ダブルケアで退職する場合の理由は?伝え方や退職前に確認すべきことを解説

ダブルケアで退職する場合の理由は?伝え方や退職前に確認すべきことを解説
ダブルケアで退職する場合の理由は?伝え方や退職前に確認すべきことを解説

子育てと親などの介護を同時に担う「ダブルケア」は、仕事との両立が難しくなりやすい問題です。子どもの送迎や急な発熱への対応に加え、親の通院や日常生活のサポートまで必要になると、これまでと同じ働き方を続けることが難しくなる場合があります。

そのため、「ダブルケアを理由に会社を辞めたい」「退職理由をどこまで会社に話せばよいのかわからない」と悩む人もいるでしょう。ただし、退職を決める前に育児休業や介護休業、短時間勤務などの制度を利用できないか確認しておくことも大切です。

この記事では、ダブルケアで退職する主な理由や会社への伝え方、退職前に確認しておきたい制度について解説します。仕事を辞めるか迷っている人は、自分や家族にとって無理のない選択をするための参考にしてください。

目次

ダブルケアを理由に退職する人は少なくない

育児と介護を同時に行うダブルケアでは、時間的・身体的・精神的な負担が大きくなり、仕事との両立が難しくなることがあります。特に介護は必要になる時期や期間を予測しにくいため、それまで問題なく働いていた人でも突然働き方を見直さなければならないケースがあります。

育児と介護を同時に担うことで仕事との両立が難しくなる場合がある

ダブルケアでは、子どもの世話と親などの介護を同時に行わなければなりません。育児だけ、あるいは介護だけの場合と比べても、日々の予定を調整しなければならない場面が増えやすくなります。

たとえば朝は子どもを保育園へ送り、仕事中に親のケアマネジャーから連絡を受け、仕事が終わった後には親の買い物や食事を手伝うといった生活になることもあります。子どもや介護を受けている家族の体調によって予定が突然変わる可能性もあります。

こうした状態が続けば、残業や出張が難しくなったり、勤務時間そのものを確保できなくなったりすることもあるでしょう。本人の努力だけで育児・介護・仕事のすべてを維持することには限界があります。

退職を考える場合も、「自分が頑張れば何とかなる」と抱え込むのではなく、現在の負担や利用できる制度を整理したうえで判断することが重要です。

介護は突発的に必要になることがあり働き方を調整しにくい

介護は、あらかじめ開始時期を予測できるとは限りません。親が転倒して入院したり、病気をきっかけに一人で生活することが難しくなったりすることで、突然介護が始まる場合があります。

また、介護が始まった後も、通院への付き添いや介護サービス事業者との打ち合わせ、要介護認定に関する手続きなどが発生することがあります。予定していたサービスが利用できない日には、家族が対応しなければならないケースもあるでしょう。

育児についても、子どもの発熱や保育園・学校からの呼び出しなど、予定どおりに進まないことがあります。育児と介護の突発的な対応が重なると、会社を休んだり早退したりする回数が増える可能性があります。

そのため、勤務時間を固定しなければならない職場や在宅勤務が難しい仕事では、ダブルケアとの両立が特に難しくなることがあります。

介護を理由に離職する人は年間10万人を超えている

介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は珍しいものではありません。総務省の令和4年就業構造基本調査をもとにした厚生労働省の資料では、家族の介護・看護を理由とした離職者は令和3年10月から令和4年9月までの1年間で約10万6,000人とされています。

この数字には、育児と介護を同時に行うダブルケアの人だけが含まれているわけではありません。しかし、家族の介護によって働き続けることが難しくなる人が一定数存在することがわかります。

一方で、介護をしながら働いている人も多くいます。退職以外にも、介護休業や介護休暇、短時間勤務などを利用しながら仕事を続ける方法があります。

「介護が始まったら退職するしかない」とすぐに決めるのではなく、まず勤務先や自治体、地域包括支援センターなどに相談し、利用できる支援を確認することが大切です。

ダブルケアで退職する主な理由

ダブルケアで退職を考える理由は人によって異なります。時間不足だけではなく、家族からの協力を得られないことや勤務先の制度、心身への負担など、いくつもの要因が重なって退職に至ることもあります。

育児と介護にかかる時間が増えて仕事を続ける余裕がなくなるから

ダブルケアでは、育児と介護の両方に多くの時間が必要です。食事の準備や掃除、洗濯といった日常生活の家事に加えて、子どもの世話や親の介護まで行えば、自分のために使える時間は少なくなります。

仕事を続けている場合は、これらの作業を出勤前や帰宅後、休日などに行わなければなりません。その結果、睡眠時間や休息時間を削って対応する状態になることもあります。

最初は何とか対応できていても、数週間、数か月と続くことで疲労が積み重なる可能性があります。家族の状態によっては、介護に必要な時間が徐々に増えていくケースもあります。

生活のほとんどを仕事・育児・介護が占めるようになり、これ以上仕事を続ける余裕がないと判断して退職を選ぶ人もいるでしょう。

子どもの送迎や親の通院付き添いなどで勤務時間を確保しにくいから

子どもが保育園や幼稚園に通っている場合、決められた時間までに送り迎えをする必要があります。一方、介護をしている親についても、病院への通院や介護施設への送迎などが必要になることがあります。

医療機関や行政機関の手続きは平日の日中に行うことも多いため、フルタイムで働いているとスケジュールを合わせにくい場合があります。通院が毎月複数回必要になれば、そのたびに休暇や早退を調整しなければなりません。

さらに、子どもの体調不良と親の通院などが重なることも考えられます。予定変更を繰り返すことで職場への申し訳なさを感じ、精神的な負担につながる人もいるでしょう。

こうした事情から、決まった時間に出勤し続けること自体が難しくなり、退職を検討するケースがあります。

家族から十分な協力を得られず負担が一人に集中することがあるから

育児や介護は、本来であれば家族で役割を分担することが望ましいものです。しかし、配偶者の仕事が忙しかったり、兄弟姉妹が遠方に住んでいたりすると、一人の家族に負担が集中する場合があります。

特に介護では、「実家から近い」「勤務時間を調整しやすい」といった理由だけで特定の人が中心となることもあります。一度役割が固定されると、その人だけが通院や買い物、各種手続きを担当する状態になりかねません。

さらに子育ても同時に行っていれば、家庭内で処理しなければならないことが一気に増えます。仕事を減らすだけでは対応できず、最終的に退職を選択する人もいるでしょう。

負担が偏っている場合は退職を決める前に、家族で担当できることを洗い出し、「本人にしかできないこと」と「ほかの人や外部サービスでもできること」を分けるのも有効です。

勤務先に育児や介護と両立しやすい働き方が整っていないから

仕事内容や勤務先によっては、勤務時間を柔軟に変更することが難しい場合があります。店舗勤務や工場勤務、現場仕事などでは、仕事の性質上テレワークができないケースもあります。

制度自体は用意されていても、職場の人員が不足しているため利用しづらいと感じることもあるでしょう。また、自分が管理職など重要な役割を担っていることで、長期間休むことに抵抗を感じる人もいます。

ただし、育児・介護休業法に基づく制度の中には、法律上一定の条件を満たす労働者が利用できるものがあります。会社独自の制度と法律上の制度を混同せず、人事・労務担当者に確認することが重要です。

利用できる制度を確認しても両立が難しい場合には、退職だけでなく、部署異動や雇用形態の変更、転職などを含めて検討するとよいでしょう。

育児と介護に加えて仕事を続けることで心身の負担が大きくなるから

ダブルケアでは、自分の時間を確保しにくくなり、休息不足につながることがあります。仕事中も子どもや親のことが気になり、集中することが難しくなる場合もあるでしょう。

育児と介護では、自分の都合だけで予定を決めることができません。仕事が忙しい時期でも、家族の体調が悪くなれば対応せざるを得ないことがあります。

こうした状態が長く続けば、「仕事も家庭も十分にできていない」と自分を責めてしまう人もいます。しかし、限られた時間の中ですべてを完璧にこなすことは簡単ではありません。

心身の負担が大きくなっている場合は、働き方を変えることも重要な選択肢です。退職だけでなく休業や勤務時間の短縮なども含め、自分と家族が無理なく生活できる方法を検討しましょう。

ダブルケアで退職することを会社へ伝える方法

ダブルケアを理由に退職すると決めた場合は、勤務先のルールを確認したうえで手続きを進めます。家庭の事情をすべて詳しく説明する必要はありませんが、引き継ぎを円滑に進めるためにも早めに相談することが大切です。

直属の上司へできるだけ早めに退職の相談をする

退職を決めた場合は、まず直属の上司に相談するのが一般的です。同僚などに先に話してしまうと、本人から正式に相談する前に退職の話が上司へ伝わってしまう可能性があります。

退職希望日が決まっている場合は、できるだけ早めに相談しましょう。後任者の選定や業務の引き継ぎに時間が必要な仕事であれば、会社側にも準備期間が必要になります。

なお、退職を申し出る期限について就業規則に定められている場合があります。まず就業規則を確認し、会社の手続きに沿って相談するとスムーズです。

介護の状態が急に変化し、十分な期間を確保できない場合には、その事情も含めて上司や人事担当者へ相談してください。

育児と介護の両立が難しいことを簡潔に伝える

退職理由については、「育児と親の介護を同時に行う必要があり、現在の勤務を続けることが難しくなったため」など、簡潔に説明できます。無理に詳しい家庭事情まで話す必要はありません。

会社から詳しい事情を聞かれることもありますが、どこまで説明するかは内容を考えて決めましょう。ただし、勤務時間の変更などによって仕事を続けたいと考えている場合は、会社側が対応を検討できる程度に状況を伝えることも必要です。

たとえば「週に2回程度、親の通院への付き添いが必要になった」「夕方は子どもの迎えがあるため残業が難しい」と説明すれば、会社側も具体的な対応を考えやすくなります。

退職そのものを希望しているのか、働き方を変えれば継続したいのかについても整理してから相談するとよいでしょう。

家庭の事情をどこまで伝えるかは自分で決める

ダブルケアの内容には、親の病気や介護状態、子どもの事情など、家族のプライバシーにかかわる情報が含まれます。そのため、退職するために家庭内の事情を細かく説明しなければならないと考える必要はありません。

たとえば「家族の介護と育児の両立が難しくなったため」「家庭の事情により現在の勤務を続けることが難しくなったため」といった説明でも、退職理由を伝えることはできます。

一方、休業や勤務時間の変更を会社へ相談する場合には、必要な範囲で事情を伝えた方が話を進めやすいことがあります。制度の利用にあたって会社から必要書類の提出を求められるケースもあります。

家族の情報をどこまで伝えるのか迷う場合は、人事・労務担当者に制度利用のために必要な情報を確認したうえで判断しましょう。

希望する退職日を伝えて引き継ぎのスケジュールを相談する

上司へ退職を申し出る際には、希望する退職日も伝えます。ただし、業務の状況や有給休暇の取得などによって、最終出勤日と退職日が異なる場合があります。

担当している業務がある場合は、引き継ぎの内容を整理しておきましょう。取引先や進行中の案件、定期的に行っている業務などを一覧にしておくと、後任者が確認しやすくなります。

ただし、家族の介護状態が急変している場合など、十分な引き継ぎ期間を確保できないケースもあるでしょう。その場合は一人で抱え込まず、上司と相談しながら優先順位を決めることが大切です。

家庭への負担をさらに増やしてまで、無理な引き継ぎスケジュールを組まないよう注意しましょう。

就業規則を確認したうえで退職届や退職願を提出する

会社によっては、退職の申し出方法や退職願・退職届の書式について就業規則で定めています。口頭で上司に相談した後、所定の書類を提出する流れになっている会社もあります。

退職願は一般的に会社へ退職を申し出る書類、退職届は退職する意思を届け出る書類として扱われます。ただし、会社によって呼び方や運用が異なるため、社内ルールを確認してください。

退職時には、健康保険証や社員証、貸与されたパソコンなどの返却が必要になることもあります。一方、会社からは離職票や源泉徴収票などを受け取る場合があります。

退職後の手続きをスムーズに進めるためにも、退職日だけでなく必要書類や返却物まで事前に確認しておくと安心です。

ダブルケアを理由に退職する前に確認すべきこと

ダブルケアによって仕事を続けることが難しくなったとしても、すぐに退職を決める必要はありません。休業制度や短時間勤務、外部サービスなどを組み合わせることで、仕事を続けられる可能性があります。

勤務先で利用できる育児休業や介護休業を確認する

まず確認したいのが、育児休業や介護休業です。一定の要件を満たす労働者は、育児・介護休業法に基づく休業制度を利用できます。

介護休業は、対象となる家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分けて取得できます。長期間にわたって自分だけで介護を続けるための期間というより、介護サービスの手配や今後の介護体制を整える期間として活用することが重要です。

育児についても、子どもの年齢など一定の条件を満たせば育児休業を利用できる場合があります。夫婦で取得時期を調整することで、家庭内の負担を分散できる可能性もあります。

会社独自に法律以上の休業制度を用意しているケースもあるため、就業規則や社内イントラネット、人事担当者などを通じて確認しましょう。

介護休暇や子の看護等休暇を利用できないか確認する

長期間休む必要はなく、通院の付き添いや一時的な看護などで休みたい場合には、介護休暇や子の看護等休暇を利用できる可能性があります。

子の看護等休暇は、一定の条件のもと、小学3年生修了までの子どもについて利用できる制度です。子どもの病気やけがだけでなく、予防接種・健康診断、感染症による学級閉鎖、入園式・卒園式・入学式なども対象となっています。

介護休暇についても、対象家族の介護や世話をするために取得できる制度があります。まとまった介護休業とは異なり、短い期間の対応に利用しやすい制度です。

「通院のたびに有給休暇を使うしかない」と考える前に、利用できる休暇制度を確認することが大切です。

短時間勤務や時差出勤など柔軟な働き方ができないか相談する

勤務時間を変更すれば仕事を続けられる場合には、短時間勤務や時差出勤などを利用できないか勤務先へ相談してみましょう。朝夕の時間を確保できるだけでも、育児や介護との両立がしやすくなる可能性があります。

たとえば通常9時から18時まで勤務している人でも、始業・終業時間を変更できれば子どもの送迎に対応しやすくなるでしょう。勤務時間そのものを短縮できれば、親の通院や介護サービスの調整にも時間を使えます。

会社によって利用できる制度や条件は異なります。また、法律に基づいて利用できる制度と会社が独自に設けている制度があるため、両方を確認するとよいでしょう。

制度名だけで判断するのではなく、「何時から何時までなら働けるのか」「週何日なら出勤できるのか」など、自分が可能な働き方を具体的に整理しておくと相談しやすくなります。

テレワークを利用して通勤時間や移動の負担を減らせないか確認する

仕事内容によっては、テレワークを利用することでダブルケアの負担を減らせる可能性があります。たとえば往復1時間の通勤がなくなれば、その時間を家事や家族のサポートに充てることができます。

ただし、テレワークだからといって勤務中に常時育児や介護ができるわけではありません。勤務時間中は仕事を行う必要があるため、保育サービスや介護サービスなどと組み合わせることが重要です。

それでも、家族の緊急時に自宅から対応しやすいことや、通勤にかかる身体的な負担を減らせることは大きなメリットです。週5日の在宅勤務が難しくても、週1~2日だけ認められるケースもあります。

勤務先に制度がある場合は、利用条件や対象となる職種などを確認してみましょう。

介護保険サービスや自治体の子育て支援を利用できないか確認する

ダブルケアの負担を減らすには、家族だけで対応しようとしないことが重要です。親が要介護・要支援認定を受けている場合は、状態に応じて介護保険サービスを利用できる可能性があります。

たとえば、訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)などを利用することで、家族が直接介護をする時間を減らせる場合があります。どのサービスを利用すればよいかわからない場合には、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談しましょう。

育児についても、自治体によって一時保育、病児保育、ファミリー・サポート・センターなどの支援があります。利用条件や料金は自治体によって異なるため、住んでいる自治体の窓口やホームページで確認してください。

仕事を続けるためには、自分がすべてのケアを担当するのではなく、外部サービスへ任せられる部分を増やすことも大切です。

退職後の収入や社会保険、生活費について確認する

退職すると、それまで毎月受け取っていた給与がなくなるため、家計への影響を事前に確認しておく必要があります。特にダブルケアでは、子どもの教育費と親の介護費用が同時期に発生する可能性があります。

まず、毎月の生活費や住宅費、教育費、介護費用などを整理し、退職後にどの程度の収入が必要なのか確認しましょう。配偶者の収入だけで生活する場合にも、家計全体で無理がないか計算しておくことが重要です。

また、退職後は健康保険や年金の手続きが必要になる場合があります。雇用保険の基本手当についても、退職理由や就職できる状態にあるかなどによって扱いが異なるため、個別に確認が必要です。

「今の生活が大変だから辞める」という点だけでなく、「辞めた後の生活をどう維持するか」まで考えたうえで判断しましょう。

ダブルケアで退職せずに仕事を続けるための選択肢

ダブルケアが始まったからといって、必ず仕事を辞めなければならないわけではありません。制度やサービスを組み合わせ、働き方そのものを変えることで仕事を続けられる場合があります。

育児休業や介護休業を利用して一時的に仕事を休む

現在の生活では仕事を続けることが難しくても、一定期間休めば状況を整えられる場合があります。その場合には、退職する前に育児休業や介護休業を利用できないか確認しましょう。

特に介護が始まった直後は、要介護認定の申請やケアマネジャーとの相談、利用する介護サービスの決定など、さまざまな手続きが必要になります。こうした時期に介護休業を利用し、その後の介護体制を整える方法があります。

一度仕事を辞めると、状況が落ち着いた後に再び希望条件に合う仕事へ就けるとは限りません。これまで築いてきた経験や待遇を維持できる点でも、休業によって雇用を継続するメリットがあります。

退職する意思が固まる前に、一時的に仕事から離れることで解決できないか検討してみましょう。

短時間勤務や時差出勤を利用して勤務時間を調整する

フルタイム勤務が難しいのであれば、勤務時間を短くすることで両立できる可能性があります。たとえば朝の出勤時間を遅くできれば子どもの送迎を担当しやすくなり、退勤時間を早めれば親の介護にも対応しやすくなります。

すべての曜日を同じ時間にする必要がない職場であれば、介護サービスを利用できる日は長く働き、通院日だけ短時間勤務にするといった調整ができる場合もあります。

重要なのは、現在の働き方をそのまま維持できるかどうかだけで判断しないことです。フルタイムから短時間勤務へ変えれば収入が減る可能性はありますが、退職する場合と比較して考える必要があります。

収入、勤務時間、育児・介護に必要な時間を並べて、自分にとって現実的な働き方を探してみましょう。

テレワークを利用して自宅で働ける時間を増やす

勤務先がテレワークに対応している場合には、在宅勤務の日数を増やせないか相談する方法もあります。通勤がなくなることで、朝や夕方の時間を確保しやすくなります。

たとえば、朝に子どもを送った後そのまま自宅で仕事を始められれば、会社へ移動する時間が必要ありません。介護サービスの担当者が自宅を訪問する日に在宅勤務を設定できれば、連絡や調整もしやすくなるでしょう。

ただし、仕事をしながら同時に介護や育児を行うことを前提にすると、仕事にも家庭にも負担が生じる可能性があります。必要な時間帯には保育や介護サービスを利用するなど、仕事に集中できる環境を用意することも必要です。

テレワークは単独で考えるのではなく、短時間勤務や外部サービスなどと組み合わせて活用するとよいでしょう。

家族で育児や介護の役割を分担する

一人に負担が集中している場合には、家族で現在行っている作業を洗い出してみましょう。「介護」と一言でいっても、食事の準備、買い物、通院、行政手続き、ケアマネジャーとの連絡など、さまざまな作業があります。

遠方に住んでいる家族であっても、電話での連絡やインターネット上でできる手続きなどを担当できる場合があります。配偶者と育児を分担し、自分が介護を担当する時間を確保する方法もあります。

役割を整理する際には、以下のように分けて考えるとわかりやすくなります。

  • 自分が担当すること
  • 配偶者や兄弟姉妹が担当すること
  • 介護・保育サービスへ任せること
  • やめても生活に大きな影響がないこと

すべての作業を同じ人が担当する必要はありません。家庭全体で負担を分散できれば、退職せずに働き続けられる可能性も高まります。

保育サービスや介護保険サービスを利用して負担を減らす

家族内の役割分担だけでは対応できない場合には、外部サービスを積極的に利用しましょう。ダブルケアでは育児と介護の両方にサービスを導入することで、本人の負担を大きく減らせる可能性があります。

分野 利用を検討できるサービスの例
育児 保育園、一時保育、病児保育、ファミリー・サポート・センターなど
介護 訪問介護、デイサービス、ショートステイなど

サービスを利用すると費用がかかることもありますが、退職によって収入が大きく減る場合と比較することが大切です。月数万円のサービス利用によって仕事を継続できるのであれば、家計全体では負担が小さくなる可能性もあります。

「家族のことは家族がやるべき」と考えすぎず、専門職や公的なサービスを利用しながら持続できる生活をつくることを意識しましょう。

現在の会社で両立が難しい場合は働き方を変えられる会社への転職を検討する

現在の勤務先ではダブルケアとの両立が難しくても、仕事そのものを完全に辞める必要はない場合があります。テレワークやフレックスタイム、短時間勤務などを利用しやすい会社へ転職することも選択肢の一つです。

転職先を探す場合には、給与だけではなく、勤務時間や勤務地、残業時間、休暇制度なども確認しましょう。「在宅勤務制度あり」と書かれていても、実際にどの程度利用できるかは会社や部署によって異なります。

面接などでは、無理に家庭事情を詳しく伝える必要はありませんが、「17時までの勤務を希望している」「週に数日は在宅勤務を希望している」など、自分が必要とする働き方について確認することが重要です。

ダブルケアをきっかけに退職する場合でも、「働くことをやめる」のではなく「今の働き方を変える」と考えることで選択肢が広がります。

ダブルケアで退職する場合は理由の伝え方や退職前に確認すべきことを押さえよう

ダブルケアでは、子どもの送迎や看護、親の通院や介護などが重なり、それまでと同じように働くことが難しくなる場合があります。家族の協力を十分に得られなかったり、勤務先で柔軟な働き方ができなかったりすれば、退職を考えることもあるでしょう。

会社へ退職理由を伝える場合は、「育児と介護の両立が難しくなったため」などと簡潔に説明することができます。家庭の事情を必要以上に詳しく話す必要はありません。就業規則を確認し、退職希望日や引き継ぎについて上司と相談しながら手続きを進めましょう。

一方、退職を決める前には、育児休業や介護休業、介護休暇、子の看護等休暇、短時間勤務などを利用できないか確認することも大切です。テレワークや時差出勤が可能であれば、働き方を調整することで退職を避けられる可能性があります。

また、育児や介護をすべて家族だけで行う必要はありません。保育サービスや介護保険サービスを利用し、家族間でも役割を分担することで負担を軽くできる場合があります。

ダブルケアの状況は家庭によって大きく異なります。退職するかどうかだけで考えるのではなく、「休む」「勤務時間を減らす」「外部サービスを利用する」「転職する」といった選択肢も含めて比較し、自分と家族が無理なく生活を続けられる方法を検討しましょう。

退職代行でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

退職のお悩みを一人で解決するのは心身ともに負担が大きいです。ぜひ、専門家にご相談ください。

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