就活セクハラとは?具体例や対処法、相談先をわかりやすく解説

就活セクハラとは?具体例や対処法、相談先をわかりやすく解説
就活セクハラとは?具体例や対処法、相談先をわかりやすく解説

セクハラといえば社会人の問題というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし近年は、就活生に対する「就活セクハラ(就活セクシャルハラスメント)」が社会問題として注目されています。

就職活動では、企業の採用担当者やOB・OGなどと直接やり取りする場面が多くあります。

そのなかで、恋愛や結婚、外見などプライベートな内容を聞かれたり、食事や飲みに誘われたりするなど、不快に感じる言動を受けるケースも少なくありません。

就活セクハラは、採用選考という立場の差を背景に起きやすく、就活生が断りづらい状況に置かれがちです。選考への影響を気にして、その場で強く拒否できない人も多いでしょう。

本記事では、就活セクハラの具体例や被害を受けたときの対処法、相談できる窓口を解説します。就職活動中のトラブルに備え、基本的な知識を整理しておきましょう。

本記事の結論

・就活セクハラとは、就職活動中の学生に対して行われる性的な言動や不適切な対応のことです。
・就活セクハラの具体例は、恋人の有無や結婚予定を聞かれる、容姿や外見について言及される、食事や飲みに誘われる、不必要な身体接触をされる、性的な関係を求められるなど
・就活セクハラを受けたときの対処法は、不適切な誘いには応じない、録音などをして内容を記録しておく、企業の相談窓口や採用担当に報告する、選考を辞退する

目次

就活セクハラ(セクシャルハラスメント)とは

就活セクハラとは、就職活動中の学生に対して行われる性的な言動や不適切な対応のことです。

採用担当者や社員、OB・OGなど、企業側の立場にある人から就活生へ向けて行われるケースが多いとされています。

まずはどのような行為が就活セクハラに当たるのかを理解しておくことが大切です。

  • 就活中にセクハラされたことがある人は約50%
  • 就活セクハラは誰から受けることが多い?
  • 就活セクハラが起きやすい場面

就活中にセクハラされたことがある人は約50%

株式会社KiteRaの調査によると、就職活動中に採用担当者からセクハラに該当する言動や、不快・不適切だと感じる言動を受けた経験があるかを尋ねたところ、「ある」と回答した人は49.9%でした。

就活生の約2人に1人が、何らかの不快な言動を経験している計算になります。

内訳を見ると、「明確なセクハラに当たる言動を受けた」と回答した人は22.8%、「セクハラか判断に迷うグレーゾーンの言動を受けた」と答えた人は27.1%でした。

はっきりとしたセクハラだけでなく、判断に迷う言動も含めると、多くの就活生が不快な経験をしていることがわかります。

この結果からも、就活セクハラは決して一部の人だけの問題ではなく、就職活動の現場で広く起きている可能性があると言えるでしょう。

就活セクハラは誰から受けることが多い?

令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、就活セクハラの行為者は採用面接担当者だけではありません。

OB・OG訪問やリクルーター、企業説明会の担当者など、就職活動のさまざまな場面で関わる人物から受けていることがわかっています。

特に多いのは、OB・OG訪問を通じて知り合った従業員やリクルーターです。採用面接以外の場面でもセクハラが起きていることが、この調査から読み取れます。

行為者 割合(%)
大学のOB・OG訪問を通して知り合った従業員 38.3
学校・研究室等へ訪問した従業員、リクルーター 37.0
採用面接担当者 25.1
志望先企業の役員 22.6
企業説明会の担当者 21.7
SNSや就活マッチングアプリを通じて知り合った志望先企業の従業員 17.4

また、インターンシップ中に就活セクハラを受けたケースでは、「インターン先で知り合った従業員」が47.4%と最も多い結果でした。

このように、面接だけでなくOB訪問やインターンシップ、就活イベントなど、さまざまな場面でセクハラが起きる可能性があります。

就職活動では複数の社員と接点を持つため、どの場面でも注意が必要です。

就活セクハラが起きやすい場面

令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、就活セクハラは面接だけでなく、さまざまな就活の場面で起きています。

特に多いのは、リクルーターと会ったときや、内々定を受けた後など、企業との関係が深くなった段階です。

調査結果は次のとおりです。

就活セクハラが起きた場面 割合(%)
リクルーターと会ったとき 32.8
内々定を受けた後 26.0
内々定を受けたとき 23.8
SNSや就活マッチングアプリを通じて志望先企業の従業員とやり取り・相談をしていたとき 23.8
志望先企業の従業員との酒席の場 20.4
就職採用面接を受けたとき 17.9
企業説明会やセミナーに参加したとき 17.4
大学のOB・OG訪問のとき 17.4

また、同調査では、セクハラが起きた企業の従業員規模を見ると「99人以下」が37.7%と最も多い結果でした。

中小企業や小規模な企業では、採用や面談が個人単位で行われるケースも多く、距離が近くなりやすいことが背景にあると考えられます。

就職活動では、企業の規模にかかわらず慎重に対応する姿勢が重要です。

就活セクハラ対策は2026年10月から企業の義務に

これまで就活セクハラについては、企業に明確な法的義務があるとは言えない状況でした。

しかし、就職活動中の学生に対するハラスメントが社会問題として指摘されるようになり、国も対策を強化しています。

厚生労働省の指針改正により、2026年10月から企業には就活セクハラ対策を行う義務が課されます。これは、職場で働く従業員だけでなく、就職活動中の学生も保護の対象とする仕組みです。

事業主には、主に次のような対応が求められます。

  1. 就活生に対するセクハラを禁止する方針を明確にし、社員へ周知する
  2. セクハラを行った社員には厳正に対応する方針と処分内容を社内に示す
  3. 面談やOB訪問など就職活動に関する対応ルールを定め、社員と就活生へ周知する
  4. 就活生が相談できる窓口をあらかじめ設置し、連絡先を知らせる
  5. 相談窓口の担当者が適切に対応できるよう、体制や教育を整える
  6. セクハラの相談があった場合、事実関係を速やかに確認する
  7. 被害を受けた就活生への配慮や支援を行う
  8. セクハラを行った社員に対して適切な処分や指導を行う
  9. 同じ問題が起きないよう再発防止策を講じる
  10. 相談内容や関係者のプライバシーを守る体制を整える
  11. 調査への協力や相談を理由に、不利益な扱いをしないことを社内に周知する

このように、企業には防止・相談対応・再発防止までを含めた体制づくりが求められます。

就活生を対象としたハラスメント対策が法的義務として明確化されることは、これまでとの大きな違いと言えるでしょう。

就活セクハラの具体例

就活セクハラは、明確に性的な言動だけでなく、恋愛や結婚などプライベートに踏み込む質問や、不必要に距離を縮めようとする行為も含まれる場合があります。

就職活動の場面で問題になりやすい就活セクハラの具体例を紹介します。

  • 恋人の有無や結婚予定を聞かれる
  • 容姿や外見について言及される
  • プライベートな質問を繰り返される
  • 食事や飲みに誘われる
  • 不必要な身体接触をされる
  • 個人的な連絡先を聞かれる
  • 性的な関係を求められる
  • 性的な言動を拒否したことで不利益な扱いを受ける

恋人の有無や結婚予定を聞かれる

就職活動の場面で、恋人の有無や結婚の予定など、プライベートな内容を質問されるケースがあります。

雑談のつもりで聞かれる場合もありますが、採用選考とは関係のない私生活についての質問は、就活セクハラに当たります。

例えば、「恋人はいるの?」「結婚する予定はある?」「結婚したら仕事はどうするの?」などの質問です。

特に女性に対して、結婚や出産の予定を聞く行為は、就職差別につながるおそれもあるため問題視されています。

採用面接では、本来、応募者の能力や適性、仕事への意欲などを確認することが目的です。

恋愛や結婚に関する話題は業務とは関係がないため、就活生が不快に感じた場合は無理に答える必要はありません。受け取り手が不快な思いをした場合は、就活セクハラに該当します。

容姿や外見について言及される

面接や面談の場で、容姿や外見について言及されるケースも就活セクハラに当たります。採用選考では本来、能力や適性、仕事への意欲などが評価の対象です。

外見についての発言は、選考とは関係がない場合がほとんどであり、不快に感じる人も少なくありません。

例えば、「かわいいね」「スタイルがいいね」といった発言や、「その髪型が好き」「見た目がタイプ」など、個人的な感想を伝える行為です。

冗談やその場を和ませるつもりであっても、性的なニュアンスを含む発言は問題視される可能性があります。

また、外見について繰り返しコメントされる場合や、必要以上に容姿を評価する発言が続く場合は、就活生に精神的な負担を与えるおそれがあります。

本人が不快だと感じる言動であれば、就活セクハラといえるでしょう。

プライベートな質問を繰り返される

面接の冒頭では、アイスブレイクとして趣味や最近の出来事など、軽い雑談をすることがあります。

求職者の緊張をほぐすことが目的であり、このような会話自体が問題になるわけではありません。

しかし、アイスブレイクを理由に必要以上にプライベートな質問を繰り返す場合は、就活セクハラと評価される可能性があります。

採用面接の本来の目的は、志望動機や経験、スキルなどを確認することです。仕事と関係のない私生活を深く聞かれると、不快に感じる人も少なくありません。

例えば、「休日は誰と過ごしているのか」「普段どこで遊んでいるのか」「一人暮らしなのか」などの質問を何度も聞かれるケースです。

最初は雑談のように見えても、私生活に踏み込む質問が続くと、就活生にとって大きなストレスになる場合があります。

また、答えた内容をきっかけに追加の質問を重ねられると、断りづらい状況に置かれることもあります。

就職活動では企業側が選考する立場にあるため、無理に話を合わせてしまう人もいるでしょう。

食事や飲みに誘われる

面接後やOB・OG訪問の後に、採用担当者や社員から食事や飲みに誘われるケースがあります。

企業研究の一環として社員と話す機会を設ける場合もあり、すべてが問題になるわけではありません。

しかし、選考とは関係のない個人的な食事や飲み会に誘われたり、断っているのに何度も誘われたりする場合は、就活セクハラに当たります。

特に「選考の参考にする」「他の就活生には内緒」などと言われると、断りづらい状況になる人もいるでしょう。

採用担当者や社員との関係性によっては、就活生が断ることに不安を感じる場合もあります。

就職活動では、企業側が評価する立場にあるため、誘いを断ると選考に影響するのではないかと心配になる人も少なくありません。

こうした立場の差を利用して食事や飲みに誘う行為は、就活セクハラです。

不必要な身体接触をされる

面接や面談、インターンなどの場面で、不必要な身体接触をされるケースもあります。就職活動では基本的に業務上の関係で接するため、身体に触れる必要はほとんどありません。

そのため、意図的に身体へ触れる行為は就活セクハラに当たります。

例えば、肩や背中に触れられる、握手を必要以上に長く続けられる、距離を詰めて体に触れるといった行為です。

軽いスキンシップのつもりであっても、就活生が不快に感じれば問題になります。

また、写真撮影や記念撮影などを理由に体に触れるケースもあります。選考とは関係のない場面で身体接触がある場合は、注意が必要です。

このような行為は、就活生に恐怖や不安を与えるおそれがあります。少しでも違和感を覚えた場合は、無理に我慢せず距離を取るなど、自分の身を守る行動をとることが大切です。

個人的な連絡先を聞かれる

面接やOB・OG訪問、インターンなどの場面で、社員から個人的な連絡先を聞かれるケースもあります。

就職活動では、企業からの連絡は通常、採用担当のメールアドレスや企業の連絡先を通じて行われます。そのため、選考とは関係のない個人的な連絡先を求められた場合は注意が必要です。

例えば、「個人的に連絡したいからLINEを教えてほしい」「プライベートの連絡先を交換しよう」といった形で、SNSやメッセージアプリのアカウントを聞かれるケースです。

採用に関する連絡を理由に求められることもありますが、企業の正式な連絡手段ではない場合、トラブルにつながるおそれがあります。

特に、個人のスマートフォンやSNSでやり取りを始めると、就職活動とは関係のない連絡が送られてくるケースがほとんどです。

採用とは関係のない目的で連絡先を聞かれる場合は、無理に応じる必要はありません。

性的な関係を求められる

就活セクハラの中でも特に深刻なのが、性的な関係を求められるケースです。

採用担当者や社員が、選考や内定をほのめかしながら不適切な関係を持とうとする行為は、明確なセクハラに当たります。

例えば、「付き合ってくれたら内定に近づくかもしれない」「今度二人きりで会おう」などと、選考と引き換えのような形で関係を求められるケースです。

直接的な言い方ではなく、曖昧な表現で誘われる場合もあります。

就職活動では企業側が評価する立場にあるため、就活生が断りづらい状況に置かれることもあります。しかし、採用と引き換えに性的な関係を求める行為は、明らかに不適切です。

このような言動を受けた場合は、一人で抱え込まず、大学のキャリアセンターや相談窓口などへ相談することが大切です。

状況によっては、企業へ報告したり、専門機関へ相談したりすることも検討しましょう。

性的な言動を拒否したことで不利益な扱いを受ける

就活セクハラでは、性的な言動を拒否したことで選考に不利益が生じるケースも問題になります。

いわゆる「対価型セクハラ」と呼ばれるもので、拒否したことを理由に評価を下げたり、選考を打ち切ったりする行為です。

例えば、食事や個人的な誘いを断った後に態度が急に冷たくなる、面接での評価が不自然に低くなる、突然連絡が来なくなるといったケースがあります。

また、「協力的じゃないと難しいかもしれない」といった発言で、暗に選考への影響を示唆される場合もあります。

採用選考は、本来、能力や適性、意欲などを基準に判断されるべきものです。性的な誘いや言動への対応によって評価を変える行為は、就活セクハラに当てはまります。

就活セクハラの実際の事例

就活セクハラは、面接やOB・OG訪問、インターンなど、さまざまな場面で起きています。

表面上は雑談や企業研究の機会のように見えても、立場の差を利用した不適切な言動が問題になるケースも少なくありません。

就職活動の場面で報告されている就活セクハラの事例を紹介します。どのような状況で問題が起きるのかを知っておくと、トラブルに気づきやすくなります。

  • 選考に関係のない質問やメールをされた事例
  • OB訪問をきっかけにわいせつ行為を受けた事例
  • インターンシップをきっかけに性的暴行を受けた事例

選考に関係のない質問やメールをされた事例

就職活動中の面接で、選考とは関係のない質問や発言を受けたという事例があります。

ある学生は面接の場で、「なぜ恋人を作らないのか」「うちの会社でスタイルNo.1だね」「女性を武器にするタイプなのか」など、仕事とは関係のない内容を次々と聞かれました。

さらに、面接が終わった後には「食事をしながら最終面接のアドバイスをする」といったメールが届き、個人的に会うよう誘われたそうです。

このように、面接で恋愛や外見について質問されたり、面接後に個人的な食事へ誘われたりするケースは、就活セクハラです。

採用選考で私生活や外見に関する話題が持ち出される場合は、注意しましょう。

OB訪問をきっかけにわいせつ行為を受けた事例

就職活動中のOB訪問をきっかけに、わいせつ被害に遭った事例です。

警視庁は、就活中の女子大学生にわいせつ行為をした疑いで、大手ゼネコン社員の男を逮捕しました。

2人は、社会人と学生をつなぐOB訪問アプリを通じて知り合いました。このアプリでは、学生がプロフィールを見て会いたい社会人を選び、就活のアドバイスを受けられるサービスです。

社員の男は「就活の相談に乗る」として女子大学生を喫茶店に呼び出しました。

面接対策の資料をパソコンで見せながら説明すると持ちかけ、パソコンがある場所へ移動するよう提案したとされています。

しかし、案内されたのは会社の事務所ではなく、男の自宅マンションでした。そこで女子大学生は襲われ、わいせつな行為を受けたと報じられています。

このように、OB訪問や就活相談をきっかけに学生を呼び出し、不適切な行為に及ぶケースも少なくありません。

就活セクハラは、面接だけでなくOB訪問や就活アプリなど、さまざまな場面で起きる可能性があるため注意が必要です。

インターンシップをきっかけに性的暴行を受けた事例

インターンシップを通じて知り合った社員との関係がきっかけで、就活生が性的被害を受けた事例です。

ある企業のインターンシップに参加していた女子大学生が、社員から「就職活動の相談に乗る」などと誘われ、後日2人で会うことになりました。

最初は喫茶店で面会し、その後、居酒屋で深夜まで飲酒したそうです。その後、社員は大学生の自宅に上がり込み、性的暴行を加えた疑いが持たれています。

一方、大学生は「帰ってほしいと思っていたが、志望している企業の社員であり、就職活動の相談もしていたため断りづらかった」と話しています。

このように、インターンシップや就活相談をきっかけに企業の社員と個人的に会う状況が生まれることも少なくありません。

立場の違いから断りにくい状況になりやすく、就活セクハラにつながるケースもあるため注意が必要です。

就活セクハラを受けたときの対処法

就活セクハラを受けた場合、「選考に影響するのではないか」と不安を感じ、我慢してしまう人も少なくありません。

しかし、不適切な言動を受けたときは無理に受け入れる必要はありません。状況に応じて適切に対応することが大切です。

就活セクハラを受けたときに取るべき対処法を紹介します。

  • 不快だと感じた場合ははっきり断る
  • 不適切な誘いには応じない
  • 録音などをして内容を記録しておく
  • 企業の相談窓口や採用担当に報告する
  • 選考を辞退する

不快だと感じた場合ははっきり断る

就活中に不適切な質問や誘いを受けた場合は、不快に感じていることをはっきり伝えることが大切です。

相手は軽い冗談や雑談のつもりで発言している場合もありますが、本人が不快だと感じれば就活セクハラに当たる可能性があります。

例えば、恋愛やプライベートに関する質問をされた場合は、「その質問にはお答えできません」「就職活動に関係のある内容についてお話しできればと思います」など、落ち着いて伝えましょう。

食事や個人的な面会に誘われた場合も、無理に応じる必要はありません。

就職活動では企業側が評価する立場にあるため、断ることに不安を感じる人も多いでしょう。

しかし、不適切な言動に対しては無理に合わせる必要はありません。自分の気持ちを守ることを優先しましょう。

不適切な誘いには応じない

就活セクハラでは、食事や飲み会などに誘われるケースが少なくありません。

企業説明会やインターンの懇親会など、採用活動の一環として行われる場合もありますが、個人的な関係を前提とした誘いには注意が必要です。

例えば、「最終面接のアドバイスをする」「他の学生には教えていない情報を話す」などと言われ、個別の食事や飲みに誘われるケースがあります。

採用と関係があるように見せて誘う場合もあるため、慎重に判断することが大切です。

また、夜遅い時間の面会や、個室の飲食店、自宅などで会うよう提案された場合は特に注意が必要です。採用活動として適切とは言えませんので、就活セクハラに遭う可能性があります。

このような誘いを受けた場合は、無理に応じる必要はありません。企業の公式な面談や説明会など、採用活動として明確な場でのみやり取りするようにすると、トラブルを避けやすくなります。

録音などをして内容を記録しておく

就活セクハラを受けた場合は、どのような言動があったのかを記録しておくことが重要です。

後から大学のキャリアセンターや相談窓口に相談する際、具体的な証拠があると状況を説明しやすくなります。

例えば、面接やOB訪問の際の会話をスマートフォンで録音したり、メールやSNSのやり取りをスクリーンショットで保存したりすることです。

録音が難しい場合でも、日時や場所、誰からどのような発言をされたのかをメモとして残しておいても良いでしょう。

KiteRaの調査によると、面接やOB訪問の場面で相手の許可を得ずに録音したり、やり取りを記録したりした経験があると答えた人は41.2%でした。

近年は就活セクハラへの関心が高まっており、トラブルに備えて会話や連絡内容を残す就活生も増えていると考えられます。

不適切な言動を受けた場合に備え、録音やスクリーンショットなどで記録を残しておくと、後に証拠として提出できる可能性があります。

就職活動ではトラブルを未然に防ぐことも大切ですが、万が一の事態に備えて記録を残す意識を持つことも重要です。

企業の相談窓口や採用担当に報告する

就活セクハラを受けた場合は、企業の相談窓口や採用担当に報告する方法もあります。多くの企業では、ハラスメントに関する相談窓口やコンプライアンス窓口を設けています。

採用担当者とは別に相談窓口が設置されているため、企業の公式サイトなどで確認してみるとよいでしょう。

相談窓口に連絡することで、企業側が事実関係を調査し、必要に応じて対応を行う場合があります。

また、企業にとっても就活セクハラは重大な問題です。採用活動の信頼性に関わるため、相談を受けて再発防止の取り組みが行われることもあります。

もし不適切な言動を受けた場合は、一人で抱え込まず、企業の窓口や採用担当へ状況を伝えることも検討しましょう。記録や証拠がある場合は、あわせて提出すると説明がしやすくなります。

選考を辞退する

就活セクハラを受けた場合、その企業の選考を辞退するという判断も一つの方法です。

不適切な言動を受けた企業で働くことに不安を感じる場合、無理に選考を続ける必要はありません。

採用担当者や社員の対応は、その企業の職場環境や企業文化を反映している可能性があります。

面接やOB訪問の段階で違和感を覚える対応があった場合は、入社後も同じような問題が起きることも少なくありません。

就職活動では「せっかくここまで進んだから」と考えてしまうこともあります。

しかし、安心して働ける環境かどうかは重要な判断材料です。就活セクハラのような問題があった場合は、無理に選考を続けず、別の企業を検討することも選択肢の一つです。

就活セクハラを受けたときに相談できる窓口

就活セクハラを受けた場合、一人で抱え込まず相談することが大切です。

就職活動では企業側が選考する立場にあるため、「相談すると選考に影響するのではないか」と不安に感じる人もいるでしょう。

しかし、第三者へ相談することで状況を整理できたり、適切な対応方法を知ることができたりします。

就活セクハラを受けたときに相談できる窓口を紹介します。

  • 大学のキャリアセンター
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナー」
  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)
  • みんなの人権110番
  • 弁護士

大学のキャリアセンター

就活セクハラを受けた場合、まず相談しやすい窓口の一つが大学のキャリアセンターです。

キャリアセンターは学生の就職活動を支援する部署であり、企業との関係や採用活動の実情にも詳しいため、具体的なアドバイスを受けられます。

就職活動の相談で日頃から利用している学生も多く、外部の機関に比べて相談しやすいことも特徴です。

面接やOB訪問で不適切な言動を受けた場合、状況を伝えることで今後の対応について助言を受けられます。

状況によっては、大学から企業へ連絡を行い、事実確認や注意喚起をしてくれる場合もあるでしょう。

また、キャリアセンターには就職活動に関する相談が多く寄せられているため、過去の事例を踏まえた対応方法を教えてもらえることもあります。

就活セクハラを受けたときは一人で抱え込まず、まず大学のキャリアセンターに相談することも検討しましょう。

厚生労働省「総合労働相談コーナー」

総合労働相談コーナーは、労働問題やハラスメントに関する相談を無料で受け付けている公的な窓口です。

各都道府県の労働局や労働基準監督署などに設置されており、電話や対面で相談できます。

企業でのハラスメントや労働条件に関するトラブルについて、専門の相談員が話を聞き、解決に向けたアドバイスを行います。

就活セクハラの場合でも、状況を説明すれば、どのように対応すればよいのか、どの窓口に相談すべきかといった助言を受けることが可能です。

必要に応じて、関係機関を紹介してもらえる場合もあります。

相談は匿名でも行えるため、企業名を知られたくない場合でも利用しやすい窓口です。

大学以外の公的機関へ相談したいときは、総合労働相談コーナーの利用も検討するとよいでしょう。

都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)

就活セクハラについては、各都道府県労働局に設置されている「雇用環境・均等部(室)」へ相談することも可能です。

ここでは、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなど、職場のハラスメントに関する相談を受け付けています。

就職活動中の学生であっても、企業の社員から不適切な言動を受けた場合は利用して問題ありません。状況を伝えることで、今後どのように対応すればよいのかについて助言を受けられます。

また、必要に応じて企業へ事実確認や指導が行われる場合もあります。個人で企業に直接伝えることに不安を感じる場合でも、公的機関を通して相談できることが特徴です。

就活セクハラに関するトラブルは一人で抱え込みやすい問題です。大学以外の相談先を探している場合は、都道府県労働局の窓口へ相談することも検討しましょう。

みんなの人権110番

就活セクハラは、人権侵害として相談できる場合もあります。そのようなときは、法務省が設置している相談窓口「みんなの人権110番」を利用しましょう。

みんなの人権110番は、いじめや差別、ハラスメントなど人権に関する問題について相談できる窓口です。

電話で相談でき、専門の相談員が話を聞き、必要に応じて助言や関係機関への案内を行います。

企業の社員から性的な言動を受けたり、不適切な対応をされたりした場合でも、人権問題として相談できる可能性があります。

企業へ直接伝えることに不安がある場合や、第三者に状況を聞いてほしい場合にも利用しやすい窓口です。

一人で悩みを抱え込まず、公的な相談窓口を活用することも検討しましょう。

弁護士

就活セクハラによって精神的な被害を受けた場合や、企業の対応に納得できない場合は、弁護士に相談する方法もあります。

法律の専門家に相談することで、どのような対応が可能なのか、法的に問題があるのかなどを具体的に確認できます。

例えば、企業への対応方法について助言を受けたり、状況によっては慰謝料請求などの法的手続きを検討したりすることも可能です。

ただし、就活セクハラの場合、最初から弁護士へ相談するケースはそれほど多くありません。

まずは大学のキャリアセンターや公的な相談窓口などに相談し、その対応に納得できない場合や被害が大きい場合に、弁護士への相談を検討するという流れでもよいでしょう。

就活セクハラは一人で対応しようとすると負担が大きくなる場合があります。状況に応じて相談先を選びながら、必要に応じて法律の専門家のサポートを受けることも検討してください。

就活セクハラを受けないために心がけること

就活セクハラは、誰にでも起こり得る問題です。特に就職活動では、企業側が選考する立場にあるため、就活生が断りづらい状況になりやすいという特徴があります。

就職活動の中で就活セクハラを避けるために意識しておきたいポイントを紹介します。

  • 企業が就活セクハラ防止に取り組んでいるか確認する
  • 企業の評判や口コミを事前に確認する
  • OB訪問や面談は1対1を避ける
  • 就活セクハラが起こる可能性を想定して行動する

企業が就活セクハラ防止に取り組んでいるか確認する

就職活動では、企業が就活セクハラ防止に取り組んでいるかを確認することも大切です。近年は、採用活動におけるハラスメント対策を公表する企業も増えています。

例えば、企業の採用ページやサステナビリティページで、ハラスメント防止方針や相談窓口の設置について説明しているか確認しましょう。

採用活動のルールや学生への配慮について明記している企業であれば、就活セクハラへの意識が高い可能性があります。

また、就活セクハラだけでなく、パワハラやセクハラなど職場全体のハラスメント対策にしっかり取り組んでいる企業かどうかも確認しておくとよいでしょう。

社内のハラスメント対策が整っている企業は、採用活動においても学生への配慮が行われている可能性が高いと考えられます。

企業の評判や口コミを事前に確認する

就職活動では、企業の評判や口コミを事前に確認しておくことも有効です。

実際に働いている人や、過去に選考を受けた人の体験談から、採用活動の雰囲気や企業文化を知る手がかりになる場合があります。

例えば、就職活動の口コミサイトや企業レビューサイトでは、面接の様子や社員の対応について書かれていることがあります。

「面接で不適切な質問があった」「OB訪問で個人的な誘いを受けた」といった内容が複数見られる場合は、注意したほうがよいでしょう。

ただし、口コミの内容がすべて事実とは限らないため、情報は一つだけで判断せず、複数の情報源を参考にすることが大切です。

説明会での対応や社員の態度などもあわせて確認すると、企業の雰囲気をより把握しやすくなります。

OB訪問や面談は1対1を避ける

OB訪問や社員との面談では、できるだけ1対1の状況を避けることも就活セクハラの予防につながります。個室や密室での面談はトラブルが起きやすいため、注意が必要です。

例えば、面談場所はカフェや企業のオフィスなど、人目のある場所を選ぶと安心です。

就活イベントや大学のOB訪問制度を利用すれば、複数の学生が参加する形式になることもあり、トラブルのリスクを下げられます。

また、夜遅い時間の面談や飲酒を伴う場は避けたほうがよいでしょう。就職活動に関する相談であっても、深夜までの飲み会や個室での面会は不適切な状況になりやすいと考えられます。

就活セクハラが起こる可能性を想定して行動する

就職活動では、就活セクハラが起こる可能性を想定して行動することも大切です。

すべての企業や社員が問題を起こすわけではありませんが、万が一のトラブルに備えておくと冷静に対応しやすくなります。

OB訪問や面談の予定を家族や友人に共有しておく、面談場所は人目のある場所を選ぶ、やり取りはメールなど記録が残る方法で行うといった対策が考えられます。

就職活動では企業側が評価する立場にあるため、無理をしてしまう就活生も少なくありません。しかし、自分の安全や安心を優先することが大切です。

事前に対策を考えておくことで、万が一トラブルが起きた場合でも落ち着いて対応しやすくなります。

就活セクハラに関するよくある質問

就活セクハラに関するよくある質問を紹介します。

  • 就活セクハラは法律で禁止されている?
  • 就活セクハラ対策の義務化はいつから?
  • 就活セクハラに関する法改正の内容は?

就活セクハラは法律で禁止されている?

就活セクハラを直接禁止する法律は定められていません。

ただし、性的な言動によって精神的な苦痛を与えたり、採用を条件に不適切な関係を求めたりする行為は、状況によっては不法行為として責任を問われる可能性があります。

また、強制わいせつや不同意性交などの行為に該当する場合は、刑事事件として処罰の対象です。

実際に、就活生に対する性的な行為を理由に社員が逮捕された事件も報道されています。

就活セクハラ対策の義務化はいつから?

就活セクハラ対策は、2026年10月から企業の義務になります。

これは、男女雇用機会均等法の指針が改正されることにより、企業に対して求職者へのセクハラ防止措置が求められるようになったためです。

これまで企業は、主に従業員に対するセクハラ防止措置を講じる義務がありました。

しかし、就職活動中の学生に対するハラスメントも社会問題として注目されるようになり、求職者も保護の対象として明確に位置づけられることになりました。

就活セクハラに関する法改正の内容は?

就活セクハラへの対策強化を目的として、男女雇用機会均等法の指針が改正されました。これにより、企業は求職者に対するセクハラを防止するための措置を講じる必要があります。

具体的には、求職者に対するセクハラを行ってはならないという方針を明確にし、社員へ周知することです。

また、採用活動に関するルールをあらかじめ定め、社員や求職者へ知らせることも重要です。

さらに、相談窓口を設置して求職者からの相談に対応できる体制を整えることや、問題が起きた場合に事実関係を確認し、被害者への配慮や再発防止の措置を取ることも求められます。

まとめ

就活セクハラは、面接やOB訪問、インターンシップなど、就職活動のさまざまな場面で起こる可能性があります。

恋愛や外見に関する質問、個人的な食事への誘い、身体接触など、選考とは関係のない言動は就活セクハラです。

近年は社会問題として注目されており、2026年10月からは企業に対して就活セクハラ対策を行う義務も課される予定です。

もし就活セクハラを受けた場合は、一人で抱え込まず対応することが大切です。録音やメモなどで状況を記録したうえで、大学のキャリアセンターや公的な相談窓口へ相談するとよいでしょう。

就職活動では企業側が評価する立場にあるため、断りづらい場面もあるかもしれません。しかし、安心して就職活動を進めるためにも、正しい知識を知っておくことが重要です。

退職代行でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

退職のお悩みを一人で解決するのは心身ともに負担が大きいです。ぜひ、専門家にご相談ください。

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