退職を伝えてから出社しないことはできる?無断欠勤になるケースや対処法を解説

退職を伝えてから出社しないことはできる?無断欠勤になるケースや対処法を解説
退職を伝えてから出社しないことはできる?無断欠勤になるケースや対処法を解説

「退職すると伝えたので、もう会社には行かなくてもいいのでは?」と考えている人もいるでしょう。上司と顔を合わせるのがつらかったり、退職を伝えたことで職場に居づらくなったりすると、退職日まで出社せずに過ごしたいと考えるのは珍しくありません。

しかし、退職の意思を伝えただけで、その日から出勤義務がなくなるわけではありません。有給休暇を取得したり、会社から欠勤の了承を得たりしていない状態で出社しなくなると、無断欠勤として扱われる可能性があります。

一方で、残っている有給休暇を利用するなど、適切な手続きを取れば最終出社日から退職日まで一度も出社せずに退職できるケースもあります。この記事では、退職を伝えてから出社しないことが可能なのか、無断欠勤になるケースや退職日まで出社しないための方法、会社から出社を求められた場合の対処法について解説します。

目次

退職を伝えてから出社しないことはできる?

退職を伝えた後に出社しなくてもよいかどうかは、有給休暇の取得状況や会社との話し合いによって変わります。単に「辞めると伝えたから」という理由だけで出社しなくなるのは避けましょう。

退職日までの出勤義務がなくなるわけではない

会社へ退職の意思を伝えても、原則として実際の退職日までは会社との雇用契約が続いています。そのため、勤務日として決められている日は、通常どおり出勤する必要があります。

たとえば、4月1日に「4月30日付で退職します」と伝えた場合、4月1日の時点で雇用関係が終了するわけではありません。退職日である4月30日までは会社に在籍しているため、有給休暇や会社が認めた欠勤などでない限り、所定労働日には出勤するのが基本です。

期間の定めのない雇用契約では、民法上、原則として退職の申入れから一定期間が経過することで雇用契約が終了します。ただし、会社の就業規則で退職を申し出る時期や手続きが定められていることもあるため、まずは内容を確認しておくとよいでしょう。

「退職届を出した=もう会社員ではない」という意味ではありません。退職日と最終出社日は別の日になることがあると理解しておくことが重要です。

有給休暇を取得すれば出社せずに退職日を迎えられる場合がある

退職日まで出社したくない場合にまず確認したいのが、残っている年次有給休暇です。有給休暇の日数が十分に残っていれば、最終出社日の翌日から退職日まで有給休暇を取得し、そのまま退職できる場合があります。

たとえば、退職日までの所定労働日が10日あり、有給休暇が10日以上残っているのであれば、条件によってはその10日間を有給休暇にすることが可能です。つまり、会社には在籍したままでも、実際には出社せずに退職日を迎えられます。

年次有給休暇は、原則として労働者が取得する時季を指定できます。会社には一定の場合に時季を変更する権利がありますが、退職後の日に有給休暇を移すことはできません。そのため、退職日までに残っている有給休暇を取得する方法は、出社せずに退職する代表的な手段といえるでしょう。

ただし、有給休暇の日数が足りなければ、退職日までのすべての日を休めるとは限りません。まずは給与明細や勤怠システム、人事担当者への確認などにより、現在の有給休暇残日数を把握しましょう。

会社から欠勤の承認を得れば出社しなくても無断欠勤にはならない

有給休暇が残っていない場合でも、会社と話し合い、欠勤することについて了承を得られれば、出社せずに退職日を迎えられる可能性があります。この場合は給与が支払われない欠勤扱いになることが一般的です。

たとえば「退職日まで5日あるものの有給休暇が2日しか残っていない」という場合、有給休暇を2日取得し、残り3日は欠勤扱いにしてもらえないか会社へ相談する方法があります。

会社が了承しているのであれば、少なくとも会社へ何も伝えずに休む「無断欠勤」とは状況が異なります。重要なのは、出社しないことについて事前に会社と認識を合わせておくことです。

口頭だけでは後から認識の食い違いが起こる可能性もあります。「○月○日から退職日まで欠勤扱いとする」という内容をメールなどにも残しておくと、後から確認しやすくなります。

会社に連絡せず一方的に出社しない場合は無断欠勤になる可能性がある

退職の意思を伝えた後であっても、勤務日に会社へ何も連絡せず出社しなければ、無断欠勤と判断される可能性があります。「退職すると伝えているのだから、出社しなくても問題ない」という考え方は避けましょう。

特に、退職日まで数週間あるにもかかわらず、退職届を出した翌日から突然出社しなくなるケースは注意が必要です。会社側から見れば、まだ在籍中の従業員が連絡なしに欠勤している状態になります。

無断欠勤が続けば、会社から本人へ電話やメールなどで連絡が来る可能性があります。また、会社の就業規則によっては、無断欠勤が懲戒処分の対象として定められていることもあります。

出社することがどうしても難しい事情がある場合でも、連絡そのものを断つのではなく、会社へ事情を伝えたうえで対応方法を相談することが大切です。

退職を伝えてから出社しないと無断欠勤になるケース

退職すると伝えた後であっても、会社との雇用関係が続いている間に無断で仕事を休めば、無断欠勤になる可能性があります。どのようなケースが問題になりやすいのか確認しておきましょう。

会社の許可を得ずに出勤日を休んだ場合

勤務日として定められている日に、会社へ連絡せず出社しなければ、一般的には無断欠勤として扱われる可能性があります。これは退職を申し出た後でも変わりません。

たとえば、退職日が月末に決まっている状態で「どうせあと数日だから」と自己判断で休み始めるのは避けるべきです。在籍している以上、通常は就業規則や雇用契約に基づいた勤務が求められます。

出社したくない事情があるのであれば、有給休暇の取得や欠勤の相談を先に行いましょう。「休むこと」自体よりも、必要な連絡や手続きをせずに休むことが問題になりやすいと考えると分かりやすいでしょう。

会社との関係が悪化している場合でも、メールなどで連絡を残すことはできます。電話で話すことが難しい場合には、文章で事情を伝える方法を検討してください。

有給休暇を申請せずに自己判断で休んだ場合

有給休暇が残っているからといって、自動的に欠勤日が有給休暇として処理されるわけではありません。会社で決められた方法に従って取得する日を伝える必要があります。

たとえば、有給休暇が15日残っている人が「今日から15日間休めばそのまま退職できる」と考え、会社への連絡をせず出社しなくなるのは適切ではありません。後から「有給休暇を使うつもりだった」と説明しても、会社側との認識が一致していなければトラブルにつながるおそれがあります。

退職前にまとめて取得する場合は、「○月○日から退職日の○月○日まで年次有給休暇を取得します」と明確に伝えることが大切です。会社所定の申請フォームなどがある場合は、それも利用しましょう。

後から「申請した」「聞いていない」と争いにならないよう、メールや社内システムなど記録が残る方法で手続きしておくと安心です。

退職届を提出しただけで退職日より前から出社しなくなった場合

退職届を提出しても、記載した退職日が到来するまでは基本的に雇用関係が続きます。そのため、退職届を提出した翌日から当然に出社しなくてよくなるわけではありません。

たとえば、6月30日を退職日とする退職届を6月1日に提出した場合、6月2日から自動的に休みになるわけではありません。通常は、勤務日には出勤し、有給休暇を取得する日だけ休むという形になります。

退職届に書かれた「退職日」と、実際に最後に会社へ出勤する「最終出社日」を混同しないことが重要です。最終出社日を早めたいのであれば、残っている有給休暇の日数を確認したうえで会社と調整しましょう。

退職届の提出だけを理由に出社をやめるのではなく、最終出社日まで決めておくことがトラブル防止につながります。

会社からの電話やメールにも応じず欠勤を続けた場合

欠勤した後に会社から電話やメールが来ているにもかかわらず、すべて無視したまま欠勤を続けると、会社側は本人の状況を把握できません。無断欠勤として扱われる可能性も高くなります。

退職を伝えた後は上司からの連絡を受けたくないと感じることもあるでしょう。しかし、退職手続きや貸与品の返却、給与・社会保険に関する確認など、退職までに連絡が必要になる場面はあります。

電話に出ることが精神的に難しいのであれば、「今後の連絡はメールでお願いします」と伝える方法もあります。必ずしも電話でやり取りしなければならないとは限りません。

会社とのやり取りを完全に断つのではなく、自分が対応できる連絡手段を指定して必要最低限のやり取りを続けることを検討しましょう。

欠勤の連絡方法など就業規則で定められた手続きを守らなかった場合

会社によっては、欠勤する場合の連絡先や連絡期限などが就業規則で決められています。「始業時刻までに直属の上司へ連絡する」「所定の勤怠システムから申請する」といったルールが設けられているケースです。

退職を予定しているからといって、在籍中のルールがすべて適用されなくなるわけではありません。欠勤するときは、可能な範囲で会社が定める手続きに沿って連絡しましょう。

ただし、事故や急病などで事前連絡が難しい場合もあります。そのような事情があるときは、連絡できる状態になってから速やかに会社へ事情を説明してください。

退職直前は会社との関係が悪化しやすい時期でもあります。だからこそ、手続きや連絡の記録を残し、不要なトラブルを増やさないことが重要です。

退職を伝えてから出社せずに退職日を迎える方法

「退職日までもう会社へ行きたくない」という場合でも、無断欠勤をする必要はありません。有給休暇や会社との合意を利用し、正式な手続きを取って退職日まで出社しない方法を検討しましょう。

残っている有給休暇を退職日まで取得する

最も分かりやすい方法は、残っている有給休暇を最終出社日の翌日から退職日まで取得することです。有給休暇の日数が十分にあれば、その期間は会社に在籍しながら出社せずに過ごせます。

まずは、有給休暇が何日残っているのか確認してください。そのうえで、退職日までに残っている所定労働日数と比較します。

状況 対応例
退職日までの勤務日が10日・有給残日数が10日 10日間すべて有給休暇を取得する
退職日までの勤務日が10日・有給残日数が5日 5日出勤して残り5日を有給休暇にする
有給休暇が残っていない 出勤するか、会社と欠勤について相談する

退職後には、原則として残っていた有給休暇を取得することはできません。そのため、取得を希望しているのであれば、退職日前に申請しておく必要があります。

有給休暇を残したまま退職日を迎える前に、自分が何日取得できるのか確認しておきましょう。

会社と相談して欠勤扱いで休むことについて合意する

有給休暇が足りない場合は、残りの日について欠勤扱いにできないか会社へ相談する方法があります。会社が了承すれば、給与が発生しない形で休みながら退職日を迎えられる可能性があります。

たとえば「有給休暇が3日しかないものの、退職日まであと8勤務日ある」という場合、3日を有給休暇、残り5日を欠勤扱いとしてもらえないか相談します。

もちろん、会社が必ず希望どおりに対応してくれるとは限りません。しかし、何も連絡せず休むよりも、出社できない事情や希望を伝えて話し合うほうがトラブルは起こりにくくなります。

会社が欠勤を了承した場合は、休む期間や給与の扱いについてメールなどで確認しておくことをおすすめします。

最終出社日と退職日を会社とあらかじめ決める

退職手続きをスムーズに進めるためには、「退職日」だけでなく「最終出社日」を決めておくことが大切です。この2つの日付が異なるケースは珍しくありません。

たとえば、退職日が3月31日でも、3月15日を最終出社日とし、3月16日以降は有給休暇を取得することができます。この場合、会社に在籍するのは3月31日までですが、実際に職場へ行くのは3月15日が最後です。

最終出社日が明確になれば、それまでに引き継ぐ業務や返却する備品も整理しやすくなります。会社側にとっても予定を立てやすいため、話し合いが進みやすくなるでしょう。

退職日・最終出社日・有給休暇を取得する期間をセットで確認することが、退職直前の行き違いを防ぐポイントです。

引き継ぎや貸与品の返却を最終出社日までに済ませる

最終出社日以降に会社へ行かない予定であれば、業務の引き継ぎや会社から借りている物の返却は、それまでに可能な限り済ませておきましょう。

引き継ぎについては、担当している業務の進行状況や取引先の情報、社内で必要となる手続きなどを資料にまとめます。後任者が決まっていない場合でも、文書として残しておけば会社側で確認できます。

また、返却が必要になりやすいものには次のようなものがあります。

  • 社員証・入館証
  • 会社支給のパソコンやスマートフォン
  • 制服や作業着
  • 会社の鍵
  • 社用車に関する物品
  • 業務上使用していた資料や記録媒体

最終出社日までに返せない物がある場合は、郵送できるか会社へ確認しましょう。退職後に「返却されていない」と連絡を受けることがないよう、事前に整理しておくと安心です。

出社が難しい事情がある場合は会社へ早めに伝える

体調不良や職場での人間関係などにより、退職日まで出社することが難しい場合もあります。そのようなときは、限界になるまで無理に出勤を続けるのではなく、早めに会社へ事情を伝えましょう。

詳しい事情を職場の全員に話す必要はありません。「体調上の理由で出社が難しい」「今後はメールで連絡を取りたい」など、必要な範囲で伝える方法があります。

出社できない期間について、有給休暇を取得するのか、欠勤扱いにするのかなどもあわせて確認してください。状況によっては医療機関を受診し、診断書の提出について会社から案内されるケースもあります。

重要なのは、つらいから突然連絡を断つのではなく、出社できないことだけでも会社へ知らせることです。自分でやり取りすることが難しいほど状況が悪化している場合は、外部の相談窓口へ相談する方法も検討しましょう。

退職を伝えた後に会社から出社を求められた場合の対処法

退職前に有給休暇を取得する予定でも、会社から「引き継ぎのために出社してほしい」などと求められることがあります。慌てて判断せず、自分がどのような扱いで休んでいるのかを確認したうえで対応しましょう。

有給休暇を取得している場合は申請内容を会社に確認する

会社から出社を求められた場合は、まずその日が有給休暇として申請済みなのかを確認してください。有給休暇として指定している日であれば、その事実を会社へ伝えます。

年次有給休暇は、原則として労働者が取得する時季を指定できます。会社には一定の条件で別の時季へ変更する権利がありますが、退職予定者について退職日より後の日へ変更することはできません。

そのため、退職日までの勤務日をすべて有給休暇として取得している場合には、会社側が単に「忙しいから出社してほしい」と考えているだけなのか、それとも申請そのものについて認識が食い違っているのかを確認しましょう。

「いつからいつまでを有給休暇として申請したか」をメールなどで示せる状態にしておくと、話し合いがしやすくなります。

引き継ぎが必要な場合はメールやオンラインで対応できないか相談する

会社から出社を求められる理由が引き継ぎであれば、必ずしも職場へ行かなければ対応できないとは限りません。メールやオンライン会議などで対応できないか相談してみましょう。

たとえば、担当案件の進捗や顧客情報は文書にまとめて送付し、不明点だけオンラインで説明する方法があります。会社のルールや業務内容によっては難しい場合もありますが、双方の負担を減らせる可能性があります。

特に、職場の人間関係などが理由で出社すること自体に大きな負担を感じている場合は、「引き継ぎには対応するが、可能であればオンラインにしたい」と伝えるのも一つの方法です。

退職するからといって一切の引き継ぎを拒否するのではなく、出社せずに対応できる方法がないかを探すことで、会社との対立を避けやすくなります。

体調不良などで出社できない場合は事情を伝えて欠勤の手続きをする

体調不良によって実際に出社できない状態であれば、その旨を会社へ伝えて欠勤の手続きを行いましょう。有給休暇が残っていれば、有給休暇を利用できる場合もあります。

「退職予定なのだから連絡しなくてもいい」と考えて無断で休むのではなく、普段の欠勤時と同じように連絡することが重要です。電話するのが難しい場合は、会社のルールを確認したうえでメールなどを利用してください。

また、体調不良が続いている場合は、無理に出社することだけを優先せず、必要に応じて医療機関を受診することも検討しましょう。会社から診断書を求められたときは、提出の必要性や方法について確認します。

退職までの期間が短くても、欠勤の理由と連絡を残しておくことで、無断欠勤と判断されるリスクを抑えやすくなります。

退職日や最終出社日について認識が違う場合は書面やメールで確認する

「自分は今日が最終出社日だと思っていたのに、会社は来週まで出勤する予定だと思っていた」というように、退職直前は日付の認識が食い違うことがあります。

この場合は感情的にやり取りするのではなく、退職届やメール、有給休暇の申請記録などを確認しましょう。そして「退職日は○月○日、最終出社日は○月○日という認識ですが相違ありませんか」と会社へ確認します。

特に口頭だけで話を進めていると、後から「言った」「聞いていない」という問題が起こりがちです。重要な内容は文章に残しておくことで、双方の認識を整理できます。

退職日、有給休暇の取得期間、最終出社日については、できるだけ早い段階で日付を明確にしておくことが大切です。

会社との話し合いが難しい場合は総合労働相談コーナーなどへ相談する

会社へ退職の意思を伝えているにもかかわらず話し合いが進まない場合や、有給休暇をめぐってトラブルになっている場合は、一人で抱え込まず外部の相談窓口を利用する方法があります。

厚生労働省の「総合労働相談コーナー」では、解雇や労働条件、いじめ・嫌がらせを含む幅広い労働問題について相談を受け付けています。全国の労働局や労働基準監督署などに設置されており、無料で相談できます。

会社とのやり取りについて相談するときは、次のような資料があると状況を説明しやすくなります。

  • 雇用契約書や労働条件通知書
  • 就業規則の退職・欠勤に関する部分
  • 提出した退職届の控え
  • 会社とやり取りしたメールやメッセージ
  • 有給休暇の残日数が分かる資料

自分のケースでどのように対応すればよいのか分からない場合は、客観的な資料を準備して専門の窓口へ相談すると状況を整理しやすくなります。

退職を伝えてから出社しない場合の注意点

退職日まで出社しないこと自体が直ちに問題になるわけではありませんが、手続きの進め方によっては会社とのトラブルにつながります。最後までスムーズに退職するため、次のポイントを確認しておきましょう。

退職の意思を伝えただけではすぐに雇用契約が終了するわけではない

退職すると伝えた瞬間に会社との雇用関係がなくなるわけではありません。基本的には、決められた退職日までは会社に在籍している状態です。

したがって、有給休暇や会社の了承を得た欠勤などではない限り、勤務日には出勤する必要があります。「もう辞める会社だから」と自己判断で出社をやめることは避けましょう。

期間の定めのない雇用契約では、民法上、労働者から退職を申し入れて一定期間が経過すると雇用契約が終了する仕組みがあります。一方で、有期雇用など契約内容によって扱いが異なることもあります。

まず自分の雇用契約と正式な退職日を確認し、それまでの勤務方法を整理することが大切です。

無断欠勤を続けると就業規則に基づく処分の対象になる可能性がある

会社の就業規則には、無断欠勤を懲戒処分の対象として定めている場合があります。そのため、退職日まであとわずかだからといって、連絡なしで欠勤を続けることはおすすめできません。

何日欠勤すればどのような処分になるのかは会社によって異なります。また、無断欠勤をしただけで必ず特定の処分を受けるわけでもありません。

ただし、少なくとも会社と不要なトラブルを起こす原因にはなります。出社できないのであれば、そのことを会社へ伝え、有給休暇や欠勤など正式な扱いを確認してください。

「もう辞めるから無断欠勤でも構わない」と考えるより、必要な手続きを取って退職するほうが安全です。

有給休暇を使いたい場合は退職前に会社へ申請する

年次有給休暇は、退職した後に取得することはできません。有給休暇が残っているのであれば、退職日までに取得する必要があります。

特に、退職日直前にまとめて取得したい場合は、できるだけ早めに会社へ取得日を伝えましょう。直前になって初めて大量の有給休暇を申請すると、引き継ぎなどをめぐって会社と話し合いが必要になる可能性があります。

退職が決まった段階で有給休暇の残日数を確認し、最終出社日から逆算してスケジュールを組むと分かりやすくなります。

たとえば、有給休暇が10日残っているのであれば、退職日までの所定労働日を数えて、いつを最終出社日にすればよいのか計算しておくとスムーズです。

業務の引き継ぎ方法について会社と相談しておく

退職前に長期間の有給休暇を取得する予定であれば、最終出社日までに引き継ぎを終えられるよう準備しましょう。担当者しか分からない業務が残っていると、会社から確認の連絡が来る可能性があります。

引き継ぎ資料には、現在進行中の仕事、今後必要になる対応、ファイルの保存場所、取引先の連絡先などを分かる範囲でまとめます。業務内容によって必要な情報は異なるため、上司や後任者に何が必要か確認しておくとよいでしょう。

すべてを完璧に整理することが難しい場合でも、どこまで対応したのかを会社へ伝えておくことが大切です。後から質問がある場合の連絡方法についても決めておけば、退職直前のやり取りを減らせます。

退職日まで出社しない予定だからこそ、最後に出社する日までの準備が重要になります。

健康保険証やパソコンなど会社の貸与品を返却する

退職時には、会社から貸与されている物を返却しなければなりません。最終出社日から退職日まで有給休暇を取得する場合は、可能であれば最終出社日にまとめて返却しておきましょう。

ただし、退職日まで使用する必要がある物などは、最終出社日に返せない場合があります。その際は、いつ、どのような方法で返却するのかを会社と決めてください。

郵送する場合には、会社から指定された宛先や方法がないか確認します。高額なパソコンなどを送る場合は、配送記録が残る方法を選んだほうが安心です。

なお、健康保険に関する扱いは加入している制度や会社からの案内を確認してください。退職前に「何を、いつ、どの方法で返すか」を一覧にしておくと返却漏れを防げます。

離職票や源泉徴収票など退職後に必要な書類の受け取り方法を確認する

退職後には、転職や雇用保険、税金などの手続きで会社から発行される書類が必要になる場合があります。退職前に、どの書類がどの方法で送られてくるのか確認しておきましょう。

退職時に確認しておきたい主な書類には、次のようなものがあります。

  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書など必要に応じて会社へ依頼する書類

書類によって発行される時期や必要となる条件は異なります。転職先がすでに決まっている場合でも、源泉徴収票などの提出を求められることがあります。

退職後に会社へ何度も問い合わせなくて済むよう、書類の送付先住所が正しいか、いつごろ発送されるのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

退職を伝えてから出社しない場合は無断欠勤にならないよう適切に対処しよう

退職を伝えた後でも、正式な退職日を迎えるまでは会社との雇用関係が続いています。そのため、単に退職すると伝えただけで翌日から出社しなくなると、無断欠勤として扱われる可能性があります。

退職日まで出社したくない場合は、まず有給休暇の残日数を確認し、最終出社日の翌日から退職日まで取得できないか検討しましょう。有給休暇が足りない場合には、残りの日を欠勤扱いにできないか会社へ相談する方法もあります。

また、最終出社日までに業務の引き継ぎや会社から借りている物の返却を進め、退職日や有給休暇の取得期間について会社との認識を合わせておくことも重要です。口頭だけではなく、メールなど記録が残る形で確認しておけば、後からの行き違いを防ぎやすくなります。

会社との話し合いが難航している場合や、有給休暇の取得などをめぐってトラブルになっている場合は、総合労働相談コーナーなど公的な相談窓口を利用することもできます。無断で出社しなくなるのではなく、必要な手続きを取ったうえで退職日までの過ごし方を決めることが、できるだけトラブルなく退職するためのポイントです。

退職代行でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

退職のお悩みを一人で解決するのは心身ともに負担が大きいです。ぜひ、専門家にご相談ください。

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