラ(アルコールハラスメント)
アルハラとは、飲酒に関する強要や迷惑行為によって相手に不快感や負担を与える行為です。職場の飲み会などで起きやすく、本人の意思を無視した飲酒の強要が問題になります。
例えば、次のような言動がアルハラにあたることがあります。
- お酒が飲めない人に無理やり飲酒を勧める
- 「一杯くらい飲めるだろう」と強く勧める
- 上司や先輩の立場を利用して飲酒を断りにくくする
- 飲めない人をからかったり笑いの対象にする
- 酔った勢いで暴言や迷惑行為をする
飲酒は個人の体質や価値観に大きく関わるものです。本人の意思を尊重せずに飲酒を強要する行為は、職場のハラスメントとして問題になります。
フキハラにあたる行動・言動の具体例
フキハラは、暴言や明確な指示のように分かりやすい行為ではありません。不機嫌な態度や空気によって、周囲の人に精神的な負担を与えることが特徴です。
職場でよく見られるフキハラの具体的な行動や言動を紹介します。
- ため息や舌打ちを繰り返す
- 物に当たる・強い音を立てる
- 無視する・あからさまに不機嫌な態度をとる
- 周囲が気を遣うような態度を続ける
ため息や舌打ちを繰り返す
職場で何かあるたびに大きなため息をついたり、舌打ちをしたりする行動は、周囲の人に強いプレッシャーを与えます。
直接言葉で責められていなくても、「自分が何か悪いことをしたのではないか」と感じてしまう人もいるでしょう。
例えば、ミスが起きたときや質問をされたときに、わざと聞こえるようにため息をついたり、舌打ちをしたりする行動です。
本人にそのつもりがなくても、周囲からすると威圧的な態度に見えるでしょう。
このような行動が続くと、職場では「機嫌を損ねないようにしよう」という空気が生まれます。
その結果、意見や相談がしにくくなり、職場のコミュニケーションにも悪い影響を与えてしまいます。
物に当たる・強い音を立てる
机を強く叩いたり、書類を乱暴に置いたりするなど、物に当たる行動もフキハラの一つといえます。
直接相手に怒鳴っていなくても、大きな音や荒い動作によって周囲に威圧感を与えるためです。
例えば、パソコンのキーボードを強く打つ、引き出しを勢いよく閉める、書類を机に叩きつけるといった行動です。
こうした行動が続くと、周囲の人は「機嫌が悪いのではないか」と感じ、必要以上に気を遣うようになります。
結果として、職場の雰囲気が緊張したものになり、話しかけにくい空気が生まれてしまいます。本人はストレス発散のつもりでも、周囲にとっては大きな心理的負担になる行動です。
無視する・あからさまに不機嫌な態度をとる
会話や挨拶を無視する行為は、フキハラにあたるだけでなく、状況によってはパワハラと受け取られます。
暴言のように分かりやすい攻撃ではなくても、相手を無視する態度は職場の人間関係に大きな影響を与えるためです。
受け取る側は無視されてしまうと、どのように対応すればよいのか分からなくなります。
自分が何か悪いことをしたのではないかと考え、必要以上に気を遣ってしまう人もいるでしょう。
このような態度が続くと、次第に声をかけにくい雰囲気が生まれます。その結果、必要な報連相まで控えられるようになり、業務にも支障が出ることがあります。
周囲が気を遣うような態度を続ける
誰でも機嫌が悪くなるときはあります。しかし、その感情を態度に出し続け、周囲が気を遣わなければならない状態を作ってしまうと、フキハラと受け取られてしまうでしょう。
このような状況になると、周囲の人は相手の機嫌を優先して行動するようになります。
本来であれば普通に行える相談や意見交換であっても、タイミングをうかがうようになってしまいます。
本人が直接何かを言っていなくても、態度によって周囲に心理的な負担を与えることがフキハラの特徴です。
フキハラが起きやすい職場の特徴
フキハラは、個人の性格や態度だけが原因とは限りません。職場の環境や組織の雰囲気によって、不機嫌な態度が許容されやすい場合もあります。
フキハラが起きやすい職場の特徴を紹介します。
- 上司の機嫌が職場の雰囲気を左右している
- ミスや意見を言いにくい職場
- 業務量が多くストレスがたまりやすい
- ハラスメントへの意識が低い職場
上司の機嫌が職場の雰囲気を左右している
上司の存在が大きく、その人の機嫌によって職場の雰囲気が変わる環境では、フキハラが起きやすくなります。上司の態度が職場全体に影響しやすいためです。
例えば、上司の機嫌が良い日は職場がにぎやかになり、不機嫌な日は急に静かになるような職場です。
周囲の人が上司の様子を見ながら行動するようになると、自然と気を遣う空気が生まれます。
このような環境では、コミュニケーションが滞り、職場の雰囲気も悪くなりやすくなります。
ミスや意見を言いにくい職場
ミスや意見を伝えたときに、上司がため息をついたり嫌な態度を取ったりする職場では、発言しにくい雰囲気が生まれます。
報告や相談をしただけなのに不機嫌な反応をされると、次第に言い出しにくくなるためです。
その結果、周囲は上司の機嫌を損ねないように行動するようになります。
本来であれば必要な報告や意見であっても、タイミングをうかがうようになり、職場のストレスも大きくなります。
こうした状態が続くと、上司の不機嫌な態度が当たり前のものとして受け入れられてしまい、フキハラ行動が改善されないまま続いてしまう職場になりやすいのです。
業務量が多くストレスがたまりやすい
業務量が多く、常に忙しい状態が続く職場では、ストレスがたまりやすくなります。余裕がなくなると、ちょっとした出来事でも感情が表に出やすくなるためです。
仕事に追われる環境では、気持ちを落ち着ける時間が少なくなります。その結果、イライラした態度や不機嫌な反応が増え、周囲の人も影響を受けやすくなります。
もちろん、忙しいこと自体がフキハラになるわけではありません。
ただ、ストレスが強い環境では感情的な態度が出やすくなるため、職場全体で余裕のある働き方を意識することが大切です。
関連記事:仕事がつらいときの乗り越え方12選!つらいと感じる原因と対策法も紹介
ハラスメントへの意識が低い職場
フキハラが続きやすい職場には、ハラスメントに対する意識が低いという特徴もあります。
不機嫌な態度について「この人は昔からこういう性格だから」「仕事ができる人だから仕方ない」と見過ごされてしまう環境です。
このような職場では、不機嫌な態度が問題として扱われません。そのため、周囲が我慢することが当たり前になり、改善のきっかけも生まれにくくなります。
結果として、フキハラのような行動が長く続いてしまうことがあります。
職場でハラスメントを防ぐためには、どのような言動が問題になるのかを共有し、適切に対応できる環境を整えることが重要です。
フキハラチェックリスト|被害者・加害者の可能性を確認
フキハラは、明確な暴言や指示があるわけではないため、気づきにくいハラスメントといわれています。
被害を受けていても「気にしすぎかもしれない」と感じてしまうこともあるでしょう。
また、自分ではそのつもりがなくても、不機嫌な態度によって周囲に負担を与えてしまうこともあります。
職場でフキハラが起きているか確認するチェックリストと、自分自身の行動を振り返るためのチェックリストを紹介します。
- 職場でフキハラが起きているかチェックリスト
- 自分がフキハラをしていないか確認するチェックリスト
職場でフキハラが起きているかチェックリスト
フキハラは明確な暴言がなくても起こるため、「これってハラスメントなのだろうか」と判断に迷うこともあります。
まずは、職場で次のような状況が続いていないか確認してみましょう。
- 特定の人が不機嫌な態度を続け、周囲が気を遣っている
- ため息や舌打ちなどで職場の空気が重くなることがある
- 話しかけても無視されたり、露骨に嫌な態度を取られたりする
- 上司や先輩の機嫌によって職場の雰囲気が大きく変わる
- 機嫌を損ねないように行動することが当たり前になっている
- 不機嫌な態度について誰も指摘できない
このような状況が複数当てはまる場合、フキハラが起きている可能性があります。職場環境を見直すきっかけとして、一度確認してみるとよいでしょう。
自分がフキハラをしていないか確認するチェックリスト
フキハラは自覚がないまま行ってしまうこともあります。普段の態度や行動を振り返り、次のような行動がないか確認してみましょう。
- 仕事中にため息や舌打ちをすることが多い
- 不機嫌なときに周囲へ態度で示してしまう
- 挨拶や声かけに反応しないことがある
- イライラしたときに物を強く置いたり音を立てたりする
- 周囲が自分の機嫌を気にしていると感じることがある
- 忙しいときに冷たい態度を取ってしまう
いくつか当てはまる場合、無意識のうちに周囲へプレッシャーを与えている可能性があります。
自分では何気ない行動でも、受け取る側にとっては負担になることもあるため、日頃の態度を見直してみることが大切です。
フキハラへの対策|職場でできる具体的な7つの対処法
フキハラは態度や空気によって周囲に影響を与えるハラスメントのため、どのように対応すればよいのか迷う人も少なくありません。
何も対策を取らないまま我慢し続けると、ストレスが積み重なり、働きにくい環境が続いてしまいます。自分を守るためにも、できる範囲で対処することが大切です。
職場で実践できるフキハラへの対処法を紹介します。
- フキハラに巻き込まれない距離感を保つ
- フキハラの状況を記録しておく
- 信頼できる上司や同僚に相談する
- 社内の相談窓口を利用する
- 職場環境の改善を会社に求める
- 外部機関へ相談する
- 転職を視野に入れる
フキハラに巻き込まれない距離感を保つ
フキハラをする人に対して、無理に関わり続ける必要はありません。できる範囲で距離を取り、感情に巻き込まれないようにすることも大切です。
例えば、必要以上に雑談をしない、業務に関係のない会話を避けるなど、適度な距離感を意識します。相手の不機嫌に反応しすぎないようにすることも一つの方法です。
もちろん、業務に必要なコミュニケーションまで避ける必要はありません。仕事に必要なやり取りは冷静に行い、それ以外では距離を保つことで精神的な負担を減らせます。
フキハラの状況を記録しておく
フキハラが続いている場合は、どのような言動があったのかを記録しておきましょう。後から相談する際の客観的な資料になります。
例えば、次のような内容をメモしておきましょう。
- いつ(日時)
- どこで(場所)
- 誰が(相手)
- どのような言動があったのか
- そのときの状況や周囲の様子
フキハラは態度や雰囲気によるものが多く、後から説明するのが難しいことがあります。記録が残っていれば、相談窓口や会社へ説明するときにも状況を伝えやすくなります。
関連記事:セクハラに証拠がないときはどうするべき?セクハラで訴える手順と証拠の集め方を解説
信頼できる上司や同僚に相談する
フキハラに悩んでいる場合は、一人で抱え込まないことが大切です。信頼できる上司や同僚へ状況を共有してみましょう。
第三者の視点が入ることで、自分では気づかなかった見方が見えてくることもあります。
自分では深刻に感じていても、周囲も同じように問題だと感じているケースも少なくありません。職場で状況が共有されると、改善のきっかけにつながる可能性も高まります。
また、同じ職場で働く人に話すことで、似たような経験をしている人が見つかることもあります。複数の意見を聞くと、今後の対応を考えやすくなるでしょう。
関連記事:会社に相談できる人がいない場合どうする?対処法と相談窓口を紹介します
社内の相談窓口を利用する
フキハラが続く場合は、社内の相談窓口へ相談しましょう。多くの企業では、ハラスメント相談窓口や人事部が相談先として設けられています。
相談窓口では、現在どのような状況なのかを説明し、今後どのように対応すべきか助言を受けることになります。
会社側が問題を把握すれば、上司への注意や部署内の環境見直しなど、組織として動くきっかけになることも少なくありません。
フキハラは個人間の問題のように見えて、実際には職場環境に関わるテーマです。社内制度を利用し、会社としての対応を求める選択肢も視野に入れてください。
職場環境の改善を会社に求める
フキハラは個人の性格だけが原因とは限りません。職場の雰囲気や働き方が影響し、不機嫌な態度が当たり前になってしまうケースもあります。
例えば、上司の態度に誰も意見できない職場や、忙しさから余裕がなくなっている職場です。このような環境では、フキハラのような行動が問題として扱われにくくなります。
そのため、個人で我慢するだけでは解決しないことも少なくありません。部署の上司や人事部に相談し、職場環境の改善を会社に求めることも大切です。
ハラスメント研修の実施や働き方の見直しなど、組織としての対応につながることもあります。
外部機関へ相談する
社内での解決が難しい場合は、外部機関への相談も検討しましょう。会社の中だけで解決しようとすると、立場の関係で対応が進みにくいこともあります。
例えば、労働局の総合労働相談コーナーでは、職場のハラスメントに関して相談することが可能です。
専門の相談員が状況を聞き取り、どのような対応が考えられるのか助言を行います。
会社の外に相談先があると考えるだけでも、精神的な負担は軽くなります。社内で改善が見られない場合は、外部の相談窓口を利用することも一つの方法です。
関連記事:労働組合にはどんなことまで相談できる?相談事例や流れを解説
転職を視野に入れる
フキハラが長く続き、職場環境の改善が見込めない場合は、働く場所を変える選択肢も考えてみましょう。
どれだけ対処しても状況が変わらない職場では、精神的な負担が積み重なってしまいます。
職場の人間関係や雰囲気は、働きやすさに大きく影響します。我慢を続けることで心身の調子を崩してしまうケースも少なくありません。
自分に合った環境で働くことも大切な判断です。現在の職場だけにこだわらず、より働きやすい環境を探すという考え方も一つの対処法といえるでしょう。
フキハラには「距離を取る」だけでなく「歩み寄る」対処法もある
フキハラへの対処というと、距離を取る方法がよく紹介されます。確かに、感情に巻き込まれないためには一定の距離を保つことも大切です。
しかし、不機嫌な態度の背景には、仕事のストレスや悩みが隠れていることもあります。
そのため、状況によっては関係を避けるだけでなく、コミュニケーションを通じてフキハラを対策するのも方法の一つです。
相手との関係を大きく悪化させずに対応するための方法を紹介します。
- 休憩や雑談に誘って空気を変える
- 不機嫌になっている理由・悩みを聞く
- 業務の負担を一時的にサポートする
- 相手の立場や状況を理解する姿勢を持つ
休憩や雑談に誘って空気を変える
フキハラによって職場の空気が重くなっているときは、加害者を軽い休憩に誘ってみるのも方法の一つです。
タバコを吸う人であれば一緒にタバコ休憩に行ったり、コーヒーを飲みに誘ったりすると、気分転換につながる場合があります。
特に、不機嫌の原因が自分ではなく、仕事のストレスや個人的な事情である場合は、少し環境を変えるだけで気持ちが落ち着くことも少なくありません。
張り詰めた雰囲気が続くよりも、短い雑談や休憩がきっかけとなり、職場の空気が和らぐこともあるでしょう。
ただし、この方法が必ずうまくいくとは限りません。相手の状況やタイミングを見ながら、無理のない範囲で声をかけることが大切です。
不機嫌になっている理由・悩みを聞く
自分が原因ではない場合は、不機嫌になっている理由や悩みを聞いてみる方法もあります。
愚痴や悩みを誰かに話すだけでも、気持ちが落ち着く人は少なくありません。話を聞いてもらえたことで感情が整理され、不機嫌な態度が和らぐこともあります。
特に、悩みを聞いた後は不機嫌の矛先が自分に向かう状況も減りやすいでしょう。相手にとって「理解してくれる人」という認識が生まれるためです。
仕事のストレスが原因であれば、業務を一部手伝うことで負担を軽くできる場合もあります。
プライベートな事情が背景にあるなら、有給を取りやすいよう周囲でサポートするなどの対応も考えられるでしょう。
相手の状況を理解しようとする姿勢が、職場の空気を変えるきっかけになることもあります。
業務の負担を一時的にサポートする
仕事量が多い、毎日残業が続くといった状況が続くと、余裕がなくなり不機嫌な態度につながる人も少なくありません。
特に上司の立場になると責任のある業務が増え、自分だけが遅くまで仕事をしていると感じてストレスがたまりやすくなります。
部下が先に帰ることを理解していても、負担が集中すると気持ちに余裕がなくなることもあるでしょう。
もし仕事の負担が原因で不機嫌になっているのであれば、周囲がサポートすることで状況が改善する場合があります。
ただし、手伝うときは必ず「何をすればよいか」を確認することが大切です。
良かれと思って勝手に作業を進めると、やり方や進め方の違いから、かえって相手をいら立たせてしまうこともあります。
「手伝えることはありませんか」「今日は自分が対応するので早めに帰ってください」といった声かけから始めるとよいでしょう。
相手の立場や状況を理解する姿勢を持つ
誰でも不機嫌になるときはあります。仕事のプレッシャーや私生活の悩みなど、何かしらの事情を抱えている場合もあるでしょう。
まずは「何か理由があって機嫌が悪くなっているのかもしれない」と相手の気持ちを想像してみることも一つの方法です。
そう考えるだけでも、「今はそっとしておこう」「代わりにこの作業を引き受けよう」といった行動につながることがあります。
相手の状況を理解したうえで距離の取り方や接し方を調整すると、フキハラによるストレスを軽減しやすくなるでしょう。
状況に合わせて行動を変えることが、職場でうまく付き合うためのポイントです。
フキハラに関するよくある質問
フキハラに関するよくある質問を紹介します。
- フキハラには仕返しをしてもいい?
- フキハラは訴えることができる?
- フキハラされる人の特徴はある?
フキハラには仕返しをしてもいい?
フキハラを受けると、「同じように不機嫌な態度で返したい」と感じる人もいるでしょう。しかし、仕返しのような行動はおすすめできません。
感情的な対立が強まり、職場の人間関係がさらに悪化する可能性があるためです。
不機嫌な態度に対して同じ態度で返すと、周囲から見れば単なるトラブルに見えてしまいます。
その結果、どちらが悪いのか分かりにくくなり、問題が解決しにくくなることもあります。
フキハラに悩んでいる場合は、感情的に対抗するのではなく、距離を取る、記録を残す、相談窓口を利用するなど冷静な対処を心がけましょう。
関連記事:パワハラされた相手に仕返しする13の方法!やってはいけないことも紹介
フキハラは訴えることができる?
フキハラもハラスメントの一種であり、状況によっては訴えることも可能です。
例えば、継続的な不機嫌な態度によって強い精神的負担を受け、心身に不調が出たり、働き続けることが難しくなったりした場合は、パワハラなどの問題として扱われる可能性があります。
ただし、訴えるためにはフキハラによって症状が出ていることを示す必要があります。
医師の診断書や、フキハラの状況を記録したメモ、メールやチャットの履歴などが証拠として重要です。
一方で、「嫌な思いをした」という感覚だけでは法的に問題として認められません。
実際には、状況や証拠の内容によって判断が分かれます。訴えるかどうかを検討するときは、弁護士へ相談して見通しを確認すると安心です。
フキハラされる人の特徴はある?
フキハラは誰にでも起こり得ますが、影響を受けやすい人にはいくつかの傾向があります。例えば、次のような人です。
- 上司や先輩など、立場が上の人に強く言い返しにくい人
- 周囲に気を遣う性格で、自分が悪いのではないかと考えやすい人
- 職場の雰囲気を悪くしたくないと我慢してしまう人
- 報連相を頻繁に行うなど、加害者と接触する機会が多い人
ただし、これらに当てはまるからといって、その人に原因があるわけではありません。問題なのは、不機嫌な態度で周囲に心理的な負担を与える行為そのものです。
まとめ
フキハラ(不機嫌ハラスメント)は、ため息や無視、不機嫌な態度などによって周囲に心理的な負担を与える行為です。
本人に悪意がなくても、職場の雰囲気を悪化させてしまうことがあります。
対処法としては、距離を取る、状況を記録する、信頼できる人に相談するなどが有効です。
フキハラが続き仕事や心身に影響が出ている場合は、社内の相談窓口や外部機関の利用も検討しましょう。必要に応じて弁護士など専門家に相談することも大切です。