
無期雇用派遣として働いているものの、「今の派遣先を辞めたい」「別の仕事に転職したい」と考えている人もいるでしょう。無期雇用派遣は一般的な登録型派遣とは雇用契約の仕組みが異なるため、誰に退職を伝えればよいのか、いつまでに申し出ればよいのか分かりにくいことがあります。
結論からいうと、無期雇用派遣でも派遣元との雇用契約を終了して退職することは可能です。ただし、派遣先との契約が終わることと、派遣元を退職することは別なので、手続きの違いを理解しておく必要があります。
この記事では、無期雇用派遣の辞め方や退職までの流れ、退職を伝えるタイミングを解説します。辞める際の注意点や、派遣元から引き止められて辞めさせてもらえない場合の対処法についても紹介するため、退職を検討している人は参考にしてください。
目次
無期雇用派遣は辞められる?正社員との違いも解説
無期雇用派遣で働いている人も、派遣元との雇用契約を終了して退職できます。「無期」と付いているため辞められない働き方だと誤解されることがありますが、無期とは雇用期間に期限が設けられていないという意味です。
無期雇用派遣でも派遣元との雇用契約を終了して退職できる
無期雇用派遣であっても、本人が退職を希望すれば派遣元との雇用契約を終了できます。無期雇用という言葉は「一度働き始めたら辞められない」という意味ではありません。
ただし、実際に退職する際は、派遣元が定めている就業規則や退職手続きに沿って進めるのが基本です。たとえば、「退職希望日の1か月前までに申し出る」といったルールが設けられている場合があります。
退職を考え始めた段階で、まず雇用契約書や就業規則を確認しておくと、その後の手続きをスムーズに進めやすくなります。特に次の勤務先が決まっている場合は、退職日がずれると転職先への入社にも影響するため注意が必要です。
無期雇用派遣だから退職できないということはありません。通常の会社員と同じように、必要な手続きを踏んで退職することができます。
無期雇用派遣は派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結ぶ働き方
無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結び、派遣会社から紹介された職場で働く形態です。一般的な登録型派遣では、派遣先で働く期間に合わせて派遣会社との雇用契約を結ぶケースがありますが、無期雇用派遣では原則として雇用期間の終了時期があらかじめ決められていません。
そのため、ひとつの派遣先で仕事が終了しても、すぐに派遣会社との雇用契約が終了するとは限りません。派遣元との雇用関係を維持したまま、別の派遣先を紹介される場合があります。
無期雇用派遣は、派遣先が変わっても派遣会社との雇用関係を継続しやすいのが特徴です。その一方で、「今の職場から離れたいだけなのか」「派遣会社そのものを退職したいのか」によって必要な対応が異なります。
退職について派遣元へ相談する際は、現在の派遣先だけを変更したいのか、派遣元との雇用契約自体を終了したいのかを明確に伝えることが重要です。
正社員との違いは派遣先ではなく派遣元の会社に雇用されている点
無期雇用派遣と一般的な正社員の大きな違いは、実際に働いている職場と雇用主が異なる点です。無期雇用派遣では、毎日勤務している派遣先の企業ではなく、派遣会社である派遣元と雇用契約を結んでいます。
たとえばA社という派遣会社に雇用され、B社という企業へ派遣されて働いている場合、雇用主はA社です。そのため、退職の意思を正式に伝える相手も、基本的にはB社ではなくA社になります。
| 項目 | 無期雇用派遣 | 一般的な正社員 |
|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣元の会社 | 勤務している会社 |
| 実際の勤務先 | 派遣先企業 | 雇用されている会社 |
| 業務上の指示 | 主に派遣先から受ける | 勤務先の上司などから受ける |
| 退職の意思を伝える相手 | 派遣元 | 雇用されている会社 |
日頃は派遣先の担当者と接する時間のほうが長いため、最初に派遣先へ退職を伝えたくなるかもしれません。しかし、雇用契約に関する手続きは派遣元が行います。
退職したい場合は、まず派遣元の担当者や上司へ相談するのが基本です。
派遣先との契約が終了しても派遣元との雇用契約がすぐ終了するわけではない
現在の派遣先で働くことをやめることと、派遣元を退職することは同じではありません。ここを混同すると、退職手続きを進める際に認識のずれが生じる可能性があります。
たとえば現在の派遣先との派遣契約が終了しても、無期雇用派遣であれば派遣元との雇用契約は続くことがあります。その後、派遣元から別の派遣先を案内されるケースもあります。
一方、「派遣の働き方自体をやめたい」「別の会社へ転職したい」のであれば、派遣元との雇用契約を終了する手続きが必要です。
現在の職場を変えたいだけであれば、すぐに退職を選ぶ必要がない場合もあります。職場環境や仕事内容に不満がある場合は、派遣先の変更で問題を解決できないか派遣元へ相談するのもひとつの方法です。
無期雇用派遣の辞め方と退職までの流れ
無期雇用派遣を辞める場合は、派遣先へ直接退職を申し出るのではなく、雇用主である派遣元を通して手続きを進めるのが基本です。具体的には、規則の確認から退職の申し出、引き継ぎ、書類の受け取りまで順番に進めます。
派遣元の就業規則や雇用契約書で退職に関するルールを確認する
退職を決めたら、最初に派遣元の就業規則や雇用契約書を確認しましょう。会社によって退職を申し出る期限や申請方法が異なるためです。
たとえば、「退職日の30日前までに申し出る」「所定の退職届を提出する」などのルールが記載されていることがあります。社内システムから申請する会社もあるため、手続き方法まで確認しておくと安心です。
特に確認しておきたいのは、次のような項目です。
- 退職を申し出る期限
- 退職を申し出る相手
- 退職届の提出が必要か
- 有給休暇の申請方法
- 会社から借りている物の返却方法
就業規則がどこにあるか分からない場合は、派遣元の担当者や人事担当者へ確認しましょう。あらかじめルールを把握しておけば、余計なトラブルを避けやすくなります。
派遣先ではなく雇用主である派遣元の担当者や上司に退職の意思を伝える
退職を正式に決めたら、派遣元の担当者や上司に意思を伝えます。派遣先企業は実際の勤務場所ではありますが、雇用主ではありません。
派遣先へ先に「辞めます」と伝えてしまうと、派遣元が退職の事実を把握しておらず、派遣先との調整が混乱する可能性があります。まず派遣元へ連絡し、派遣先への伝え方についても指示を受けるのがよいでしょう。
退職を伝える際には、「辞めようか迷っています」という相談なのか、「退職すると決めています」という意思表示なのかを明確にすると話が進みやすくなります。
すでに退職を決めているのであれば、退職希望日もあわせて伝えると、その後の日程を調整しやすくなります。
派遣元と相談して退職日や派遣先での最終出勤日を決める
退職の意思を伝えた後は、派遣元と話し合いながら退職日を決めます。同時に、現在の派遣先へいつまで出勤するのかも調整することになります。
派遣元は派遣先との契約状況や引き継ぎなどを確認したうえで、最終出勤日を調整することがあります。そのため、自分だけで「今日で派遣先への出勤を終える」と決めるのは避けたほうがよいでしょう。
転職先が決まっている場合は、次の会社への入社日も伝えておくと調整しやすくなります。また、有給休暇を消化したいのであれば、最終出勤日と退職日が異なることもあります。
「最終出勤日」と「正式な退職日」は必ずしも同じ日ではありません。有給休暇の利用を考えている人は特に注意しましょう。
必要に応じて退職届を派遣元へ提出する
派遣元のルールに従い、必要であれば退職届を提出します。会社によっては紙の書類ではなく、社内システムやWebフォームから退職手続きを行う場合もあります。
なお、退職届と退職願は名称が似ていますが、一般的には意味合いが異なります。退職願は「退職させてほしい」と願い出る書類として使われることがあり、退職届は退職の意思を届け出る書類として扱われることがあります。
ただし、実際の運用は会社によって異なるため、「どちらを出すべきか」を自分で判断する必要はありません。派遣元に指定された書式や方法があるなら、それに従って提出しましょう。
書類を提出する場合は、提出日や退職希望日などに間違いがないか確認してから提出してください。
派遣先で業務の引き継ぎや貸与品の返却を行う
退職日まで通常どおり勤務しながら、必要に応じて仕事の引き継ぎを進めます。派遣先の業務を途中で担当している場合は、後任者が困らないように仕事内容や進捗状況をまとめておくとよいでしょう。
また、派遣先や派遣元から借りている物がある場合は返却が必要です。社員証や入館証、パソコン、スマートフォン、制服、資料などが対象になることがあります。
特にパソコンや書類には、派遣先の機密情報や顧客情報が含まれている可能性があります。自宅へ持ち帰っている資料などがあれば、忘れずに返却してください。
退職時には、貸与品の返却と業務データの取り扱いを派遣元・派遣先の指示に従って行うことが大切です。
退職後に離職票や源泉徴収票などの必要書類を受け取る
退職した後は、派遣元から必要な書類を受け取ります。退職後すぐに次の会社へ入社する場合と、しばらく転職活動をする場合では必要な書類が異なることがあります。
代表的な書類には、次のようなものがあります。
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 離職票
- 退職証明書
失業等給付の手続きをする予定がある場合は、離職票が必要になることがあります。また、年内に転職した場合には、新しい勤務先から年末調整のために源泉徴収票の提出を求められることがあります。
いつ、どのような方法で書類が届くのかについては、退職前に派遣元へ確認しておくと安心です。
無期雇用派遣を辞めると伝えるタイミングはいつがいい?
退職を伝える時期については、派遣元の就業規則を最初に確認することが重要です。法律上の扱いだけで判断するのではなく、引き継ぎや派遣先との調整も考え、できるだけ余裕を持って申し出るとスムーズです。
まずは派遣元の就業規則に定められた退職申出の期限を確認する
無期雇用派遣を辞めようと考えたら、派遣元が定めている退職申出の期限を確認しましょう。「退職希望日の1か月前まで」など、会社独自のルールが定められている場合があります。
派遣元としては、本人から退職の申し出を受けた後、派遣先との調整や後任者の手配などを行う必要があります。そのため、一定の申し出期間を設けている会社は珍しくありません。
また、就業規則だけでなく、入社時に受け取った雇用契約書や労働条件通知書なども確認してみてください。退職に関する取り扱いが記載されている場合があります。
ルールが分からない場合は、担当者に「退職を検討している場合、何日前までに申し出る必要がありますか」と確認する方法もあります。
引き継ぎ期間を考えて1か月前など余裕を持って伝える
実際の退職では、就業規則だけでなく、仕事の引き継ぎに必要な期間も考慮しましょう。特別な事情がなければ、退職希望日の1か月程度前など、余裕を持って相談すると手続きを進めやすくなります。
無期雇用派遣では、派遣元だけでなく派遣先との調整も必要になる可能性があります。後任者の手配や業務の引き継ぎに時間がかかる場合もあるため、早めに伝えたほうが関係者への負担を抑えられます。
ただし、具体的に何日前までに申し出るべきかは、勤務先や個別の事情によって異なります。「必ず1か月前でなければならない」と一律に考える必要はありません。
まず社内ルールを確認し、そのうえで可能な範囲で早めに相談すると考えておくとよいでしょう。
派遣先との契約期間中に辞めたい場合も早めに派遣元へ相談する
無期雇用派遣であっても、派遣先で働く期間について一定の予定が設定されている場合があります。その途中で退職したくなった場合も、まず派遣元へ相談しましょう。
派遣先との間に契約上の予定が残っているからといって、本人が絶対に退職できないという意味ではありません。一方で、突然勤務をやめると派遣元や派遣先に大きな影響が出る可能性があります。
「派遣先の人間関係がつらい」「仕事内容が合わない」といった事情であれば、退職ではなく派遣先の変更によって解決できることもあります。派遣元に事情を伝えれば、別の働き方を提案してもらえる可能性もあります。
退職するか迷っている段階であっても、今の派遣先で働き続けることが難しいのであれば、早めに担当者へ相談してください。
転職先が決まっている場合は入社日から逆算して退職日を決める
すでに次の会社への転職が決まっている場合は、新しい会社の入社日から逆算して退職手続きを進めましょう。退職日が入社日より後になってしまうと、手続きが複雑になることがあります。
たとえば4月1日に新しい会社へ入社するのであれば、現在の会社を3月31日までに退職するよう調整する方法があります。有給休暇を消化するのであれば、派遣先への最終出勤日はさらに前になるでしょう。
転職先から「いつから勤務できますか」と聞かれた段階で、現在の派遣元の就業規則を確認しておくと安全です。まだ退職日が確定していないのであれば、確実ではない日付を約束するのは避けましょう。
転職先への入社日と現在の派遣元の退職日をセットで考えることが、スムーズな転職につながります。
体調や家庭の事情などで早期退職が必要な場合はすぐに派遣元へ相談する
病気やけが、家族の介護などにより、通常どおりの退職スケジュールで働き続けることが難しいケースもあります。その場合は、無理に決められた期間まで勤務しようとせず、早めに派遣元へ事情を伝えましょう。
状況によっては、有給休暇や休職制度などを利用できる場合もあります。退職しか選択肢がないと思っていても、派遣元に相談することで別の方法が見つかる可能性があります。
特に健康上の問題で出勤すること自体が難しい場合には、通常の引き継ぎを行えないこともあるでしょう。そのような事情がある場合は、担当者に具体的な状況を説明して対応を相談します。
緊急性のある事情まで我慢して通常の退職日程に合わせる必要はありません。働き続けるのが難しい状態であれば、できるだけ早く相談することが大切です。
無期雇用派遣を辞める際の注意点
無期雇用派遣を円満に辞めるためには、派遣元と派遣先の役割を理解したうえで手続きを進める必要があります。また、退職後の生活に関わる有給休暇や社会保険、離職票についても確認しておきましょう。
派遣先だけに退職の意思を伝えて手続きを進めない
無期雇用派遣を退職するときは、派遣先だけに退職を伝えて終わりにしないよう注意してください。自分を雇用しているのは派遣先ではなく派遣元だからです。
たとえば派遣先の上司に「来月で辞めます」と伝えても、それだけでは派遣元への退職手続きが完了したことにはなりません。派遣元が事情を把握していなければ、契約上の調整で問題が生じる可能性があります。
派遣先の上司や同僚へ伝えるタイミングについても、先に派遣元へ相談するとよいでしょう。派遣元と派遣先との間で先に話を進めるケースもあるためです。
退職に関する正式な連絡先は、雇用主である派遣元と覚えておきましょう。
派遣先との契約終了と派遣元からの退職を混同しない
「今の派遣先を辞める」と「派遣元を辞める」は意味が異なります。現在の職場から離れたとしても、派遣元との無期雇用契約が続いていれば、会社を退職したことにはなりません。
そのため、派遣先の仕事がつらい場合には、まず自分が本当に希望していることを整理するとよいでしょう。派遣元そのものを辞めたいのか、今の派遣先だけを変えたいのかによって手続きが変わります。
現在の仕事だけに不満があるのであれば、「別の派遣先を紹介してほしい」と相談する選択肢もあります。勤務地や仕事内容、人間関係などの希望を伝えることで、別の職場を提案される場合があります。
反対に、派遣という働き方をやめて正社員として転職したい場合などは、派遣元との雇用契約を終了する必要があります。
無断欠勤や突然出勤しなくなる辞め方は避ける
仕事を辞めたいと思っても、派遣元に連絡せず突然出勤しなくなる方法はできるだけ避けましょう。無断欠勤を続けると、派遣元と派遣先の双方に迷惑をかけるだけでなく、必要な退職手続きも進みにくくなります。
特に、会社からパソコンや社員証などを借りている場合は、返却が必要です。連絡を絶ってしまうと、貸与品を返すために改めて会社とやり取りしなければならないこともあります。
また、退職後に必要な書類の送付先などを確認できなくなる可能性もあります。退職したい意思が固まっているのであれば、口頭または書面で明確に伝えるほうが結果的に手続きを早く終えやすくなります。
会社へ行くこと自体が難しい事情がある場合でも、電話やメールなど連絡できる方法を使い、派遣元へ状況を伝えましょう。
有給休暇が残っている場合は取得できる日程を派遣元と相談する
退職時に年次有給休暇が残っている場合は、取得を希望する日程について派遣元と相談しましょう。有給休暇を取得することで、派遣先への最終出勤日より後に退職日を設定する場合があります。
たとえば3月31日を退職日とし、残っている有給休暇を3月後半に利用することで、実際の最終出勤日をそれより前にする方法です。ただし、有給休暇の日数や勤務状況によって予定は異なります。
退職直前になって大量の有給休暇が残っていることに気づくと、引き継ぎとの調整が難しくなる可能性があります。退職を決めた時点で、自分に何日の有給休暇が残っているか確認しておきましょう。
退職希望日・最終出勤日・有給休暇の取得予定をまとめて相談すると、日程を整理しやすくなります。
健康保険や厚生年金など退職後の手続きを確認しておく
派遣元を退職すると、それまで加入していた健康保険や厚生年金についても手続きが必要になることがあります。すぐに別の会社へ転職する場合は、新しい勤務先で社会保険に加入するのが一般的です。
一方、退職後しばらく働かない場合は、健康保険について国民健康保険への加入や、一定の条件を満たした場合の任意継続などを検討することになります。年金についても、状況に応じた手続きが必要です。
退職後に何もしないままにしていると、必要な保険の手続きが遅れる可能性があります。転職先が決まっていない人は、退職前から必要な手続きを調べておくと安心です。
会社から返却を求められる健康保険に関するものがある場合なども、派遣元の案内に従いましょう。
失業給付を受ける可能性がある場合は離職票の発行を確認する
退職後すぐに転職せず、失業等給付の受給を検討している場合は、離職票について確認しましょう。手続きを行う際に必要となることがあるためです。
離職票は、退職した当日に必ず受け取れるものとは限りません。退職後に派遣元が手続きを行い、その後本人へ交付される場合があります。
また、実際に給付を受けられるか、いつから受け取れるかなどは、雇用保険への加入状況や離職理由などによって異なります。「退職すれば必ずすぐ失業給付を受け取れる」と考えないようにしましょう。
転職先が決まっていない場合は、離職票の発行予定とあわせて、雇用保険被保険者証など退職後に必要な書類について派遣元へ確認しておくことをおすすめします。
無期雇用派遣を辞めさせてもらえない場合の対処法
退職を申し出たにもかかわらず派遣元から強く引き止められる場合は、口頭でのやり取りだけを続けず、雇用契約や就業規則を確認したうえで対応しましょう。自分だけで解決できない場合には、社内の相談窓口や公的な相談先、弁護士などに相談する方法があります。
まずは雇用契約書や就業規則の退職ルールを確認する
「今は辞められない」「派遣先との契約が終わるまで退職できない」などと言われた場合は、まず雇用契約書や就業規則を確認しましょう。退職についてどのようなルールが定められているかを把握するためです。
会社から説明された内容と、自分が持っている契約書などの内容が異なっていないかも確認してください。口頭で言われたことだけで「退職できない」と決めつける必要はありません。
一方、自分が希望する日程どおりに必ず退職できるとは限らず、契約内容や個別の事情によって判断が必要なこともあります。特に早急な退職を希望する場合は、具体的な事情を整理しておきましょう。
ルールを確認しても判断できない場合は、社内外の相談窓口を利用する方法があります。
口頭だけでなく退職届など書面でも退職の意思を伝える
担当者へ何度伝えても退職の話を進めてもらえない場合は、退職の意思を書面など記録が残る方法で伝えることも検討しましょう。口頭だけでは、「まだ相談段階だと思っていた」などと認識が食い違うことがあるからです。
退職届を提出する場合には、会社指定の書式があるか先に確認してください。メールなどで連絡する場合も、退職を希望していることと希望日を分かりやすく記載しておくとよいでしょう。
また、メールや書面の控えを保管しておけば、いつ退職の意思を伝えたのか確認しやすくなります。担当者とのやり取りについても、日時や内容を記録しておくと状況を整理できます。
「辞めたいと相談した」のか「退職すると意思表示した」のかを明確にすることがポイントです。
派遣元の担当者で解決しない場合は人事や相談窓口へ連絡する
普段やり取りをしている派遣元の担当者が退職手続きを進めてくれない場合は、別の担当者へ相談する方法があります。担当者個人の判断によって話が止まっている可能性もあるからです。
派遣元に人事部や労務部、コンプライアンス窓口、社内相談窓口などがあれば、事情を説明してみましょう。その際は、いつ担当者へ退職を伝えたのか、どのような回答を受けたのかを整理して伝えます。
「派遣先に迷惑がかかる」と言われて強く引き止められる場合でも、感情的に言い争う必要はありません。自分が退職を希望していることと、必要な手続きを進めてほしいことを冷静に伝えましょう。
担当者を変えるだけで話が進むケースもあるため、いきなり外部機関へ相談する前に社内で解決できる余地がないか確認するのも方法のひとつです。
労働条件相談ほっとラインや総合労働相談コーナーへ相談する
派遣元に相談しても解決できない場合は、公的な労働相談窓口を利用する方法があります。労働問題についてどこへ相談したらよいか分からない場合にも活用できます。
たとえば、厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」では、労働時間や残業代、解雇など労働基準関係法令に関する相談を受け付けています。また、各地の労働局や労働基準監督署などに設置されている「総合労働相談コーナー」では、さまざまな労働問題について相談できます。
相談する際は、雇用契約書や就業規則、会社とのメールなどを手元に用意しておくと、状況を説明しやすくなります。
「会社に退職を拒否されているが、どのように対応すればよいか分からない」という場合は、一人で抱え込まず公的な相談先から情報を得ることも検討してください。
強引な引き止めやトラブルがある場合は労働問題に詳しい弁護士へ相談する
会社から強い引き止めを受けている場合や、退職をめぐって大きなトラブルになっている場合は、労働問題を扱う弁護士へ相談する方法もあります。個別の契約内容や具体的な事情を確認したうえで対応を検討してもらえるためです。
たとえば、「退職したら損害賠償を請求すると言われた」「何度退職を申し出ても受け付けてもらえない」といった場合は、自分だけで判断することが難しいケースがあります。
弁護士へ相談する際は、雇用契約書や就業規則だけでなく、会社とのメールやチャット、退職を申し出た日付なども整理しておくとよいでしょう。客観的な資料があれば、状況を説明しやすくなります。
すべての退職で弁護士への相談が必要なわけではありませんが、当事者同士で話し合っても解決しない場合には、専門家へ相談する選択肢があります。
無期雇用派遣の辞め方を確認し、退職を伝えるタイミングや注意点を押さえよう
無期雇用派遣であっても、派遣元との雇用契約を終了して退職することは可能です。「無期」という名称から辞められない働き方だと思われることがありますが、雇用期間の終了日があらかじめ決められていないという意味であり、退職できないわけではありません。
退職する際に重要なのは、派遣先ではなく雇用主である派遣元へ退職の意思を伝えることです。派遣先との契約終了と派遣元からの退職は異なるため、現在の派遣先だけを変えたいのか、派遣元そのものを辞めたいのかも整理しておきましょう。
まずは就業規則や雇用契約書を確認し、できるだけ余裕を持って派遣元へ相談してください。退職日や最終出勤日、有給休暇の取得、引き継ぎ、貸与品の返却などについて順番に調整すれば、退職手続きを進めやすくなります。
もし退職を申し出ても強く引き止められる場合は、書面など記録が残る形で意思を伝え、人事や社内相談窓口へ相談する方法があります。それでも解決しない場合は、公的な労働相談窓口や労働問題に詳しい弁護士などへの相談も検討し、状況に応じて適切に対応しましょう。